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埼玉県狭山いきものふれあいの里センターは、公益財団法人 トトロのふるさと基金が指定管理をしております。
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眠気も覚める?行行子(ぎょうぎょうし)(「所沢市HPふれ里だより平成24年5月号」より)

 遅い『春』でしたが、ソメイヨシノ、ヤマザクラ、ウワミズザクラ。アオイスミレ、タチツボスミレ、ツボスミレ。次々と目を楽しませてくれました。
 今年の4月は初夏を思わせる日があるかと思えばまた早春に逆戻りのようになるなど、安定しない天候に植物も昆虫も例年よりまだ遅れているようです。

 それでもオトコヨウゾメが白い木々の花の季節到来を告げ、カマツカ、ミズキが後に続こうとしています。アゲハやツマキチョウも舞っています。

 ゴールデンウイークころはそろそろ繁殖地へと移動していくシロハラやアカハラのさえずりが聞かれたり、東南アジアの方から帰ってきたセンダイムシクイやヤブサメのさえずりが聞こえてきたりと、『何でもあり』とでも言えるような、通過していく様々な野鳥に出会える可能性のある時期です。


 葭原などでは、「ギョギョシ ギョギョシ」と大きな声が聞こえてくるかも知れません。その鳴き声から行行子とも呼ばれるオオヨシキリです。
 行行子は夏の季語になっていて、カッコウの声と共に夏を告げる声です。『能なしの眠たし我を行行子』と芭蕉が詠んでいますが、眠気も覚めるような大声です。
 カッコウとは、巣に卵を産みつけられ育てさせられる、托卵相手というありがたくない関係もあります。

 葭原に棲みヨシを刈るような大きな声を出すからとか、ヨシの茎を切って虫を食べ、大型なのでオオヨシキリと付いたと言われます。アシなどに縦に止まることが多く、くちばしをななめ上に向けて大口を開けてさえずります。口の中は橙赤色をしています。
 時には一夫多妻で繁殖するせいでもないでしょうが、さえずりは必死さを感じさせ、夜もさえずり続けることがあります。特徴的な声なので他と聞き間違えることはありません。

 日本全国に夏鳥として渡ってきますが、このあたりでは葭原の減少とともに繁殖するものは少なくなってきています。通過の時はチャンスです。この時季ならではの声が草原などから聞こえてきませんか。



      カマツカ

   オオヨシキリ

      ヨシ


一気に初夏?! (2012年4月24日)


 雨で肌寒かった昨日とは打って変わって、今日は朝から久しぶりに晴れ、気温もぐんぐん上昇しました。
 名残のヤマザクラの花びらが時折風に舞う中、木々がそれぞれの色で芽吹き始めています。


 チョウの姿もたくさん見られ、やっとツバメシジミにも出会えました。
 チゴユリが花を咲かせ、スミレの仲間は草丈をずいぶん伸ばして咲き続けています。


 先週末あたりからは、甘い香りを漂わせ、桜の最後を飾るウワミズザクラが咲き始めています。
 急に初夏が来たような森の中では、センダイムシクイの声も聞かれました。
 夏鳥たちが来始める中、シロハラは今日もまだ、落ち葉をひっくり返していました。

 自然の変化が目に見えて速く、「今日は何に出会えるのか!」楽しみな季節になりました。


春よ、春よと歌いながら(2012年4月10日)


    ヤエベニシダレ咲く荒幡富士周辺

 今日も晴れて気温が上がり、一気に春が押し寄せてきたようです。


 チョウの姿も多く見られ、きらきらと飛ぶコツバメも春を告げているようでした。
 一番多く咲いているのはタチツボスミレです。


 アオハダも透明感のある新芽を広げようとしています。
 先を競うかのように木々の芽吹きがはじまりました。

 明日は、桜散らしの雨になりそうですが、木々の芽吹きは一層進むことでしょう。
 毎日の変化が楽しみな『春』真っ盛りです。


陽光咲いています!!(2012年4月7日)


 今日はまた冬に戻ったようなお天気でしたが、陽射しは確実に《春》でした。
 後れていたサクラの開花ですが、玄関前の陽光が、咲き始めたかと思うとあっという間に見頃を迎えました。

 今年は花のつきがあまり良くありませんが、鮮やかな花を咲かせています。
 荒幡富士周辺では、ソメイヨシノやヤマザクラも咲いています。

 一気に春が押し寄せてきていますよ。


アゲハ、アゲハ、いつ起きる?(「所沢市HPふれ里だより平成24年4月号」より)

 今年はなかなか『春』を実感できませんでしたが、いつの年にもまして、狭山丘陵にも一気に春が押し寄せてきそうです。
 例年3月下旬には見られる、ミヤマセセリやコツバメに、今年は出会えませんでしたが、成虫越冬をしていた、テングチョウやルリタテハには出会うことができました。

 4月になると急にチョウの数も増え始めます。アゲハは日本全国に広く分布し、平地から低山地に多く、アゲハチョウ科の中で一番普通に見られます。
 アゲハと言えば、夏のチョウのイメージが強いように思いますが、さなぎで冬を越し、このあたりでは早ければ3月下旬、遅くても4月中に成虫が見られます。

 春型と呼ばれるこの時期のアゲハは、この後に出てくる夏型に比べて小さく、色が鮮やかで、雌雄による違いはほとんどありません。
 夏型ではオスの地色は白っぽく、後翅の前の中央部分に黒い斑紋があり、後の橙色斑が消えます。

 古来、日本人に親しまれ、円山応挙の『百蝶図』に鮮やかに描かれていますが、しばしば多くの画家に画材とされました。
 家紋にも多く使われ、平氏一門に愛用されたことで知られていて、平氏一族の代表紋が揚羽蝶です。日本画にしても家紋にしても優美な印象を受けます。

 花の蜜を吸うとき、羽(翅)を揚げてとまるから『揚羽(あげは)』と付いたといわれますが、こういったチョウの多い中、代表のように名前がついたのでしょうか。
 様々な花に吸蜜のため訪れ、高温の時は、湿地に降りて吸水することがありますが、これはオスの場合が多いようです。
 幼虫は、鳥の糞に擬態していて、カラタチ、サンショウなどミカン科の植物の葉を食べて育ち、幼虫期の最後に鮮やかな黄緑色になります。


 タチツボスミレ、ノジスミレ、ヒメスミレ。ソメイヨシノ、ヤマザクラ、オオシマザクラ。春と言えばスミレや桜が、人目を引きますが、キランソウ、ミミナグサ、ホウチャクソウ。足元には小さな花がたくさん咲いています。
 春を実感させてくれるウグイスのさえずりをよそに、地面ではシロハラがまだ北の国へ帰らずに、落ち葉をひっくり返して虫を探しています。


      アゲハ

    ノジスミレ

     ウグイス


今日は春分の日!!(2012年3月20日)


 少し風の冷たさはありましたが、今日は『春分の日』にふさわしい、陽射したっぷりの1日でした。
 センターエリアを歩いていても、ようやくウメの香りが漂ってくるようになりました。


 マユミの芽も日ごとに変化が見られます。ゴンズイの芽もほころび始めました。


 そして独特の香りが、ヒサカキが咲いたことを知らせていました。
 冬越しから目覚めたテングチョウの姿も見られ、早春の知らせを届けてくれました。


暑さ寒さも(2012年3月17日)


 「暑さ寒さも彼岸まで」と言われますが、今日は彼岸の入り。
 芽吹きを促すような雨が振ったり止んだりの1日でした。
 ヒメカンスゲの花も雨でしおれ気味。


 アオイスミレも咲き始めています。
 明日は雨もやみ、気温も少し上がりそうなので、また《春》の顔が増えるのではないでしょうか。


もうすぐ、もうすぐ(2012年3月13日)


            クロモジ

 風の冷たい1日でしたが、陽射しの暖かさを感じることが出来ました。


 ハコベやヒメカンスゲが咲き、ウグイスカグラも多くはつぼみで咲くのを待っているようでした。


 遅れていた紅梅もほころび始め、ニワトコやウワミズザクラの芽もほころび始めました。
 あちらこちらから「もうすぐ、もうすぐ」と声が聞こえてくるようでした。


春の目ざめシュンラン(「所沢市HPふれ里だより平成24年3月号」より)

 文字通り早春に咲くシュンラン。春に咲くランということから名前がついたといわれますが、中国の『春蘭』に似ていたのでそのまま用いたとも言われます。
 中国春蘭は日本のものより香りが強く、葉も緑色が濃いものが多いなど違いがあり、近縁種ですが別種です。

 シュンランは北海道から九州の乾燥した林内に生える常緑の多年草で、花を塩漬けにしたものを蘭茶にしたり、根をあかぎれの薬にするほか、観賞用としても古くから栽培されてきました。
 唇弁の斑点から別名ホクロと呼ばれ、関東地方ではジジババという名前で親しまれていました。江戸時代には園芸品とされ今も多くの品種があります。
 工芸品や食器などの図案にもよく用いられ、詩や俳句などにもしばしば登場します。

 『春蘭を掘り提げもちて高嶺の日』と高浜虚子の俳句にありますが、野生でありながら高貴な感もあり、身近にいくらでもあったシュンランは持ち帰っては気楽に楽しまれてきたのでしょう。
 今では乱獲や、環境の変化などで、何処にでも普通に沢山あるものではなくなってきました。埼玉県においてはこのままでは絶滅も危ぶまれるほどです。庭や鉢植えの花ではなく、いつまでも野で出会う花でいて欲しいものです。

 冬の間に落ち葉をそっとかき分けてみると、シュンランはつぼみを立ち上げ、春の訪れを待っています。優しい早春の日差しの下、静かに、そして気品すらたたえ、微笑みかけてくれる日も近いことでしょう。


 今年は3月5日が啓蟄、20日が春分の日です。厳しい寒さの冬でしたが、シジュウカラやホオジロのさえずりがよく聞かれるようになってきました。ミヤマセセリ、コツバメ、ヒオドシチョウ、いち早く春を告げるチョウは誰でしょう。

 虫たちが活動を始めるのと並行して、野鳥たちは子育てに入ってきます。せわしなく巣材を運んでいるエナガやシジュウカラにも出会えます。
 ヤマハンノキはいつの間にか咲き終わっています。足元に目をやると、アオイスミレが咲いています。気が付けば春はそこに来ていますよ。


    シュンラン

     ホオジロ

     コツバメ


今日は立春!! (2012年2月4日)


 今日は『立春』らしい穏やかなお天気でした。
 ウメの開花は遅く、10日程前に数輪咲き始めたままです。


 フユシャクの仲間は早春にかけて発生するものと、そろそろ終期のものが見られました。
 左からナミスジフユナミシャク、チャバネフユエダシャク、シモフリトゲエダシャクで、いずれもメスです。
 ナミスジフユナミシャクは5ミリ程度、最大級のシモフリトゲエダシャクで25ミリ程度です。


 フユシャクの側にはこんなにユニークなマクラギヤスデも冬越しをしていました。(来館者の方が発見してくださいました。)


 クロモジの冬芽も当分ほころびそうにはありませんでした。
 見過ごしがちなフユシャクのメスを探したり、冬芽をじっくり観て面白い顔を発見したりと、まだまだ冬の楽しみが沢山あります。
 野鳥は相変わらず少ないですが、少しずついつもの冬鳥が見られるようになって来ています。
 生きものとの出会いを楽しみに、冬の散策はいかがでしょう。


冬の夜の恋クロテンフユシャク(「所沢市HPふれ里だより平成24年2月号」より)

 局地的豪雪や、都心部ではカラカラのお天気が続いたかと思うと、積雪が記録されるなど、厳しい寒さが続いています。
 そんな中で、命をつないでいるのが、フユシャクの仲間たちです。

 クロテンフユシャクは、日本全国に普通に分布し、初冬から晩冬にかけて成虫になりますが、このあたりではおよそ2月ごろから多く見られます。翅に黒い点があることから名前が付きましたが、個体差があり目立たない者もいます。

 日本では約40種のフユシャクの仲間が確認されていて、共通して言えるのは口吻が退化していることと、オスには翅がありますが、メスには退化して痕跡程度か、小さなものしかないことです。クロテンフユシャクのメスは完全に退化し、産卵前には尾の先端に毛の束を持ち、卵塊をこの毛で覆って産卵します。4月〜5月ごろ、いわゆる『尺取虫』と呼ばれる幼虫になり、コナラ、クヌギ、クリなどの葉を食べて育ち、初夏にはさなぎになり夏の暑い時期を過ごします。

 夜行性なので、昼間飛んでいるところを目にすることはほとんどありませんが、幼虫が葉を食べる木にメスがとまっているのを見かけることがあります。
 ただ、メスの大きさは9〜11ミリ。しかも木肌に溶け込むような色なので、見過ごしがちですが、見つけた時の喜びは大きいです。
 メスはフェロモンを出してオスを呼びます。思いのほか歩くのは早く、少しの間に見失うこともあります。
 天敵が少ないから冬に成虫になるとも言われていますが、0度を下回ると活動は止まってしまうようです。

 初冬の林床近くをひらひらとクロスジフユシャクが舞い、スタートしたフユシャクの季節も、ウスバフユシャクが出、クロテンフユシャクが多くなると終わりに近いです。

 やがて成虫越冬したヒオドシチョウ、いち早くさなぎから成虫になるミヤマセセリなどが早春を告げ、チョウたちの舞う季節の始まりです。

 梅の花が寒さの中凛と咲き、木々の幹を突きながら移動するコゲラ。もしかすると梅の樹皮にはフユシャクの仲間がいて、コゲラに見つかり餌になってしまっているかもしれません。

 スギも開花し、花粉を飛ばし始めます。寒い季節のあとは春がやって来ます。


  クロテンフユシャク

     コゲラ

      ウメ


寒中お見舞い申し上げます!! (2012年1月24日)


 今日は昨夜からの積雪で、センターの回りも一面銀世界でした。


 久しぶりの日差しの下、今日はナミスジフユナミシャクのメスに出会えました。
 遠くからもイイギリの赤い実が目立ち、頭に雪を乗せたウバユリも綿帽子を被ったようで可愛く見えました。


 今夜も冷え込みそうです。明日も凍結に注意しないといけないようです。
 足元に注意をして、冬の自然を楽しんで見ましょう。


今日の荒幡富士(2012年1月19日)


 今日は日差しが少なく寒い一日でした。
 朝には、弱弱しく輝く太陽の周りに『暈』が観られました。


 冬季限定のフユシャクの仲間も時折見られ、今日はチャバネフユエダシャクのメスがいました。
 動かない冬芽は確実に観察出来ます。
 可愛い帽子を被ったようなリョウブの冬芽が春を待っていました。

 カラカラのお天気が続いていますが、そろそろお湿りがありそうです。
 防寒対策を整えて、冬の散策を楽しんでみてください。
 きっと素敵な生きものたちとの出会いがありますよ。


ムクドリの夢(「所沢市HPふれ里だより平成24年1月号」より)

 気温差の激しかった12月。クリスマス寒波で、真冬並みの気温の日が続きました。とは言え、冬至を境に日没は少しずつですが遅くなり、まさに『一陽来復』を実感します。1月は旧暦では『春』です。

 冬場に目にすることが多くなるムクドリは、東アジアに分布し、国内に広くいますが、北のものは冬に南へ移動します。山地よりも平野部に多く、春から夏にかけての繁殖期以外は群れで行動します。全体的に黒褐色で、顔の部分が白いですが、個体差が多く、よく観察すれば顔が識別できるほどです。また、短い尾と、くちばしと足がオレンジ色なのが特徴で、のこのこ歩く姿もかわいいです。
 ムクノキの実を食べるからムクドリと付いたと言われますが、広く木の実や昆虫、クモなどを食べます。

 かつては、ムクドリは作物に害を及ぼす虫を食べてくれる、益鳥として扱われていましたが、今では大群で街路樹などをねぐらにし、集まる際の大きな鳴き声やフン害などからすっかり人気を落としてしまっているようです。
 木の洞に巣を作りますが、民家の戸袋などにも作り、これも迷惑がられる一因となっているようです。
 “むくどりのゆめ”は、浜田廣介の有名な童話で、切ないけれど優しい気持ちになれるようなお話です。今ではムクドリ対策がよく話題になっていますが、あらためてこのお話を読むと、ムクドリがいとおしくなるでしょう。人に追われることなく、のんびり暮らしたいと昨今のムクドリは夢見ているかもしれません。


 今年は辰年ですが、『竜の髭』とも呼ばれるジャノヒゲが、林内で瑠璃色の実をつけています。センリョウ、マンリョウ、カラタチバナ(百両)、ヤブコウジ(十両)も赤い実をつけています。みんな冬場の野鳥たちの貴重なエサとなります。
 ジョウビタキ、ルリビタキ、アオジ、ツグミ、シロハラといった冬越しに来ている野鳥たちをはじめ、様々な野鳥を観察する好季節です。
 この時季数少ない目につく昆虫、フユシャクの仲間も次々と発生しています。
 木々の冬芽の個性豊かな表情も楽しめます。穏やかな晴れの日にはシジュウカラがさえずりの練習を始めることでしょう。
 光の春は来ています。



    ムクドリ

  ジャノヒゲ

  ヤブコウジ


今年もありがとうございました(2011年12月28日)


 今朝は雲が多かったですが、日中は日差しが気持ちの良い1日でした。
 コナラにはまだ少し葉が残っていますが、まもなくすっかり冬の装いになることでしょう。


 浅間神社の広場にも太陽の光がいっぱいで、ジョウビタキやシジュウウカラなどの声が聞こえていました。


 今年もガイドウォーク、里山体験講座、里山の維持管理に関する講座、ひよこ探検隊、初めての自然観察会、大人のための自然観察会などにご参加いただきありがとうございました。

 2012年は1月4日から開館し、15日(日)には今年最初のイベント《まゆ玉飾りで小正月を祝おう!》を開催します。

 来年もどうぞよろしくお願いします。
 寒い日が続いていますが、皆さんどうぞご自愛なさって良いお年をお迎え下さい。


今日の荒幡富士(2011年12月10日)


 今朝は冷え込みましたが、期待通り富士山が美しい姿を見せてくれました。


 荒幡富士の登山口の手水には薄氷、登山道には霜柱がありました。


 黄葉も一気に進み、既にすっかり葉を落とした木もあります。
 今年はとりわけアオハダの黄葉が目を引きます。そろそろ終わりですが、まだまだ木によっては楽しめそうです。

 今夜は月食。晴れて華やかな冬の夜空を楽しめると良いのですが…


冬に花咲く?フユノハナワラビ(「所沢市HPふれ里だより平成23年12月号」より)

 師走を迎え、なんとなく落ち着かないような慌ただしい時期となりました。今年は日によって気温の変化が大きく、天候不順が目立ったようですが、12月に入ってもそれは続きそうです。

 冬枯れの中、日だまりで緑の葉をつけ、花を咲かせているかのようなフユノハナワラビに出会えることがあります。
 シダには夏に緑の葉を付ける夏緑性ものと、常緑性のものがありますが、フユノハナワラビは、夏の終わり頃から葉を出す冬緑性のシダです。
 シダといえば日陰の湿ったところに生えているイメージがありますが、これは日の当たる山地や草地に生えます。ある程度草も刈られ日が当たり、人に踏みつけられないような場所がおもな生育場所です。
 また、多くのシダは、葉の表で光合成をして栄養を蓄え、葉の裏に胞子をつけた袋をつけて子孫を増やしますが、フユノハナワラビは栄養葉と胞子葉が別に出ます。スギナも同じで、スギナは栄養葉、ツクシが胞子葉で、根でつながっています。

 秋に胞子葉をだし、初冬にかけ黄色く成熟し、胞子を飛ばす様を花にたとえて名前がついたとされます。ワラビとは名ばかりで、全く別のハナヤスリ科です。解毒などの薬用に使われるものの、食用には向きません。
 花の少ない時季に胞子葉を付けた姿に趣があるせいか、庭にもよく植えられます。


 紅葉は遅れていましたが、コナラやクヌギをはじめ、黄色や褐色、あるいは紅く色づき葉を落とし、後には、シラカシやアラカシなどの常緑の木々が少し葉の色を変え、冬を生きています。そんな葉を注意してみると、ウラギンシジミが裏にしっかりとしがみついて冬越ししているところを見つけられるかもしれません。
 名の通り、閉じた翅は銀色に見えます。よけいなエネルギーを使わないように、また気温が低いと体も動きませんので、よほどのことがないと飛ぶことはありませんが、春から秋にかけては、シラカシなどの樹冠をキラキラと飛ぶ姿が見られます。
 暖かい日差しの下では、翅を開いている、やはり成虫越冬しているムラサキシジミやルリタテハに出会えることもあります。
 ルリビタキやジョウビタキ、渡ってきたヒヨドリなどもそろそろ越冬地を決めて落ち着き始めます。


   フユノハナワラビ

   ウラギンシジミ

      コナラ


晩秋の森へ(2011年11月17日)


 今朝は風が冷たく感じられましたが、日中は陽ざしの暖かさに恵まれました。
 花は少なくなりましたが、チャノキの花がまだ楽しめます。


 キチョウや、ウラギンシジミなど成虫越冬するチョウを初め、この時季にはもう姿を消しているはずのヒメジャノメが見られました。
 森も日毎に姿を変えています。散策の楽しみが一杯です。


今日は立冬(2011年11月8日)


 11月に入り、気温が高い日が続いていましたが、今日は平年並みになり、夜は立冬らしく冷え込んでくるようです。
 暦の上では冬の始まりですが、これから晩秋の風情を楽しむことができます。
 風に吹かれ旅立とうとしているノハラアザミの種や、色づいた様々な実。


 ジョロウグモもまだ健在です。ムラサキケマンは優しい緑の新葉を出し、早春に花を咲かせる準備をしています。


 小さな冬芽をつけたカマツカも、少し色づき初め、足下には高いところで紅葉したツタの葉が落ちています。

 朝晩の冷え込みとともに、どんどん木々の葉が色づいてくることでしょう。
 毎日変化を楽しみながら、少し長い道のりを歩いてみたくなる今日この頃です。


晩秋の彩り、コウヤボウキ(「所沢市HPふれ里だより平成23年11月号」より)

 今年もいよいよ終わりに近づいてきました。夏日があったかと思えば冬の訪れを思わせるような気温になったりと、夏と冬が顔をのぞかせるような10月でしたが、今年は11月8日が立冬。暦の上では冬の始まりです。


 花が少なくなった晩秋の林縁に、コウヤボウキが咲いています。草本のように見えますが、このあたりではコウヤボウキとナガバノコウヤボウキの2種のみしかないキク科の木本です。
 関東地方以西のおもに山地に生え秋口から咲き始め、11月まで見られます。細い茎に淡いピンクの細いリボンか、紙細工のような花が柔らかい日差しの下、風に揺れる様はいかにも晩秋の風情です。

 明治の初め頃までは、和歌山県の高野山では、『禁忌十則』により利益につながる竹を植える事を禁じていたので、コウヤボウキで箒を作ったとされ、このことから名前が付いたと言われます。一方、厠箒(かわやぼうき)が転じたとの説もあります。

 万葉集には『初春の初子の今日の玉箒(たまばはき) 手にとるからにゆらぐ玉の緒』と大伴家持の歌があり、これは、正月初子の日に宮中で、中国の宮中行事にのっとり蚕室の掃除をする儀式が行われていました。このときにコウヤボウキの枝を束ね、宝玉の飾りを付けた玉箒が使われたそうで、正倉院御物『子日目利箒(ねのひのめどきぼうき)』が現存しています。
 実用としても、蚕棚を掃いたり、カイコを新しい葉に移すのに使ったりと、養蚕には深い関わりがあったようです。

 花は今年延びた枝先に一つつきます。2年目の葉は、栄養を貯えるためのもので、葉の付き方も違います。この違いは、芽吹き始めた春先によくわかります。
 咲き終わった後の綿毛も美しく、初冬の林縁を彩ります。


 白いチャノキや黄色いヤクシソウの花などがもうしばらくは見られそうです。
 野鳥の声は随分賑やかになりました。ジョウビタキ、カケス。渡ってきたヒヨドリも仲間入りしています。ルリタテハやテングチョウ。成虫で冬越しをするチョウたちが時折見られ、朝晩の冷え込みと共に、木々も最後の輝きを見せてくれる事でしょう。
 晩秋から初冬へ。気持ちよく歩ける季節の到来です。


   コウヤボウキ

    ヤクシソウ

    ルリタテハ


実りの秋です(2011年10月29日)


 今日は爽やかな秋晴れでした。
 ササキリやアオマツムシの声を聞きながら歩いていると、カラスウリの朱の実が目に付きます。


 スズメウリの乳白色の可愛い実もぶら下がっています。
 足下にはゲンノショウコの実もはじけ、別名のミコシグサらしい姿を見せてくれています。
 荒幡富士ではタイワンホトトギスも花を咲かせていました。
 野鳥の声も賑やかになりました。秋の散策は日毎変化を楽しめます。


秋の野に野菊咲くころ(「所沢市HPふれ里だより平成23年10月号」より)

 残暑や台風に見舞われた9月でしたが、今年もお彼岸で空気が入れ替わり、秋が深まりゆく頃となりました。
 今年の10月9日は寒露と十三夜が重なります。寒露は菊が咲き始める頃ともされますが、10月5日が旧暦の9月9日で、重陽の節句(菊の節句)に当たり、野山でも野菊が盛りを迎えます。

 十三夜は別名『後の月』。《後(のち)の月という時分が来ると、どうも思わずには居られない。》と書き出される伊藤左千夫の『野菊の墓』ですが、少し湿気たところに野菊が咲いている描写から、カントウヨメナではないかという説もあります。
 カントウヨメナは、関東地方より北の、田のあぜや川べりなどに生え、ユウガギクより厚い葉をしています。
 ユウガギクは、近畿地方より北の山野の草地や道端に生え、淡青紫色のカントウヨメナ対し、白に近い花です。
 ノコンギクは本州、四国、九州の山野のいたるところに普通に生え、花は淡青紫色で、カントウヨメナよりやや小さくユウガギクと同じくらいの約2.5センチです。花弁のように見える舌状花にも、黄色い筒状花にも長い冠毛があります。野菊の墓文学碑の周りにはこの3種が植えられているそうです。

 白い花ではシロヨメナ、シラヤマギクが咲きます。このあたりではおよそユウガギク、カントウヨメナ、ノコンギク、シラヤマギク、シロヨメナと夏頃から咲き始め、シロヨメナは11月頃まで見られます。
 野菊は総称で、キク科の植物は約350種が日本で野生し、定義はありませんが、この辺りで野菊と呼ばれるものはこれらでしょう。区別の難しいものが多く、『野菊の墓』に出てくるのはやはり『野菊』ではないでしょうか。

 エンマコオロギ、ツヅレサセコオロギなどの声も次第に聞かれなくなります。ふと気が付くと空にはアカトンボが多数舞っていることがあります。アカトンボも総称ですが、代表格はアキアカネでしょう。キチョウやヤマトシジミ、チョウの姿もまだ見られます。

 この時季は南の国へ渡る、サンコウチョウやキビタキなどと、北の国から渡ってきたジョウビタキなどが見られるかもしれないと、ちょっとワクワク、出会いを期待しながら散策を楽しめます。

 10月8日の夜遅くから9日の未明には、10月りゅう座流星群の活動ピークが予想されています。昼も夜も空が澄み渡る季節です。


   カントウヨメナ

    ユウガギク

    ノコンギク


    アキアカネ


荒幡富士 秋の花たち(2011年9月13日)


 荒幡富士では、秋の花が次々と咲いています。イネ科の花もオガルカヤをはじめ、数々咲いています。


 登山道周辺には、ヒメキンミズヒキ、ハイメドハギ。


 そしてツルボ、ヤハズソウ。

 ノハラアザミが咲き始め、ワレモコウ、ツリガネニンジン、センニンソウもまだ残っています。


 今日は頂上からスカイツリーもよく見え、空には秋の雲と夏の雲が行き交っていました。

 荒幡富士登頂記念スタンプがセンターにおいてありますので、登山の後はセンターにぜひお立ち寄りください。


思ひ草 何思う…(2011年9月8日)


 『道の辺の 尾花が下の 思ひ草 今さらさらに 何をか思はん

 万葉集に、思ひ草が歌われているのは一首ですが、思ひ草はナンバンギセルのことだろうと言われています。
 今年は少し遅めでしたが、今アズマネザサなどの根元で見られます。
 うつむいて、恋の悩みでも抱えていそうにも見えるナンバンギセルです。


 今日は『白露』。ナンバンギセルのまわりの草にも朝露が白く輝くころとなりました。


再び残暑お見舞い申し上げます(2011年9月6日)


 台風の影響で不安定なお天気が続きましたが、今日は久しぶりに朝から晴れました。
 風は少しひんやりして、午後からはまた曇り、雨が…


 富士山は見えませんでしたが、昼過ぎまでは、スカイツリーや東京タワーが見ることができました。


 朱く色づいたアオハダの実、アオツヅラフジも色づいていました。
 明日からまた猛暑が復活する予報ですが、秋があちこちで見つかるようになっています。
 水分補給を忘れずに、『秋』を探しながら散策してみてください。


今日の荒幡富士(2011年9月2日)


 台風の影響で、不安定なお天気の今日、空はめまぐるしく表情を変えていました。
 そんな変化の中で、『暈(かさ)』が見ることができました。
 短い時間でしたが太陽のまわりに虹色がとてもきれいでした。

 荒幡富士からの雲見がおもしろい季節です。


コオロギたちの季節(「所沢市HPふれ里だより平成23年9月号」より)

 ススキ、クズ、メドハギ、センニンソウ、シロヨメナ、ワレモコウ、ヤブラン。カゼクサ、チカラシバ、メリケンカルカヤ。9月、花野(はなの)を彩る草花は、数々籠に挿して風情を楽しみたくなります。


 厳しい暑さの夏でしたが、今年も変わらず、お盆の頃から夜には秋の鳴く虫、エンマコオロギ、ツズレサセコオロギ、ハラオカメコオロギなどコオロギの仲間たちの声が聞かれるようになりました。
 これらのうち黒っぽい色をしているものは、草の根もとの地面などで暮らしていて、見つかりにくくなっています。最も大きいエンマコオロギで体長26o〜32o、ハラオカメコオロギは14o程度です。
 雑食性で、草や虫の死体なども食べます。エンマコオロギは石の下や草の根元に穴を掘って棲み、ツヅレサセコオロギも石の下に小部屋を作って棲みます。

 顔が閻魔様のようだからエンマコオロギ、顔がおかめのようだからオカメコオロギと付いたと言われ、オカメコオロギにはハラオカメコオロギ、モリオカメコオロギ、タンボオカメコオロギがいます。
 鳴き方は気温に左右され、涼しくなってくると、昼間も鳴くようになり、テンポもゆっくりになってきます。鳴くのは雄ですが、時には縄張りを歌い、時には雌を誘います。前翅をこすり合わせて鳴くせいか、複雑な模様をしています。翅を立てて鳴くのが特徴で、立てた翅が拡張器の働きをし、音を大きく響かせます。そして、耳は前足にあります。

 古くから鳴く虫に親しんできた日本人ですが、万葉人は鳴く虫を全て蟋蟀(こおろぎ)と呼んでいたようです。平安時代には聴き合わせや競い合わせなども開かれ、種名も確立し、江戸時代には虫屋が鳴く虫を売り歩きました。江戸時代中期頃まで、ススキの原が広がっていたこの辺りは、鳴く虫も名物でした。


 今年は9月12日が十五夜。昼間は残暑が厳しくても、夜にはセミに替わってコオロギの仲間たちが合唱しています。
 イチモンジセセリを始めチョウの姿も増え、ヤマガラなど野鳥の声も賑やかになってきます。南の国へ渡る途中のキビタキなどにも出会えるかもしれません。秋色が増した空にはアキアカネが飛び交います。


  ハラオカメコオロギ

      ススキ

     ヤブラン


残暑お見舞い申し上げます!! (2011年8月11日)


 暑く、不安定なお天気が続いています。みなさん熱中症にはくれぐれもご注意くださいね!

 暑さをものともせず、体長8〜9oのエゴヒゲナガゾウムシ(ウシヅラヒゲナガゾウムシ)が、エゴノキの実をかじって産卵したり、葉の上を歩いている姿が見られます。とてもユニークな顔をしていますので、ぜひ探してみてください。


 コノシメトンボやミヤマアカネも見られました。
 足下では、シオヤアブは甲虫類も狩るという現場を目の当たりにしました。


 花は少ないですが、ヒメヤブランがまだ見られ、ヤブランもつぼみを付けています。
 甘い香りが漂ってきたら、クサギの花の香りでしょう。

 ここぞとばかりに鳴いているセミの声を聞きながら、木陰を散策して色々な生きものとの出会いを楽しんでください。
 もちろん森林浴も楽しめますよ。


森を巡る黒いアゲハ(「所沢市HPふれ里だより平成23年8月号」より)

 今年は早い梅雨入り梅雨明けで、暑い夏本番が長くなりそうです。春からの天候不順で、昆虫の発生にズレが見られていましたが、次第に例年並みになってきたようです。

 一番暑い時季にはチョウの成虫も数を減らしますが、そんな中、悠々と飛ぶ黒いアゲハの姿を目にします。
 この辺りでは、クロアゲハ、カラスアゲハ、ジャコウアゲハ、ナガサキアゲハ、モンキアゲハ、オナガアゲハです。一番数が多いのはクロアゲハで、飛んでいるときにぎらっと金属光沢が見えたらカラスアゲハでしょう。最も緩やかに飛んでいるのがジャコウアゲハで、雌の翅は黄灰色〜暗灰色で、すぐに分かります。ナガサキアゲハには尾状突起がなく、雌の後翅には白紋があります。あまり見る機会はありませんが、その名の通り後翅の尾状突起が長いのがオナガアゲハで、後翅に白っぽい斑紋があるのがモンキアゲハです。

 アゲハの仲間の雄には、まるで空中に道があるかのように同じようなところを飛ぶ習性のものが多く、黒いアゲハの仲間は、大抵林内にその道(蝶道)があるようです。
 蝶道は、幼虫の食べる植物や、吸蜜に訪れる花のあるところを結んだようになっていると言う説もあり、雌が訪れそうな場所を雄がたどっていると言えます。葉に当たる光の加減にも影響を受けるようなので、時間によっても飛ぶコースが変わります。

 ジャコウアゲハの幼虫は、毒性のあるつる性多年草ウマノスズクサを食べますが、その他の黒いアゲハはミカン科の樹木の葉を食べます。
 クサギの花で吸蜜しているところがよく見られ、この時季他にあまり花はありませんので、クサギの花は、黒いアゲハに出会える可能性の高いポイントです。

 今年は8月8日が立秋。この日から『残暑』となり、空には秋の気配が見え始めます。夏を惜しむ様なツクツクボウシの声が増え、お盆を過ぎる頃からは、夜にはエンマコオロギなど秋の鳴く虫たちが歌い始めます。クズやキツネノマゴ、初秋に咲く草花も咲き始め、シジュウカラやコゲラを始め、野鳥の鳴き声が増え始めます。星空も賑やかな8月、虫の音(ね)に耳を傾けながら夜空を見上げてみてください。


    クロアゲハ

     クサギ

   エンマコオロギ



ユリ科の花の季節です!!(2011年7月21日)


 荒幡富士周辺ではヤマユリが咲いています。


 センター周辺では、ウバユリも凛とした姿で咲き始めました。
 足下では、ヒメヤブランなどの小さなユリ科の花も咲いています。

 今日は、午前中こそ雨が降りましたが、気温が低く、午後は晴れ間も見られ、とても気持ちのいいお天気でした。
 明日からはまた気温が上がってくるようですが、木々を渡る風は森の薫りも運んでくれます。
 森林浴に絶好の季節です。


昨日の荒幡富士(2011年7月2日)


 昨日は荒幡富士の山開きでした。
 3月の震災以来、立入禁止になっていましたが、工事もぎりぎり間に合い、無事山開きを迎えることができました。


 浅間神社横で神事の後、山頂でもお祓いが行われました。



 お祓いの後は、この日を待っていた多くの方が登山を楽しまれ、久しぶりに荒幡富士に子どもたちの歓声も響きました。
 荒幡富士から降りてこられた地元関係者の方々もホッとされた様子で、浅間神社ではさらに神事が続けられていました。
 山腹のオカトラノオの花には、新鮮なツマグロヒョウモンが開山を祝うかのように訪れていました。

 この3ヶ月半あまり、お問い合わせも多く、改めて荒幡富士の人気を知りました。
 みなさんお待たせしました!!
 まもなくヤマユリも荒幡富士に訪れた方を迎えてくれることでしょう。


風とヤマユリ(「所沢市HPふれ里だより平成23年7月号」より)

 今年も猛暑が心配されますが、梅雨明けを待たずに咲き始め、一番暑い時季に咲き続けるヤマユリは、一服の清涼剤のようでもあります。匂い立つような美しさはもとより、風に運ばれてくる香りがその存在を知らせます。毎年1個ずつ花を増やすと言われ、時には20個以上もつけます。

 ヤマユリは、日本特産種で、近畿地方以北の本州に普通ですが、その他の地域には、あれば庭などに植えられていたものが、野生化したものといわれ、自生地はそう広くありません。

 山地や丘陵地に生えるので、『ヤマユリ』とついたとされ、吉野百合、鳳来寺百合、叡山百合など、産地にちなんだ別名も多くあります。また、鱗茎を食用にすることから、料理百合とも言われます。

 幕末日本に来たヨーロッパ人が、日本のユリの美しさに驚き、持ち帰ったとされ、明治にはいると、特に多くあった関東地方などから重要な輸出品として乱獲されました。ヨーロッパで品種改良を重ね、数々の園芸種が生まれましたが、その多くにヤマユリのDANが息づいています。
 今も庭に植えようと持ち帰られることが多く、野山ではめっきり姿を見ることが少なくなってきました。

 ユリは『揺れ』から来たとも言われ、つい支えをしてやりたくなる様な風情ですが、揺れることによって強い根茎が育まれると言われます。ヤマユリは風に揺られながら、周りの草に時には寄りかかり、地温が上がるのも防いでもらっています。大輪の花を咲かせる女王には周りで支えてくれるものが必要なようです。

 ヤブカンゾウ、ジャノヒゲ、トウギボウシ、ヒメヤブラン。この時季、他にもユリ科の花が多く咲きます。木ではリョウブの白い花が涼やかです。
 ヤマユリの花にはクロアゲハが吸蜜によく訪れます。林内にはクロヒカゲやヒカゲチョウ。ニイニイゼミが梅雨明けを待ちきれずに鳴き始め、セミの合唱も梅雨明けとともに本格的になっていきます。

 シジュウカラ、コゲラ、ヒヨドリなどのまだ幼い声も聞かれるなか、木々の間を渡ってくる風は、ちょっぴりひんやりとしています。


             ヤマユリ

   トウギボウシ







    ヒカゲチョウ


遅ればせながらゼフィルスの季節です(2011年6月24日)


 今日は暑いながらも風が心地よい1日でした。
 センターの周りではこれまでにないくらいゼフィルス(ミドリシジミの仲間たち)が見られました。
 特に多かったのがウラナミアカシジミです。


 ミズイロオナガシジミ、アカシジミも草の上などで見られました。
 今年は発生のピークが例年より2、3週間遅れたようです。


 草の上には鎌を振り上げようとしている、小さいながらもいっぱしのハンターの姿も…
 シジュウカラやコゲラの幼鳥たちの声が聞かれる中、様々な虫たちが見つかるようになりました。


樹下に白く浮かぶギンリョウソウ(2011年6月7日)


 今日は朝から曇っていましたが、午後からは時折陽も射しました。
 薄暗い木の下、落ち葉の間から別名ユウレイタケとも呼ばれるギンリョウソウが咲いています。


 盛りは過ぎましたが、ウツギには様々な虫たちが吸蜜に訪れ、ホトトギスもここぞとばかりに鳴いていました。ドクダミの花も盛りです。
 ドウダンツツジの葉の上にいた、ぴかぴかのテントウムシには空が映っていました。

 昨日は『芒種』、イネ科の種を蒔く頃と言われますが、田んぼには水が張られ、田植えもまもなくのところが多いようです。
 風が心地よい1日でした。


飛ぶ宝石、翡翠(カワセミ)(「所沢市HPふれ里だより平成23年6月号」より)

 今年は5月中に梅雨入りしたところが多いようですが、6月のイメージは『梅雨』、色で言えば『青』でしょうか。

 青にも色々ありますが、『飛ぶ宝石』とも言われるカワセミは絶妙な青のグラデーションに、オレンジや白が映える小さな美しい野鳥です。
 カワセミは、日本全国の、平地や低い山地の川や池沼などの、水辺で暮らしています。夏の季語になっていますが、この時季は繁殖期に当たり、雄が雌にエサの魚などをプレゼントする求愛給餌が見られるかもしれません。
 大きな頭に長いくちばし。雄も雌も一見すると同じようですが、雌はくちばしの下が先端部分から3分の2くらい赤っぽい色をしています。

 英名のKingfisherに違わず、木の枝や杭に留まり、狙いを定めて水中に飛び込みエサをとります。留まる場所がない時には空中でホバリングをし、飛び込みます。
 土の崖に横穴を掘って巣にしますが、最近では護岸工事などで、営巣に適した場所が少なくなっています。

 さらに小さい『飛ぶ宝石』ゼフィルス(ミドリシジミの仲間のチョウたち)が見られる、年に1度の季節でもあります。池のそばには、ミドリシジミの幼虫が食べるハンノキも生えているかもしれません。クヌギ、コナラはオオミドリシジミ、ミズイロオナガシジミ、アカシジミ、ウラナミアカシジミの幼虫たちの食樹です。

 6月は旧暦では5月にあたります。梅雨の晴れ間を五月晴れと言ったのが、本来の五月晴(さつきばれ)れの意味で、このころの長雨を五月雨(さみだれ)と呼びました。五月晴れの日はゼフィルス、五月雨の日はカワセミとの出会いを楽しみに歩くのも良いのではないでしょうか。

 足下にはドクダミ、イチヤクソウ、ギンリョウソウの白、ヘビイチゴの実の赤。桃色のナワシロイチゴの花もそっと咲いていることでしょう。

 今年は6月22日が夏至。北半球では最も頭上高く太陽が輝きます。


     カワセミ

     アカシジミ

     ヘビイチゴ


エゴノキ満開です!! (2011年5月20日)


 爽やかな晴天が続いていますが、エゴノキの花が真っ盛り!!
 
風に乗って甘い香りが漂っています。


 虫たちの活動も活発になってきました。
 エゴノキにはエゴツルクビオトシブミの揺籃が揺れ、ダイミョウセセリが林縁で素早く飛び回っては葉の上で翅(はね)を広げていました。
 ジャコウアゲハがハルジオンの花にしがみつくようにして吸蜜している姿も見られました。

 シジュウカラの雛がエサをねだる声も聞こえてきます。


 木々の緑もずいぶんと濃くなりました。
 深呼吸をして、風薫る5月を満喫してみてはいかがでしょう。


可憐な『虎』トラフシジミ(「所沢市HPふれ里だより平成23年5月号」より)

 風薫る五月。新緑がまぶしい季節です。ヤマツツジ、フジ、ウツギ、ノイバラ、ミズキ、サワフタギ。木々の花が先を争うかのように咲いていきますが、これらの花やつぼみに、かじられた痕があれば、トラフシジミの幼虫の仕業かもしれません。

 トラフシジミは、翅(はね)の裏の縞模様から虎斑(とらふ)と名前がついたと言われ、チョウにしては珍しく多食で、マメ科、ユキノシタ科、バラ科、ツツジ科、ハイノキ科、クロウメモドキ科、ブナ科、ミズキ科、リョウブ科、トチノキ科、ウツギ科などを食べます。
 蛹で冬を越し、このあたりでは4月下旬から5月中旬にかけ地色が白い春型が発生します。6月下旬から8月上旬に発生する夏型は地色が褐色で、春型に比べ縞模様がはっきりしません。
 北海道から九州まで各地にいて、食草が多いにもかかわらず、個体数はあまり多くありません。生態については不明な点が多いのですが、共食いの性質もあるようで、可憐な見かけとは裏腹に、名前通りどう猛な『虎』なのかもしれません。

 成虫は、様々な花に吸蜜に訪れます。翅表は光の加減で変化する金属光沢のある青で、あまり見せてくれないのが残念です。一般的には夏型の方が個体数が少ないのですが、春型でも夏型でも、出会えたときは得をした気分になります。

 シジュウカラやメジロ、ウグイスが歌い、東南アジアから繁殖のため日本に帰ってきたセンダイムシクイの声も聞かれるようになりました。カッコウやホトトギスの声もまもなく聞かれることでしょう。
 ガマズミ、ネジキ、ホオノキと木々の花が多く咲き、草本ではノゲシ、ニガナ、オオジシバリといったキク科の花が目立つなか、キンラン、ギンラン、サイハイランも花を咲かせます。早春に地面近くでけなげに花を咲かせていたアオイスミレは草丈も葉も見違えるように大きくなり、ウグイスカグラの実も赤く色づきかけています。

 エゴノキの花の甘い香り、深さを増す緑の匂い、深呼吸したくなる5月の森です。



    トラフシジミ


     ノイバラ
 ギンラン


ウワミズザクラ満開です!! (2011年4月26日)


 さわやかな風が吹き、気持ちの良い晴天だった今日。
 満開のウワミズザクラの香りが風に乗って甘く漂っていました。
 いよいよ『桜』の季節も終わりです。


 ツボスミレが咲き、スミレの季節も終わりを告げています。ニシキギが可愛い黄緑の花を咲かせ、ヤマツツジも咲いています。
 繁殖のために南の国から帰ってきたセンダイムシクイの鳴き声も聞かれ、季節は初夏へと移り変わってきているようです。
 生命力あふれる森を散策するのに、良い季節となりました。


春は駆け足で… (2011年4月16日)


 「三日見ぬ間の桜かな」といわれますが、今朝は特に変化が早く感じられました。
 昨日と木々の緑がすっかり違っていたのです。


 同じ場所で4月7日と12日に撮ったものです。


 初夏を思わせる陽気となった今日、ヤマザクラもほとんど花びらを散らしてしまいました。
 オトコヨウゾメが咲き、ミズキもつぼみを付けています。白い木の花が次々と咲いてくる時季になってきたようです。
 春を告げるミヤマセセリが素早く飛び、キチョウもペアで舞っています。
 それぞれの木がそれぞれの色で芽吹き、とてもきれいです。
 緑の色合いが毎日変わっていきます。
 まさに『一期一会』を楽しめる春から初夏です。


陽光咲き始めました!! (2011年4月2日)


 今年は花が遅れがちでしたが、陽光もやっと昨日咲き始めました。
 今日の陽気に誘われて、ヤマザクラも咲き始めました。


 少し前に咲き始めたコブシも見頃になってきました。
 この春生まれたルリシジミやコツバメも春の光の中気持ちよさそうに飛んでいます。


 エゴノキも芽吹き、咲きそうでなかなか咲かなかったクロモジも満開です。
 ここ数日で一気に春が押し寄せてきたようですが、今夜からまた少し寒くなりそうです。
 毎日自然の変化が楽しみな季節になってきました。


香り静かにウワミズザクラ(「所沢市HPふれ里だより平成23年4月号」より)

 『ひさかたの 光のどけき 春の日に しづ心なく 花の散るらむ』
 小倉百人一首にある紀友則の歌ですが、昔も今も人の心を騒がせる『桜』。今年は開花が遅れたようですが、変わらず春を届けてくれたようです。

 ソメイヨシノもヤマザクラも散った頃、新緑の中咲くのがウワミズザクラです。新年度が始まり、森も新たな一年の営みを始め、お花見などでざわついた人の心が静まりかけた頃、山野ではビン洗いのブラシのような白い花がふさふさと風に揺れます。

 万葉の時代では波波迦(ははか)と呼ばれ、材の上面に溝を彫り、亀甲を焼いて吉凶の占いに使われたそうです。これが上溝桜の名前の由来にもなったと言われ、ハハカも別名として残っています。

 熟した実は香りのよい果実酒として利用されます。新潟などでは香りのよいつぼみや若い実を塩漬けにしたものを杏仁香(あんにんご)と呼び、食用とします。
 材は堅く、地域によっては金剛桜や、鉈柄(なたづか)とも呼ばれ、器具材、彫刻材などに使われてきました。
 こうしてみると、生活に深く結びついてきていたものの、花はあまり愛でられていなかったように思え、気の毒な気がします。桜の最後を飾り、樹木の白い花の季節への序章とも言うべきウワミズザクラの花。その甘く優しい香りは春の残り香でしょうか。

 日本各地の山野に自生するこの木は、英名Japanese Bird Cherryが示すとおり、秋に朱から黒へと熟す実を、野鳥たちが好んで食べ、種が運ばれます。

 「春に三日の晴れなし」と言われますが、めまぐるしく変わるのはお天気ばかりではありません。エナガ、シジュウカラ、ツバメなど子育て中の野鳥たち。繁殖地へ帰る野鳥に、南の国から帰ってくる野鳥たち。ミヤマセセリ、コツバメ、ツマキチョウ、日々目にするチョウの種類も増えていきます。タチツボスミレ、ヘビイチゴ、キランソウ。地面を色とりどりの花が飾り、コナラやクヌギ、木々の芽吹きがパステルカラーのパッチワークを拡げていきます。あちらからもこちらからも駆け抜けて行く『春』の笑い声が聞こえてきそうです。


   ウワミズザクラ

    ツマキチョウ

     キランソウ


今日は彼岸明け (2011年3月24日)


 暑さ寒さも彼岸までと言われますが、今年は寒い日が続いています。
 そんな中、ヤエベニシダレのつぼみが「は〜るよ来い♪」と言わんばかりに膨らんでいました。


 芽吹いたマユミは小さなつぼみを付けています。クロモジは今にも咲きそうです。
 足下ではフキが咲き、シジュウカラも気持ち良さそうに歌っていました。

 毎日心配なニュースが流れていますが、自然は確実に春の訪れを告げています。


 この度の震災で被害に遭われた皆さまに、心よりお見舞い申し上げますとともに、少しでも早く心穏やかな日々が訪れますようお祈り申し上げます。


昨日の荒幡富士(2011年3月12日)


 昨日の地震で、山頂の祠が倒壊しました。
 登山道もズレが出たりして危険な状態なので、現在立入禁止になっています。


 山頂付近ほど被害が大きく、浅間神社のお社も戸がはずれ、中の物も落ちていました。


 なお、東側の鳥居も崩壊の危険があるので、くぐらないようにお願いします。
 各地で大きな被害が出ているようです。心よりお見舞い申し上げます。


今日の荒幡富士(2011年3月3日)


 桃の節句の今日、冬真っ盛りのようなお天気になりました。
 朝は富士山もくっきり見えていました。


 登山口の手水は凍り、周辺には霜柱もたくさん見ることができました。先日来の雨で土中には水分も蓄えられていたのでしょう。


 ニワトコもつぼみが顔を出し、咲き始めたウグイスカグラがちょっぴり寒そうに北風に揺れていました。

 これから一雨毎に木々の芽吹きも進んでいきます。植物の変化が毎日楽しみな季節になってきました。


ヒオドシチョウ早春の舞(「所沢市HPふれ里だより平成23年3月号」より)

 寒さの厳しかった2月も、後半には春を思わせる陽気の日があり、ウグイスカグラもやっと咲き始めました。雨がしばしば降るようになり、木々の芽にも変化が見られるようになってきました。

 3月、陽ざしはすっかり春を感じさせてくれますが、風に冬の名残を感じます。木々の芽吹きもまだおぼつかないこの時季に、成虫で冬を越したヒオドシチョウに出会うことがあります。

 ヒオドシチョウは、日本全国にいますが、九州南部や北海道では少ないようです。また、近年数を減らしているとも言われています。
 春に卵がエノキの枝に産み付けられ、幼虫はその葉を食べて育ちます。成虫は年1回、このあたりでは5月下旬〜6月上旬頃に発生します。羽化当時は活発に活動しますが、まもなく休眠にはいり、早春まで姿を見なくなります。

 早春日だまりで翅(はね)を拡げてひなたぼっこをしていたかと思うと、なわばりに入ってきたやはり成虫で越冬していたルリタテハ、キタテハ、アカタテハ、テングチョウやほかの飛ぶものを追って飛び上がります。同じヒオドシチョウならなおさらその追飛は激しく、ぶつかり合いも繰り広げられ、バサバサという力強い羽音には驚かされます。目覚めた頃は美しかった翅もすぐにぼろぼろになります。
 翅の表はくすんだオレンジ色で黒い斑紋があり、そこから武具の『緋縅(ひおどし)』にたとえて名前が付いたとされています。早春に舞うヒオドシチョウはさながら敵を追い払う老武者でしょうか。初夏には若武者が樹幹などで見られることでしょう。

 ヤブツバキやクロモジが咲き、オオイヌノフグリ、ホトケノザ、ヒメオドリコソウ、シュンラン、アオイスミレ、タチツボスミレ。ふと気が付くと足下には草丈の低い草花が次々と花を咲かせています。
 尾羽の曲がった子育て中のエナガにも出会うかもしれません。シジュウカラもペアで樹間を巡り巣造りをする場所を探しています。冬の間楽しませてくれたルリビタキやアオジもそろそろ繁殖地へ戻り始めます。帰る前に陽気に誘われて、冬には聞くことのなかったさえずりを聞かせてくれるかもしれません。
 今月中にこのあたりでも桜が咲き始めるのではないでしょうか。


   ヒオドシチョウ

    ヤブツバキ

    シジュウカラ


荒幡富士初冠雪!!(2011年2月12日)


 昨日からの雪で今日は荒幡富士も雪化粧。
 午後には雨に変わり雪は溶けてしまいましたが、水墨画のような景色が広がっていました。


 梅の花に積もった雪も水滴となって落ちていきました。
 しばらく気温の低い日が続きそうですが、雨が木々を眠りから覚ましていくことでしょう。


今日は立春!!(2011年2月4日)


 今日は予報通り、まさに『春』を思わせる陽気になりました。
 今年はコウヤボウキに葉や種子がたくさん残っているのですが、普通は薄茶色のはずが、その中にピンクのものがありました。
 春らしいきれいな色ですが、どうしてこんな色なのか不明です。


 咲き始めているウメの花には蜜を求めてか、お客様もいました。
 折れたイロハモミジの枝からは水が滴り、木々も眠りから覚めてきたようです。
 浅間神社の広場実はハクセキレイがお散歩を楽しんでいるようでした。


忍法木の葉隠れ?シロハラ(「所沢市HPふれ里だより平成23年2月号」より)

 夏は記録的猛暑、今度は厳しい寒さが続いています。昨年はコナラのドングリが少なく、他の木も実のつきが良くないものが多かったようです。
 たくさんあったジャノヒゲの実もほとんど見かけなくなりました。ヒヨドリが多くを食べたのではないかと思われますが、シロハラも食べていたことでしょう。

 シロハラは秋にアジア大陸東部、中国東北部などから渡ってきて、同じツグミ科のツグミと同様、ゴールデンウイーク頃まで見られます。
 開けた場所を好むツグミとは、見られる環境は対照的です。公園や庭などでも見られますが、平地から低山の常緑広葉樹林を好み、明るい開けた場所に出てくることはほとんどなく、緑褐色の体は、森にとけ込むようです。お腹が白いことからシロハラと付いたといわれるものの、むしろ灰色に近いです。
 シロハラは木や草の実のほか、落ち葉をひっくり返してミミズや虫を探して食べます。時には姿が見えなくても派手に舞い散る落ち葉に思わず「そこにいるね。」と笑ってしまいます。ガサゴソという音を頼りに近づくと、動きを止め横目にこちらの様子をうかがい、ある程度の距離になると、「ポキョキョキョキョ」とけたたましく鳴いて飛んでいきます。その後ろ姿は尾羽の白い部分が目に付きます。

 そろそろウグイスカグラが咲き、木々の芽にも少しずつ変化が見られるようになって来ます。日だまりではムラサキシジミやルリタテハなどを見かけることもあるでしょう。寒さは最も厳しく、野鳥たちも一番エサの少ない時季ですが、日の光は春の兆しを伝えています。冬を生きているコウゾリナ、ハルジオンなどのロゼット。クロモジの冬芽は春が待ちきれないように見えます。
 シジュウカラはさえずりの練習を始めていますし、エナガはペアで行動し始めます。春の気配を感じながら、冬鳥が見られる2月の雑木林です。


    シロハラ

    ルリタテハ

    ハルジオン

     クロモジ


寒中お見舞い申し上げます!!(2011年1月30日)


 日本海側では大雪、このあたりではカラカラのお天気が続いています。
 今日は日差しが少なく寒い一日でした。少し暖かい日にはムラサキシジミが見られることもありますが、最近はさすがに見られません。


   コウヤボウキ

      マユミ

 今年はミノムシが結構見つかります。コウヤボウキが葉も種子も付けたままで寒風に揺れていました。
 やはり目立つのは野鳥たち。シロハラが数を増やしてきたようですし、カケスも今年は秋口からよくセンター周辺で見かけます。
 ウグイスカグラはまだ咲きませんが、ウメが咲き始めています。ちょっぴり変化を見せ始めた冬芽もありますよ。


ムラサキシジミ(「所沢市HPふれ里だより平成23年1月号」より)

 1、2ヶ月戻ったり進んだりした12月の気温。いつまでも葉を落としきらないコナラやマユミがあったり、リョウブは芽吹き始めている木もあったりといった少々混乱したような森も新年を迎えました。

 今年の干支ウサギは身近ではありますが、植物にその名が付いたものは少ないです。ウサギシダや高山植物にウサギギクがありますが、この辺りではまず見られないでしょう。

 雑木林は葉を落とした木々が、春の夢でも見ているように静かです。昆虫たちも卵、幼虫、蛹と様々な形で冬を越しています。そんな中、成虫越冬するムラサキシジミは、冬でも暖かい日には見ることがある貴重な存在と言えます。
 ムラサキシジミは照葉樹林地に棲む暖地性のチョウで、寒冷地ではまれな種になります。その名の通り綺麗な紫〜青色をしていますが、翅を閉じると地味で、越冬している枯れ葉にとけ込むようです。常緑樹の葉上でも越冬し、単独の場合もありますが小集団で越冬することが多いです。
 冬の日だまりで翅を拡げ日向ぼっこをしている姿に出会うと、その鮮やかさに思わず息をのむほどです。あまり動かないのでシャッターチャンスです。小さいながらもその輝きは遠目でも目に付きます。

 幼虫はアラカシ、スダジイなど常緑のブナ科植物を好みます。体から甘い汁を出し、アリがそれをなめに集まります。そのことにより天敵である寄生バチなどから身を守っているとも言われています。

 近年分布を北に広げているようですが、さらに南方系のチョウで、ムラサキシジミよりやや大きく、尾状突起のあるムラサキツバメも北上をし、この辺りでも見られるようになってきました。
 1年を通してみる機会があるムラサキシジミ。冬の散歩で出会えたときは、ちょっぴり心も温かくなるのではないでしょうか。

 例年になく、12月下旬になってもまだ群れでいたツグミ。いち早くセンターの森にやって来てはしばらく姿を見かけなくなるカケスも直ぐに戻ってきました。野鳥観察はこれからが本番です。
 ジャノヒゲが綺麗な瑠璃色の実を今年は沢山付けています。気の早いウグイスカグラがそろそろ咲き始めるのではないでしょうか。




   ムラサキシジミ

   ジャノヒゲ



   ウグイスカグラ



今年もありがとうございました(2010年12月28日)


 今日は穏やかに晴れ、朝は霜もおり、冷え込んでいましたが、日中は散策には気持ちの良い1日でした。

 今年も里山体験講座、初めての自然観察会、大人のための自然観察会、そしてひよこ探検隊とさまざまな行事にご参加いただきありがとうございました。

 また、色々な形でご協力いただいた方々、ありがとうございました。

 2011年、最初の行事は『まゆ玉飾りで小正月を祝おう!』です。
 来年もどうぞよろしくお願いいたします。


今日の荒幡富士 (2010年12月17日)


 冷え込んだ今朝、荒幡富士からは富士山がきれいに見えていました。


 登山口にある手水には氷が張り、あたりは霜で薄化粧をしていました。


 センターエリアの木々も、葉をほとんど落とし、わずかの風に残り少ない葉が音を立てて舞い降りてきます。


 12月1日には木々もまだたくさん葉を付けていました。今でもまだ、色鮮やかな葉がいくらか見られます。日だまりではハラビロカマキリもいました。日が傾いてもぬくもりの残った石の上にまだいましたよ。

 明日は寒さもゆるみそうです。野鳥たちで賑やかになった森を散策してみませんか?


おしゃべりな妖精エナガ(「所沢市HPふれ里だより平成22年12月号」より)

 このところ毎年秋が短いと感じられますが、今年もあっという間に紅葉(黄葉)し、落葉しています。夏の間にたっぷり陽を浴び、急に朝夕の冷え込みが増したせいか、色はいつにもまして鮮やかです。12月初旬は晩秋から初冬への変わり目になってきたようです。


 ジョウビタキ、アオジ、シロハラ、ツグミなども冬越しにやってきて、野鳥たちも増えてきました。ドングリを始め木の実が少なく、いつもなら残りがちなゴンズイの実もすでについばまれています。

 シジュウカラ、ヤマガラ、メジロ、コゲラ、エナガなどは混群を作り、それぞれ鳴き交わしながら、木々を渡って行きますが、中でもエナガは声と言い目立ち、下からシルエットを見ただけでエナガと分かります。

 体が丸く尾羽が長いことから柄杓(ひしゃく)の柄にたとえて名前が付いたと言われるエナガ。林や林の下草の藪で暮らしていて、センターの周りの林では、春最も早く子育てに入ります。
 巣は木の幹や叉に鳥の羽毛を集め、コケを貼り付けクモの糸で押さえ固めて作ります。
 スズメより小さく、ふわふわとした体に小さなくちばし。樹上でくるくると転げ回るかのように、アブラムシやクモなどの小さな虫や、虫の卵を探しています。地面に下りることはほとんどありませんが、枯れ草にひそむ虫も良く探しています。
 愛らしい姿で、「ジュリジュリ、ツィー」などほとんど鳴き続けて枝から枝へ移っていくところは、森のおしゃべりな妖精といったところでしょうか。

 混群に出会ったときは、ちょっぴり嬉しくなります。にぎやかに飛び交う様は見ていて楽しいものの、双眼鏡で見るのも難しいです。


これからは野鳥たちが主役ですが、チャノキの花は今しばらく楽しめそうです。落ち葉で辺りに生えている木を改めて知ることもあります。


 明るい星が多い冬の夜空。今年は12月22日が冬至で、この日は社寺で星祭りが行われるところも多く、クリスマスの起源も冬至だとか。前日は皆既月食。今年3度目の月食で、既に欠けた月が日が沈む前に昇ってきます。
 冬は始まったばかり、この時季ならではの楽しみで一杯です。


      エナガ

     ゴンズイ

     チャノキ


今日の荒幡富士 (2010年11月11日)


 気持ちの良い秋晴れが続いています。
 今朝は荒幡富士からきれいに富士山が見えていました。山頂にはちょっぴり薄化粧をしていました。


 虫の声も淋しくなったなか、ササキリがまだあちらこちらで頑張っています。
 コウヤボウキが少し盛りは過ぎたものの、まだまだ目を楽しませてくれています。


 夕方、富士山は雲に隠れていましたが、夕日が明日の晴天も約束してくれていました。
 散策には快適な時季です。木々の葉も、少しづつ色づいてきていますよ。


都市に舞う蝶ヤマトシジミ(「所沢市HPふれ里だより平成22年11月号」より)

 東京で10年ぶりに木枯らし1号が10月中に吹いた今年。猛暑から一転、冬の使者がやって来ました。今年は11月7日が立冬。例年だと木枯らし1号はこのころ観測される事が多いです。


 生きものたちは冬支度を始め、チョウの姿も見ることが少なくなってきます。そんな中、足下をちらちらと飛んでいる小さなチョウがヤマトシジミです。
 ヤマトシジミは東北地方より以南に分布し、関東以南から南西諸島の平地にもっとも普通にいます。翅(はね)を閉じた姿がシジミ貝の形、あるいは裏側に似ていて、広く日本にいることから名前が付いたとか。
 本家とも言える、貝のヤマトシジミは、数を減らしています。

 幼虫は庭の厄介者とも言えるカタバミの葉を食べます。これは熱帯から温帯にかけて世界的に分布し、コンクリートの隙間のちょっとしたところにも生えます。カタバミがあれば都会の庭先でもヤマトシジミは見られます。
 翅を閉じている事が多いですが、裏の黒点列で種類を判別しやすいです。表は、雄は青色〜淡青色で、季節により縁の黒帯の幅が変わります。雌は暗褐色で、低温期には翅の付け根から青くなります。
 カタバミやシロツメクサの花で吸蜜することが多く、花から花へと飛び回り、なかなか留まってくれません。小さい上に普通にいると言うことで見過ごされがちですが、翅を拡げひなたぼっこをしていると、光の当たり具合により色が変化し、意外なほど美しいです。

 早春から見かけ、晩秋、最後まで飛んでいるチョウで、冬は幼虫で越します。気を付けて見ていると、季節毎や個体による違いも見つかるでしょう。メダカやスズメ、普通にいた生きものが数を減らしています。小さな隣人も、そうなりませんように。


 コウヤボウキ、チャノキ、ヤツデ、ヤクシソウの花や、クサギ、ゴンズイなどの実が最後の彩りを放ち、紅くなったニシキギやヤマウルシの葉が今年の紅葉をちょっぴり期待させてくれています。

 シジュウカラやヤマガラ、ヒヨドリの話し声が増え、カケスの叫ぶような声、「ここにいるよ。」と言うかのような、ジョウビタキやルリビタキの声も加わります。鳥たちで賑わう季節の始まりです。


    ヤマトシジミ

     チャノキ

      ゴンズイ


今日の荒幡富士 (2010年10月11日)


 この秋最初の『今日の荒幡富士』です。
 気温は高かったものの、爽やかな一日でした。


 富士山もくっきり見えていましたが、スカイツリーもよく見えていました。


 麓にはベニシジミなどチョウもたくさん飛び、登山道からはノハラアザミやネズミモチの赤い実がきれいでした。
 シジュウカラやヤマガラなど、野鳥の声も賑やかになってきましたよ。


今日は寒露 (2010年10月8日)


 露に冷気が加わり、秋が深まる頃とされますが、日中は歩くと少し暑いくらいでした。
 でも、さすがに風は爽やかで、日が陰った午後からは風が冷たく感じられました。
 『秋の空の女王』ジョロウグモも健在です。


 ハイメドハギや、ヤブマメが花を咲かせ、お腹の大きなハラビロカマキリ、立派なナガコガネグモも。


 十五夜には間に合いませんでしたが、ススキが花を咲かせています。今年はイネ科の花も遅かったようです。
 足下には赤く色付いたヤマザクラの葉も落ちていました。


 コオロギなどもそろそろ鳴きやむ頃とされますが、今年はもうしばらく鳴き声が楽しめそうです。



野の宝石ノブドウ(「所沢市HPふれ里だより平成22年10月号」より)

 「暑さ寒さも彼岸まで」と言われますが、猛暑だった今年もお彼岸中にがらっと空気が入れ替わったようです。
 アオハダはすでに赤い実を落とし、足下ではゲンノショウコが種を飛ばした跡が見られ、実りの秋は始まっています。

 夏に咲いていた花にはほとんど気づく人もいなかったかもしれませんが、白、空色、青、紫、紅紫などの実を輝かせている、ノブドウの実はかなり目立ちます。
 この実を「美しい。」と言う人もいれば、「毒々しい。」と言う人もいます。確かにこの実は、人の口には合わず、ほとんどがブドウタマバエやブドウトガリバチなどの幼虫が寄生し、虫こぶになることが多く、いびつなかたちのものや異常に大きくなったものがしばしば見られます。でも、実を焼酎に漬け込んだノブドウ酒は糖尿病や腎臓病、関節痛に効くといわれ、虫さされや、虫除けなどにも良いとか。また、根を乾燥させ、煎じて関節痛の薬にも用いられてきました。

 ノブドウは、日本全国の山野に自生する落葉つる性植物で、『野に生えるブドウ』から名前が付いたとされ、市街地でもやぶや草はらなどで見られます。
 メジロ、ツグミ、キジバトを始め色々な野鳥たちに食べられ、種を運んでもらっているようなので、きっと皆さんの身近にもある植物です。

 今年は夏の天候の影響か、虫の発生時期もずれぎみで、9月になってからヤママユなど大型の蛾がやっと見られ、蚊も増えました。アキアカネもなかなか見ることができませんでした。鳥の渡りも少し遅いようですが、モズは、変わらず9月の始めに縄張り宣言の高鳴きを聞かせてくれていました。『モズの高鳴き75日』の言葉通り、11月の中旬頃には霜も降りるでしょう。

 10月は野山の花も虫たちも、最後の賑わいと言える時季です。カントウヨメナ、ノコンギク、シラヤマギク。アゲハもまだ見られます。
 今年は20日が十三夜。この日、月の近くには木星が輝きます。



     ノブドウ


    ゲンノショウコ


    アキアカネ

   ノコンギク



再び残暑お見舞い申し上げます!! (2010年9月11日)


 9月になっても猛暑が続いています。先日の台風で少し涼しくなりましたが、今日はまた猛暑復活です!


 荒幡富士では秋の草花がそろそろ終わりを告げそうですが、センニンソウ、ワレモコウがまだ見られます。
 今年はイネ科の植物が元気がありません。オガルカヤがやっと咲き始めました。


 セミがまだまだ元気です。センターの周りではツクツクボウシが一番良く鳴いていますが、ササキリや、日が暮れるころにはエンマコオロギなども鳴いています。
 やはり猛暑の影響か、まだアキアカネの姿は確認できませんが、赤くなったナツアカネは、飛んでいます。
 キツネノマゴの花に来る虫を待ってましたとばかりにアズチグモが、狩りをしていました。

 オオスズメバチを始め、スズメバチはもっとも危険な時季です。見かけたら騒がず静かに通り過ぎるか、元来た道を戻ってくださいね。

 来週からは少し秋の気配が感じられそうです。小さな秋を見つけに来てみてください。


身近な珍鳥ヒヨドリ(「所沢市HPふれ里だより平成22年9月号」より)

 猛暑だった今年、もうしばらく残暑が続きそうですが、日が短くなってきているのは実感されている方も多いかと思います。埼玉県の9月1日の日の入りは18時10分。白露の8日には18時になり、翌日からは17時台になります。夜にはセミの声に変わり、ツヅレサセコオロギなどの鳴き声が聞かれるようになっています。

 身近な野鳥で、『1年中いるうるさい奴』みたいに思われがちなヒヨドリ。甘党で、大好きな花の蜜を目当てにツバキのつぼみを横からつついたりもし、花食い鳥の異名もあります。果実の少ない冬には畑を荒らすことがあり、狩猟対象となっていますが、平安貴族の内では飼育が盛んだったようです。
 また、日本の周辺にしかいないので、海外から来た人にとっては珍鳥と言うことになります。

 ヒヨドリは秋の季語にもなっています。7月から10月にかけて咲くヒヨドリバナは、ヒヨドリが来て鳴く頃に咲くから付いたとも言われ、東京では1960年代くらいまでは、秋になると北から渡ってくる野鳥でした。それが、70年代になると一年中棲むようになりました。これは、より南にいたものが北上して定着したと考えられています。
 『渡り』はなくなったわけではなく、9月から11月、山からは平地へ、北からは南へと移動しますが、長い距離は移動していないようです。1年中ずっといるように見えるヒヨドリも、違うヒヨドリがいる可能性があります。これから冬にかけてこのあたりに増えるのは、北から渡ってきたものが加わるからです。

 夏から咲き続けているものもあり、花が増えてきます。キツネノマゴ、ヌスビトハギ、ワレモコウ、ユウガギク、シロヨメナ、ノハラアザミ、ヤブラン。そして、カゼクサ、トダシバ、スズメノヒエなどイネ科の植物も多く咲いています。
 ヒヨドリがこの実を好むから付いたとされるヒヨドリジョウゴも咲いています。もっとも有毒で、実際に食べているところはあまり観察されていないようですが。

 9月に爆発的に数を増やす事のある、イチモンジセセリですが、チョウも1年中で最もたくさんいる時季です。
 今年は9月22日が中秋の名月(満月は翌日)。その頃にはススキも穂を出していることでしょう。


     ヒヨドリ


    ヒヨドリバナ

    ワレモコウ


残暑お見舞い申し上げます!! (2010年8月14日)


 ここ数日不安定なお天気が続いていますが、少〜し気温は低めだったようです。
 でも明日からまた猛暑が復活するとの予報です。


 立秋を過ぎ、セミの声はツクツクボウシが次第に増え始め、イチモンジセセリ、キマダラセセリなどセセリチョウの仲間が増え始めました。
 キツネノマゴの群生地では、セセリチョウの仲間以外にも数々のハナバチや、アブの仲間が忙しく飛び回っていました。
 茶畑あたりでは相変わらずオオシオカラトンボが飛び交っていますが、まもなくアキアカネも山から下りてくる事でしょう。
 夜も鳴いていたセミたちですが、それもコオロギの仲間などの声に変わってきました。

 少しずつ小さな秋が見つけられるようになってきました。


森の蛇の目、野の蛇の目(「所沢市HPふれ里だより平成22年8月号」より)

 梅雨明けと同時に猛暑に襲われた日本列島。連日熱中症で倒れたとのニュースが流れています。
 この時季の主役はやはり虫たち。とりわけ目立っているのはセミでしょう。猛暑を物ともせず、夜明け前にはニイニイゼミ、そしてヒグラシが鳴き始め、まもなくミンミンゼミが負けじと鳴き始めます。日が昇ればいよいよアブラゼミが、まさしく油で揚げ物をしているような鳴き声を披露し始めます。

 暑いとは言え、森の中に入れば空気が変わります。薄暗い林内、草の上などにコジャノメが留まっていることがあります。足下からふっと飛び出すのはクロヒカゲ。ヒカゲチョウもふわふわと低いところを飛んでいます。樹液に来ているのはサトキマダラヒカゲ。以前は南の方にしかいなかったクロコノマチョウも見られます。どれも黒っぽい色をし、ガだと思う人も少なくありません。

 これらはジャノメチョウの仲間ですが、『蛇の目』の名の通り、翅(はね)にそれぞれ眼状紋(がんじょうもん)を持っているのが特徴で、一見地味ですが、眼状紋をよく見るとそれぞれに美しさを秘めています。そしてこの眼状紋が、多くの場合種名を区別するポイントとなります。最も多くは人の気配に敏感で、なかなか近くには寄れないことが多いのですが。

 ジャノメチョウの仲間はみんな暗いところにいるように思われるかも知れませんが、決してそういうわけではありません。林の縁や草原で、草の間を飛び跳ねるように飛んでいるのはヒメウラナミジャノメ。そして本家本元とも言うべきジャノメチョウは、実は草原のチョウなのです。
 ジャノメチョウの幼虫は、多くのジャノメチョウ科のチョウと同じく、イネ科の植物を食べ、年1回発生し、7月から8月頃草原を悠然と飛び回ります。そして草などに留まり、卵は地上に向けて産み落とされます。

 残暑の中、クサギやヤマハギが咲き、初秋を知らせるかのようにナンバンギセルが咲きます。いつの間にかセミの鳴き声もツクツクボウシが多くなってきます。シジュウカラやメジロ、野鳥の声も増えてきます。
 夏至のころは19時頃だった日没も8月末には18時20分から10分くらいになります。そろそろアキアカネも避暑から帰ってくることでしょう。


    ジャノメチョウ

     ヤマハギ

     アブラゼミ



暑中お見舞い申し上げます(2010年7月23日)


 今日は『大暑』。暦通りの暑い1日でした!!


 ウマノスズクサの花までも食い尽くそうとしているジャコウアゲハの幼虫、鳴きながら雌ににじり寄っているニイニイゼミの雄。
 暑さの中、虫たちは元気いっぱいです。


 花は少ない時季になっていますが、ヤブミョウガが木陰で涼しげに咲いていました。
 森の中は空気が少しひんやり、そして森林浴に最適の季節です。
 飲物を多めに持って是非、散策にお越し下さい。


いよいよ夏本番!!(2010年7月17日)


 昨年より3日遅れの今日、関東地方が梅雨明けしたと見られると発表されました。
 夏の訪れを告げるかのように、これまでちょっぴり遠慮気味だったニイニイゼミが本格的に鳴き始めました。
 ミンミンゼミ、アブラゼミがまもなく続き、賑やかになることでしょう。


 足下にはトウキョウヒメハンミョウが飛び交い、キチョウが花から花へと渡っていました。
 ほかにもたくさんの小さな生きものたちが、葉の上などで見つかります。
 水分補給を忘れずに、森林浴を兼ねて生きものたちとの出会いを楽しみに歩いてみませんか。


森の木霊ヒグラシ(「所沢市HPふれ里だより平成22年7月号」より)


 まだ梅雨真っ盛りですが、梅雨明けを待っているかのようなのが、ニイニイゼミやヒグラシで、5月ころから鳴き始めるハルゼミの次に、6月から鳴き始め、7月末ころから8月にかけ最盛期を迎えます。

 ヒグラシは、日本全土の主に山林に住み、西日本では平地には普通いません。
 日の出前や、夕暮れ時に鳴きますが、広く知られているのは夕暮れ時の方で、『日暮らし』というのもそこから付いたようです。また、『カナカナ』と呼ばれるのも鳴き声からです。

 薄暗くなると昼間でも鳴き、山の中で次第に消えゆくような鳴き声を聞くと深山幽谷の風情です。
 薄暗い中、1匹が鳴き始めると、その数秒の一鳴きを引き取るように他の1匹が鳴き、あちらからもこちらからも声がこだまのように、輪唱のようにわきたちます。

 9月に入り、最盛期は過ぎても、秋の訪れを知らせるかのようなツクツクボウシと共に声が聞かれます。秋(8月)の季語とされているのも、美しく哀調のある鳴き声に秋を感じるからではないでしょうか。
 「セミの鳴き声は暑苦しくって嫌!」と言う声を良く耳にしますが、ヒグラシに関してはその涼やかな鳴き声からか、広く文芸に登場します。
 少し離れて聞く分には哀愁を帯びた感じでよいのですが、山でキャンプをしていて明け方この大合唱で目が覚めたという話もあります。

 暦の上では晩夏になる7月。リョウブが咲き、初夏から咲いていた木々の白い花は終わります。ヒメヤブラン、ヤブカンゾウ、ヤマユリなどユリ科の花たちも見られます。

 今月は七夕もあることですし、晴れた日には、星空を見上げてみてはいかがでしょう。日が沈んだ後の西空には金星が一番星で輝いています。そして、15日には細い月の近くに並びます。

 少し暗い林内では、学名に月の女神の名を持つクロヒカゲが飛んでいます。クロアゲハ、カラスアゲハも2回目の発生期になります。ダイミョウセセリがふっと飛んできてはその紋を披露してくれることもあるでしょう。

 シジュウカラ、エナガ、コゲラの幼鳥たちが幼い声で鳴き交わす中、本格的な夏を前に、雨が大地を潤しています。雨を喜んでいるかのような生きものにも出会えるかも知れません。



     ヒグラシ

   ヤマユリ


   ダイミョウセセリ



ゼフィルスの季節です!!(2010年6月13日)


 ゼフィルス(ミドリシジミの仲間たち)の年に1回の発生期になりました。


 オオミドリシジミは朝、アカシジミ、ウラナミアカシジミ、ミズイロオナガシジミ、ミドリシジミなどは夕方に活発に飛びますが、昼間は樹上で休んでいることが多いです。
 ミズイロオナガシジミは、低いところにいることが多いので、一番出会う機会が多いかもしれません。


今日は芒種(2010年6月6日)


 イネなどの種まきをするころとされる『芒種』ですが、この時季アズマネザサなど、イネ科の花がたくさん咲いています。


 畑では厄介者とされるウマノスズクサですが、センター周辺ではジャコウアゲハの幼虫がその葉を食べ、すくすくと育っています。
 そして、イチモンジカメノコハムシは、ムラサキシキブの葉を食べ、幼虫から成虫へ…
 → 

 ほかにもシジュウカラやエナガの幼鳥を始め、たくさんの新しい生命が息づいています。

 梅雨入りを前に気持ちよく晴れた一日でしたが、上空では!!



   左側部分の拡大

 2009年10月31日のこの自然情報でお知らせした『幻日』が、以前のものほどはっきりしないものの、太陽の両サイドに見ることができました。
 この日は17時前ころから次々と大気光学現象が観測できたようです。
 6月14日(月)の夕方の西空には、細い月と金星が少し離れて、15日(火)にはさらに近づいて見られます。空見も楽しいですよ。


梅雨に降る雪、ユキノシタ(「所沢市HPふれ里だより平成22年6月号」より)

 ユキノシタは、中国、日本原産の常緑の草本です。雪の下でも枯れないから、雪のような花の下に葉があるから、花の色や形から雪の舌。など、名前の由来には諸説あります。
 渓流の岩場など、日陰の湿り気の多いところに生えます。山菜や、薬草として古くから親しまれ、そのせいか、庭に良く植えられています。1年中食べられる山菜はそうあるものではありません。

 ユキノシタは根もとから紅紫色の走出枝を出し、その先に新しい株を作って増えていくので、よく群生します。花は5月から7月ころにかけて咲き、いっせいに咲いたさまは、まさに一面雪が降っているような風情があります。

 ユキノシタ科の植物は、初夏から梅雨時に咲くものが多く、その代表格はアジサイでしょう。いわゆる『アジサイ』は、日本の野生植物ガクアジサイを品種改良し、逆輸入の形で日本に入ってきた、セイヨウアジサイです。センターには園芸品種のアジサイが植えられていますが、狭山丘陵にはコアジサイが自生しています。

 果実の方が知られていますが、ムラサキシキブやクリも花の季節です。
 足下にはホタルブクロ、オカトラノオ、オオバジャノヒゲ。やはり薬効があるとされるイチヤクソウ、ドクダミなども咲いています。
 林の中、落ち葉の上に、白く浮かび上がるのは別名『幽霊花』のギンリョウソウ。
 ユキノシタ科で、キノコのチチタケを茎に指したといわれるチダケサシも湿地などに咲きます。そんな場所はハンノキが生えやすい環境でもあります。ハンノキの葉を食べて育つチョウ、ミドリシジミが、『飛ぶ宝石』の名にふさわしく、西に傾いた光の中、キラキラと飛ぶ姿に出会える機会があるのもこの時季です。

 もう一方の『飛ぶ宝石』カワセミなど、野鳥たちは子育て中です。
 深緑のなか、ウグイスのさえずりや、南の国から帰ってきたホトトギスの声も聞かれることでしょう。先に巣立ったシジュウカラなどの幼鳥たちが、ちょっと耳慣れない声で鳴き交わしながら餌になる虫を探しています。

 梅雨の森ではたくさんの新しい生命(いのち)が息づいています。

    ユキノシタ

    コアジサイ





  ミドリシジミ

   ドクダミ



夏〜は〜来〜ぬ〜♪ (2010年5月30日)


 肌寒い日が少し続いていますが、去年より1週間遅れでウツギが咲き始めました。
 ホトトギスの声は少し前から聞かれるようになりました。
 来週からは気温も上がってきそうです。
 木々の緑も深くなりました。梅雨入りも近くなってきましたが、森もおもしろい季節になってきましたよ。


風薫る季節 (2010年5月8日)



 今日は初夏らしい陽気でした。
 先日以来、少々風が強かったようですが、今日は爽やかでした。
 日々新緑が深みをましていっています。


 葉っぱの上には色々な生きものが見つかるようになりました。
 エゴノキで、幼虫のゆりかご(搖卵)を作っているエゴツルクビオトシブミ。チャノキの葉で翅を休めていたクロヒカゲ。 コゴメウツギが花を咲かせ、木々は白い花の季節を迎えています。

散策に気持ちの良い季節となりました。


夏を告げる鳥ホトトギス(「所沢市HPふれ里だより平成22年5月号」より)

 『卯の花の匂う垣根に 時鳥(ほととぎす)早も来鳴きて 忍び音もらす夏は来ぬ』と、歌でもおなじみのホトトギス。このあたりでは5月中ごろから下旬にかけて夏鳥として渡ってきます。
 昔から、春を告げるウグイスに対し、夏を告げる鳥として歌に良く詠まれ、文書にも多く取り上げられています。
 杜鵑、時鳥、子規、不如帰、杜宇、蜀魂、田鵑、郭公など漢字表記は多く、中国も含め広く親しまれてきた現れでしょう。

 忍び音は、ホトトギスの初音のことでもあります。平安時代にはこの初音を人よりも早く聞こうと競ったと、枕草子に記述があります。ホトトギスは夜間から明け方などに渡ってくることが多く、鳴きながら飛ぶことも多いため、初音を聞こうと夜を徹して待ったようです。

 ホトトギス、カッコウ、ツツドリ。見た目はとてもよく似ています。自分では子育てをせず、他の鳥の巣に卵を産みつける『托卵』をするというのも共通しています。ただ、鳴き声がみんな全く違います。『目に青葉』の、木々の緑が深くなる頃に来るせいもありますが、動きが速く、鳴きながら首を回したりするので、声のする方向が分かりにくく、姿はなかなか見ることが出来ません。

 ホトトギスという名前は鳴き声がそう聞こえるから付いたとの説があります。カッコウ、ツツドリも、そうです。ホトトギスは他にも特許許可局、テッペンカケタカなどと聞こえると言われています。

 前述の歌通りに、ホトトギスが来る頃にウツギ(卯の花)の花が咲きます。ガマズミ、ネジキ、エゴノキ。木々の白い花に加え、キンラン、ギンラン、ニガナなど草本の花も見られます。4月から咲いているヤマツツジですが、盛りを迎えたこの花に吸蜜に来るクロアゲハの姿も見られるようになります。

 今年は4月に冬のような天候が続いたせいか、昆虫の発生が遅いようですが、これから一気に増えてくるのではないでしょうか。

 風薫る季節。センターの周りではウグイス、メジロ、シジュウカラなど野鳥たちのさえずりが数々聞かれます。運が良ければ通過するキビタキやオオルリ、サンコウチョウなどの声が聞かれることも。4月からヤブサメやセンダイムシクイの声もしています。


     カッコウ

      ウツギ

      ニガナ


ウワミズザクラ見頃です!! (2010年4月23日)


 不安定な天候が続いていますが、サクラの最後を飾るウワミズザクラが見頃になりました。
 暖かい日に咲きはじめ、あっという間に見頃となりました。


 スミレの最後を飾るツボスミレも咲いています。
 チゴユリも可憐な花を咲かせ、ニシキギが黄緑色の花を咲かせています。
 カマツカやミズキもつぼみを付け、暖かくなるのを待っているようです。

 今日は夏鳥としてやってくるヤブサメの声も聞かれ、季節は初夏へと移り変わってきたようです。


春の妖精コツバメ(「所沢市HPふれ里だより平成22年4月号」より)

 ウグイスのさえずりも聞かれ、ツバメが越冬地から帰ってきて、忙しく飛び交う姿が見られるころとなってきましたが、今回は子ツバメの話しではなく、シジミチョウ科のコツバメのお話です。

 学名のCallophrys ferreaは、『鉄色の美しい姿をした』といった意味です。和名の『小燕(こつばめ)』も、燕のように素早く飛ぶからとも言われるようですが、燕の羽根の色の小さなチョウ、の意味だとの説もあります。そう、このチョウは鉄錆色の渋い翅を持っています。身体には毛が生え、翅の色も太陽の熱が吸収しやすい色です。早春に毛皮をまとって現れたかのようです。黒っぽい上に素早く飛び、翅を開いても3センチくらいなので、気づかれないことも多いでしょう。

 スプリング・エフェメラル(春の妖精、春のはかない命)、植物ではカタクリ、イチリンソウ、ジロボウエンゴサクなどがよく知られていますが、同じころ、やはり早春にだけ発生するチョウたちもこう呼ばれることがあります。ギフチョウ、ミヤマセセリ、ツマキチョウなどとともに、コツバメもそう呼ばれますが、一番目立たない存在かもしれません。

 このあたりでは3月下旬ごろの少し肌寒い時季に発生し、4月末くらいで見られなくなります。少し飛んではすぐに花で吸蜜したり、日当たりの良い葉の上などにとまります。この時、太陽に直角になるように翅を傾ける姿が何とも愛らしく、翅のグラデーションが渋くてお洒落です。表は青みを帯びているのですが、とまったときに翅を拡げることはまずありません。ただ、翅をスリスリとして綺麗な色をちらりとかいま見せてくれます。

 幼虫はおもにツツジ科の花やつぼみ、実を食べます。特にアセビを好むようですが、センターの周りにはなく、ツツジの仲間やガマズミを食べているようです。これらが無くなる頃にはさなぎになり、約10ヶ月の間さなぎで暮らし、翌早春成虫になります。

 エナガ、シジュウカラ、メジロ。野鳥たちも子育てに忙しそうです。サクラの仲間もウワミズザクラが最後を飾り、カマツカなど木々の白い花の季節へと移り変わっていきます。


     コツバメ

      アセビ

    ツバメの親子


今日の荒幡富士 (2010年3月30日)


 3月ももう終わろうというのに、今朝は氷も張っていました。
 冬のような空気で、富士山もとてもきれいに見えていました。


 イロハモミジは小さなつぼみを付け、葉っぱがモミジに似ていると言われるモミジイチゴは花を咲かせ始めました。


 『願わくは 花の下にて 春死なん その如月の 望月のころ

 と、西行法師が詠んだ、今日は旧暦の2月15日、満月です。(今月は2度目の満月です。)
 今夜は満月とサクラのツーショットが見られるところも多いのではないでしょうか。
 センターでは、1本いち早く咲き始めたヤマザクラが見頃になっています。


 オオシマザクラも咲き始め、陽光も気温が低い日が続いたせいかまだまだ見頃です。
 ソメイヨシノもちらほら咲き始めました。
 明日からは気温も上がってくるようです。
 芽吹き始めた木々も、一気に春を歌い出すのではないでしょうか。


陽光見頃です!! (2010年3月26日)


 今年は花付きがあまり良くないようですが、昨年と同じ日に見頃を迎えました。


 そして、こんな場面に出くわすことも!!
 シジュウカラがせっせと巣材を運び始めています。
 ウグイスのさえずりも心地よく響いています。


 イロハモミジも芽吹き、オトコヨウゾメはつぼみを付け、ムラサキケマンも咲き始めています。
 あちこちで芽吹きが始まっています。見る見る間に森はパステルカラーに変わっていくことでしょう。

 のんびりしてるのか、まだ帰らずにルリビタキやジョウビタキがちょろちょろしています。でも出会えるのも後、数日のことかもしれません。


春分の日です!! (2010年3月21日)


 昨夜からの強風がまだ吹いていましたが、すっかり春めいてきました。
 『三日見ぬ間の桜かな』ではありませんが、2日ほどの間にコブシは咲き、クロモジも咲き始め…


 1本だけですが、ヤマザクラも咲き始めました。


 そして、玄関前の陽光も咲き始めました。
 晴れの日は続かないようですが、『春』は一気に押し寄せてきたようです。


今日は彼岸の入り (2010年3月18日)


 『暑さ寒さも彼岸まで』と言いますが、『彼岸荒れ』と言う言葉もあるとか。
 日中は風はひんやりしていましたが、穏やかな陽ざしもあり、春本番が近いと思わせてくれる陽気でした。
 でも、大気の状態は不安定で、夜には雨が降るかもしれないとのこと。山沿いでは雪の可能性もあるそうです。


 クロモジが、明日にでも咲きそうになってきました。
 コナラも芽吹き始めている枝があります。枝先にはミノムシもいました。
 先日は、ふくらみ始めたヤマザクラの枝で、ガビチョウがしきりにさえずっていました。
 今のところオオシマザクラが一番早く咲きそうな気配です。

 今日は早くもルリシジミが飛び始めていました。成虫で冬を越したルリタテハもせわしなく飛んでいました。
 毎日春が近づいてきているのが実感できる今日この頃です。


今日の荒幡富士 (2010年3月5日)


 このところお天気がぐずつき気味でしたが、今日は朝から晴れ、富士山もよく見えました。



 アオイスミレも咲き始め、芽吹き始めたオトコヨウゾメにはつぼみものぞいていました。
 マユミもぐんぐん葉を広げていきそうな勢いでした。
 明日からはまた寒くなりそうですが、毎日の変化が楽しみな時季になってきました。


クロモジ(「所沢市HPふれ里だより平成22年3月号」より)

 『三月ウサギのように気が狂っている(mad as a march hare)』英語の慣用句ですが、繁殖期を迎えたウサギが過敏になり、いきり立ったような行動をすることから、落ち着きのない様子を言うとか。人間も三月と言えば、何となく落ち着かないみたいですね。

 この三月ウサギが登場するのが、ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』です。この中でへんてこなお茶会をしているのですが、日本でお茶会に使われてきたのが、クロモジです。
 クロモジは山地に生える落葉低木で、樹皮に現れる黒い斑点を文字になぞらえて黒文字とついたようです。香気があり、高級楊子の材として知られていますが、茶道では和菓子に添えて使っています。
 茶会の時などには、亭主がクロモジの枝を削り楊子を作り、客は記念に持ち帰っていました。今でも時にはそういう使われ方をしています。
 楊子や細工物に使われる他、薬用として使われたり、香水や石鹸の香料としても利用されています。
 雌雄異株で、可愛い冬芽は覚えやすく、花は葉とともに早春に開きます。今月の下旬には黄緑色の小さな花が咲くと思いますので、雄花と雌花の違いも探してみてください。

 野鳥たちも落ち着かなくなってきているようです。お彼岸のころになれば、シジュウカラの雄が雌を案内して巣造りをする場所を探している姿が見られます。尾の曲がったエナガを見かけたら、子育て中の雌でしょう。
 冬越しに来ていたジョウビタキ、ルリビタキ、アオジなどはいつの間にかそれぞれの繁殖地に帰って行き、越冬地から帰ってきたツバメが見られるようになります。これからゴールデンウイークころまでは、移動する鳥たちに出会えるチャンスです。

 ミヤマセセリ、コツバメ、キチョウとチョウたちの数も増えてきます。足下にはアオイスミレ、タチツボスミレなどスミレの仲間を始め、次々と小さな花が咲いていきます。不思議の国のアリスに出てくる白ウサギではありませんが、あちこち忙しく走り回り、早い季節の移り変わりを楽しむころになってきました。


     クロモジ

      アオジ

    タチツボスミレ  


は〜るよこい (2010年2月26日)


 しばらく暖かい日が続きましたが、午後から荒れ模様のお天気になってきました。
 少し気温も下がって来るみたいですが、ニワトコがしっかり花芽をのぞかせていましたよ。



 早くから咲き始めていたオオイヌノフグリですが、さらに花数が増えました。
 ヒメカンスゲもつぼみを付け「もうすぐ、もうすぐ」と言っているようです。
 クロモジの花芽も少〜しほころびそうな気配です。
 今年は春の訪れが早いとか。
 木々の芽もほころび始めているのがあります。


荒幡富士初冠雪!! (2010年2月2日)


 昨夜からの雪で今日はセンター周辺も一面の雪景色が広がりました。
 陽ざしが少なかったせいもあり、午後になっても写真のような景色でした。


 遊歩道の雪はかなり溶けましたが、森の中はまだ雪が残っています。
 ウグイスカグラの花も、心なしかふくらみかけていたクロモジの冬芽も寒そうに風に揺れていました。
 雪景色を写真におさめようと来てくださった方も!足下にはくれぐれもご注意下さいね。


梅一輪(「所沢市HPふれ里だより平成22年2月号」より)

 『梅一輪 一輪ほどの 暖かさ』芭蕉の高弟として知られる服部嵐雪の句です。
 まだ、寒いさなかでも、ウメが咲き始めるとなんだか暖かい気分になります。馥郁(ふくいく)とした香りも一役買っているのではないでしょうか。
 センターの周りにも何本か植えられいて、今年は1月中旬から咲き始めている木があります。
 ウメは春の足音を伝えるような、あまりにも身近な樹木ですが、もともと日本にあったわけではありません。
 奈良時代以前に中国から入って来たとされ、万葉集には数多くの植物が歌われているなかでも、ウメはハギに次いで2番目に多く、119首あります。当時の先進的な大陸文化に影響されたのかも知れません。
 日本全国で栽培され、九州の一部では野生化もしているようです。花弁は普通5枚で白色ですが、園芸種は、数多くあり、ウメの本来の性質を持つという野梅系を始め、紅梅系、豊後系、杏系の4系統に大別でき、花の観賞を目的としたものと、果実を目的としたものとがあります。
 平安時代ころから紅梅が作られ始めたようで、人気を集めるようになります。ところが、このころから『花』と言えばウメからサクラになっていきます。


      ウメ

 美しく調和するものとして、『梅に鶯』と言われますが、大体ウメが咲き始めるころ、ウグイスもさえずり始めるようです。ただ、ウメの木で見かけるのは、ほとんど蜜を目当てのメジロです。


     ウグイス

      メジロ

 今年の2月4日は立春。寒さはまだ続くものの、『光の春』はやって来ています。モズ、エナガがそろそろ巣作りを始め、シジュウカラのさえずりも聞かれることが多くなり、混群を作っていた小鳥たちは、ペアでの活動になってきます。

 成虫で冬をこしている、キタテハ、アカタテハ、ルリタテハ、ヒオドシチョウなどのチョウたちも、2月の下旬にもなれば日溜まりなどで姿を見かける機会が増えてきます。

 ウグイスカグラに続きヤマハンノキが咲き、ヒサカキも小さなつぼみを膨らませています。
 冬芽も変化しています。気をつけて見ていると昨日とは違う『春』が見つかるかもしれません。


     アカタテハ

    ヒオドシチョウ


今日の荒幡富士 (2010年1月30日)


 今日は春を思わせるような陽気になりました。
 富士山も早春のようにうっすらと見えていました。


 今月10日ころに西広場で白梅が咲き始めましたが、今日は東広場の紅梅がほころんでいました。

 今日は今月2回目の満月です。今年一番大きく見える満月で、日没後まもなく登ってきます。
 上の写真は、今年最初の満月、元旦に見られた部分月食です。

 日も随分長くなってきましたね。野鳥観察にももうしばらくは、最適です。
 今日はシジュウカラがさえずりの練習をしていましたよ。


十四日年越し (2010年1月14日)


 今ではあまりお祝いすることもなくなってしまいましたが、明日は小正月。今日は十四日年越しです。
 センターでは、先日開催した里山体験講座『まゆ玉飾りで小正月を祝おう!』で、みなさんに飾り付けていただいたまゆ玉飾りを展示しています。
 「懐かしい〜。」「きれい!」「こんな風に飾るんだ〜。」など来てくださった方にいろんな声をいただいています。もうしばらくは展示していますので、ぜひ足をお運び下さいね。


 今朝はとても寒く、昼過ぎでもまだ霜柱が残っていました。そんな中、相変わらず野鳥たちは元気で、ルリビタキが道案内をするかのように出てきたり、シロハラ、アオジもちょこちょこ出てきてくれました。
 ほころび始めた白梅が、冬空にちょっぴり寒そうでした。


幸せな青い鳥(「所沢市HPふれ里だより平成22年1月号」より)

 狭山丘陵で見られる青い鳥と言えば、水辺などで1年中見られるカワセミ。出会う機会は少ないものの、夏に繁殖のために帰ってくるオオルリ。そして今の時期冬越しにやって来ているルリビタキでしょう。

 ルリビタキは、北海道、本州、四国の亜高山帯の針葉樹林で繁殖し、冬は関東地方以南の山地や低い山地の林にいて、あまり明るいところには出てきません。
 この時季の『地鳴き』と呼ばれる鳴き声も、尾を振るしぐさもジョウビタキとよく似ていますが、センターの周りでは、ルリビタキと出会える機会の方が多いようです。
 雄では背中側は青ですが、雌と若鳥は緑褐色です。脇はオレンジ色、尾は青で、英名のRed-flanked Bluetailは、ここから来ています。学名のcyanurusも『青い尾の』の意味です。お腹は白く、淡褐色のジョウビタキと異なるところの一つです。
 個体差があるようですが、完全な雄の成鳥羽になるのには3年かかると言われています。若鳥も繁殖しますので、一見すると雌同士のペアに見えてしまいます。

 今年も青いルリビタキがセンターの森に来ています。厳しい自然環境の中、寿命は3〜4年。せいぜい5年くらいと言われています。きれいな青い色になるまで生き延びたルリビタキは『幸せな青い鳥』と言えるのではないでしょうか。

 日の入りの時間は毎日1分ずつくらい遅くなっていっています。暖冬傾向の今冬、ウグイスカグラは12月に咲き始め、心なしかニワトコの芽も少しふっくらしたようです。寒さはまだまだこれからですが、少しずつ春めいてくることでしょう。

 いつしかヤブコウジの赤い実や、ヤブランの黒紫色の実も野鳥たちに食べられ、もうほとんどありません。これから野鳥たちは一番エサが少なくなるときです。梅や桜の開化を一番待っているのはヒヨドリやメジロかもしれません。咲くのを持ちきれずに椿のつぼみの横から蜜を頂戴しているヒヨドリも見かけます。
 もうしばらくは冬鳥たちとの出会いを楽しめそうです。


    ルリビタキ

   ウグイスカグラ

      ヒヨドリ


今年もありがとうございました(2009年12月27日)


 今日も穏やかに晴れて、夕空に月がきれいでした。2010年元旦は満月です。
 そして、かすめる程度ですが部分月食です。
 来年の1月と3月には満月が2回あり、2月には満月がありません。


 荒幡富士で写真を撮っていたら足下にアオジが遊びに来てくれました。
 1月になればウグイスカグラももっと咲き始めることでしょう。

 今年もセンターに足を運んでくださったみなさん。行事に参加してくださったみなさん。色々な形でご協力下さったみなさん。
 本当にありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いします。
 では、良いお年をお迎え下さい。


今日は冬至!! (2009年12月22日)


 今日は穏やかな晴れの一日でした。
 紅葉の色づきにばらつきがあったせいか、まだ葉をつけている木もありますが、コナラなどはほとんど葉を落としたようです。


 荒幡富士の山頂からは、すっかり雪の衣をまとった富士山が見られました。
 ちょっぴり気の早いウグイスカグラも数輪花を咲かせていました。
 宵の空に月と木星が美しく輝いています。寒さはこれからが本番です。
 暖かくして散策を楽しんでくださいね。


名残の紅葉 (2009年12月10日)


 今年は木によって随分色づき方が違ったようですが、12月に入り、散り急ぐかのような木々です。

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 上の写真は12月1日に撮ったものですが、色も空の見える面積も違っているのが分かります。
 今日はまだ、オトコヨウゾメの実がわずかに残って輝いていました。イロハモミジとコナラも青空に映えてきれいでしたよ。
 色づきに差があった分、どこかに見頃の木が残っている可能性があります。


本日の荒幡富士 (2009年12月2日)


12月2日(水)終日小春日和に御機嫌の荒幡富士です。




麗のピラカンサは見事に真っ赤に熟れています。野鳥が何時頃になるでしょうか。
登山道ではツツジの返り花を沢山見ることが出来ます。
浅間神社の前の紅葉は朝日に映え又夕日にも映えます。
是非、お出掛け下さい。


クロスジフユエダシャク(「所沢市HPふれ里だより平成21年12月号」より)

  『師走』と聞くと、気ぜわしいと言うか、何となく落ち着かない気分になります。木々もそそくさと葉を落として行くかのように思われます。

 寒いこの季節、虫たちの姿を見ることはほとんどないように思われがちですが、あえてこの時季に発生するのが、フユシャクたちです。なかでも、クロスジフユエダシャクは、一番早く、この辺りでは11月から12月にかけて発生します。

 ある日何頭もの淡い薄茶色の小さなガが、冬の白っぽい陽ざしの中、いっせいに林間をはかなげに飛ぶ姿が見られるようになり、何日かするとふっといなくなります。

 フユシャクの仲間で飛んでいるのはすべて雄です。雌には翅(はね)が無いか、痕跡のようにあるだけです。フェロモンを出して雄を呼び、敵に襲われたときや、産卵の場所を選ぶとき以外あまり動く必要がないのでしょう。体温を奪う翅をなくすことにより、冬を乗り切るように進化したのではないかと言われています。
 チャバネフユエダシャク、クロテンフユシャク、シロフフユエダシャクと、春先まで次々と発生しては消えていきます。
 センターの周りでは夜行性のものを含めて6種が確認できています。不思議な形態の雌を探しながら歩くのもおもしろいですよ。

 今年は12月22日が冬至。寒さはこれから本格的になっていきます。何かと忙しい時ではありますが、冬の雑木林散歩も気分転換に良いのではないでしょうか。
 これからは野鳥観察に最適です。おなじみのジョウビタキ、ルリビタキ。森の中にはシロハラ。シジュウカラ、コゲラ、メジロ、エナガなどの混群に出会うこともあります。
 林床には、ヤブコウジ、カラタチバナなどの赤い実や、ジャノヒゲの瑠璃色の実も見つかることでしょう。庭などに植えられ、お正月飾りにも使われるユズリハも藍黒色の実をつけています。

 『冬来たりなば、春遠からじ。』何度か歩いていると、春の夢でも見ているような植物たちの小さな変化にも気づくことができるかもしれません。


クロスジフユエダシャク♂

クロスジフユエダシャク♀

     シロハラ

     ジャノヒゲ


紅葉始まってます!! (2009年11月29日)


 上の写真は西広場にあるイロハモミジですが、1本は黄色、もう1本は赤く紅葉していました。
 もう1本は、下の方は緑で、1本の木が3色になっています。
 見上げると、コナラも上の方ほど黄色〜茶色に色づいています。毎日変化しているので、楽しみです。


秋は夕暮れ (2009年11月27日)


 今日もおだやかな秋晴れでした。『秋は夕暮れ』と枕草子にありますが、木々の葉が午後の陽ざしにとりわけ美しく映えています。
 紅葉の色づきの具合にはばらつきがありますが、センターの周りも秋色に染まってきています。


 午後3時ころから4時半くらいが夕暮れの風景を楽しめます。
 もちろん昼間の落ち葉のシャワーを浴びながらの散策も楽しいですよ。ジョウビタキが近くで散策につきあってくれるかもしれません。


今日の荒幡富士 (2009年11月21日)


 この秋初めての『今日の荒幡富士』です。
 うっすらとですが、今朝富士山が見えていました。


 一日気持ちよく晴れましたが、午後3時にもなると冷え込んできます。
 西に傾いた陽ざしで木々が美しく輝いていました。
 センターの屋根のススキが晩秋の風情を醸し出してくれていました。
 明日は『小雪』。予報では雨が降りそうですが、寒くなりそうです。


尉鶲(ジョウビタキ)(「所沢市HPふれ里だより平成21年11月号」より)

 「ヒッヒッ」「カッカッ」センターの周りでも10月の半ばころからジョウビタキの声が聞かれるようになりました。
 スズメより少し小さな身体で、北の国からはるばる渡って来る、人をあまり警戒しない冬鳥として知られます。

 雄は頭が銀灰色で、背中の辺りは黒っぽく、お腹から尾は茶褐色です。男性の老人を表す能面を尉(じょう)と呼びますが、頭の色から尉鶲とついたとも言われます。
 ヒタキは、鳴き声が、火をたくときに使われた火打ち石の音を思わせることからついたそうです。
 常鶲の字が当てられることもあり、これは冬に広く身近で見られることからでしょうか。
 また、炭の燃えた後の白い部分を尉と言いますが、そうして見ると、ジョウビタキのお腹の辺りは燃える炭のようです。
 雌は頭から背にかけて灰褐色、腰、尾は赤褐色です。雄雌共に翼に白い斑紋があり、『紋付き鳥』と呼ばれることもあります。

 同じくこの辺りでは冬鳥として人気のルリビタキが、林の中にいることが多いのに対し、ジョウビタキは開けたところを好み、人に近いところで冬を越しています。センターでも、落ち葉をひっくり返したりするとすぐ近くまで寄ってきて、下にいる虫を狙っているようです。

 狭山湖には、マガモやカンムリカイツブリが来始めています。センターの森も冬越しに来る野鳥たちで、にぎやかになってきています。

 ガマズミの赤い実、ムラサキシキブの紫の実。ツタの紅葉、アオハダの黄葉。木々も冬支度を始めています。ハルジオンや、チチコグサなどは、葉を地面に貼り付けるように拡げ始めています。今月の末には雑木林も黄や茶、紅に染まるのではないでしょうか。常緑のシラカシの梢には、成虫で冬越しをするウラギンシジミが舞っていることがあります。長めの散歩にも良い季節となりました。


   ジョウビタキ 雄

   ジョウビタキ 雌

      ツタ

     ガマズミ


二つの太陽!? (2009年10月31日)


 昨日は十三夜。
 日が暮れる前の白く輝く月を撮ろうと荒幡富士に登ったところ…
 西の空に太陽が二つ輝いていました。
 これは、『幻日』と呼ばれる太陽光学現象で、右側に輝いているのがそうです。
 荒幡富士からは360℃の展望が望めますが、空見も楽しいものです。
 昨日は空の景色もおもしろかったのですが、西日に本当の富士山もうっすらと浮かび上がってきていました。
 これからは富士山もよく見えるようになってきます。散策のついでに荒幡富士から辺りを見回してみるのもおもしろいですよ。


秋は夕暮れ(「所沢市HPふれ里だより平成21年10月号」より)

  『白露に風の吹きしく秋の野は つらぬき止めぬ玉ぞ散りける』
 百人一首の中にある歌ですが、野原一面のススキやカヤなどの葉の上の露が秋風に吹き飛ばされ、玉を散りばめたように飛んでいく…今ではなかなか見ることの出来なくなった美しい光景です。

 10月8日は寒露。北の国からマガモなど冬鳥たちが渡って来て、朝夕は冷え込みはじめ、秋も深まって来る頃です。コオロギなどはそろそろ鳴きやむとされます。菊の花はこれからが本番。野では夏の終わりから咲いていたユウガギクに加え、カントウヨメナ、ノコンギクなどが彩りを添えています。

 センター周辺では、ススキが草刈り後に伸びた株から穂を出し、花を咲かせています。今年は10月3日が十五夜、30日が十三夜。一月(ひとつき)の間に芋名月も、栗名月も楽しめてしまいます。
 ススキなどの根元に産卵するマツムシは、ススキの原の減少と共に数を減らしているようです。
 ちょっとした草原(くさはら)があれば、ツヅレサセコオロギ、カンタンなど虫の声も聞かれることでしょう。

 夏の間中花を咲かせていたクサギに実りの秋が来ています。花が咲いていたときは気づかれることがあまりなかったアオツヅラフジも、青紫色の実を付けています。サルトリイバラもそろそろ赤く熟すころです。この葉を食べて育った、ルリタテハは、成虫で冬越しです。

 ハイイロチョッキリが、随分青いドングリを落としていましたが、ドングリが好きなカケスが冬越しにやって来ています。他にもシベリア方面からはジョウビタキ、ツグミが、そろそろやって来ます。10月はまだ移動中のものが多いので、夏鳥、冬鳥共に見られるチャンスです。

 『秋は夕暮れ』が良いと枕草子に書かれていますが、秋の日はつるべ落とし。あっと言う間に暗くなります。西の空には夏の大三角の明るい星が輝き、中秋の名月は日が沈む前から東の空で微笑んでいます。今年の10月23日は霜降。夕暮れの風景を楽しんだ後は、虫の声を聞きながら、冷え込まないうちに家路をお急ぎ下さい。


     マガモ

    カントウヨメナ

      クサギ


カゼクサ、ススキ、チカラシバ(「所沢市HPふれ里だより平成21年9月号」より)

 昼間は暑くても、朝夕はしのぎやすくなって来ました。8月ころから足下に小さな草本の花が咲き始めています。
春に咲く花とは違い、それぞれに華やかさはありませんが、集まると楚々とした美しさがあります。

 また、名脇役とも言うべきイネ科の花もたくさん咲いています。

 カゼクサは、和名の『風草』と書くと俄然イメージが良くなります。
どこにでもあり、踏みつけにも強く、抜くのも困難です。ただ、畑などに生えることはあまりなく、草丈も50p〜80pで、邪魔にならないからそのままにされていると言ったところでしょうか。
 紫を帯びた小穂が風にさわさわと揺れる様は何とも風情があります。

 ススキは、万葉集にも歌われ、秋の七草として知られ、古くから日本人に親しまれてきたイネ科の植物ではないでしょうか。
 茅葺き屋根の原料や家畜のエサに使われてきて、お月見にも欠かせませんが、最近は野で手に入れにくくなりました。花の時期も美しいですが、ふわふわとした果期はまさに『秋』を感じさせてくれます。

 チカラシバも、どこにでもあり、丈夫な草です。引き抜くのに力がいることから『力芝』と付いたと言われます。
暗紫色のブラシのような花穂は他にはあまりありません。種はいわゆるひっつき虫になっていて、大型動物などにくっついて運ばれます。

 アキノエノコログサ、トダシバ、キツネノマゴ、ユウガギク、イヌタデ。野や道ばたに秋は来ています。
そこにはイチモンジセセリ、ショウリョウバッタなども。
クズの葉では、夜毎カンタンが憂いを秘めた鳴き声を披露していることでしょう。

 シジュウカラなど野鳥の声も次第に賑やかになっていきます。鮮やかな赤に色づいたナツアカネやアキアカネ、コノシメトンボなどの姿も多く見られるようになりました。夏を惜しむかのようなツクツクボウシの声はまだしばらくは聞かれそうです


     チカラシバ

    キツネノマゴ

     アキアカネ


残暑お見舞い申し上げます(2009年8月20日)


 お盆のころからやっと夏らしいお天気が続くようになりました。今日も青空の下、真夏日となりました。
 とは言え、3日後には『処暑』を迎え、暦どおり暑さも峠を越しそうです。屋根のススキも初秋の風情です。


      コナラ

     アオハダ

 エゴツルクビオトシブミ

     アブラゼミ

 今年は少し早く、8月のはじめから、青いコナラのドングリが付いた枝が落ち始めました。ドングリの殻斗(帽子)にはみんな穴が開いています。ハイイロチョッキリという虫が、卵を産んで、枝を切り落としたのです。
 アオハダの実は赤く色づいています。エゴツルクビオトシブミのいたエゴノキは、冬芽をつけていました。
 森を渡る風も変わってきたようです。でも、やはり一番賑やかなのはセミの声!
 元気な虫たちや、秋をさがしに歩いてみませんか。
 子どもたちの夏休みもあと10日ほどで終わり。センターでは『たんけんシート』をもって森のたんけんもできますよ。


今日は立秋!! (2009年8月7日)


 蒸し暑いものの、夏らしい晴れの日はほとんどないまま、暦の上では秋になりました。
 センターの屋根では、ススキが穂を出しています。
 今日も午前中は少し青空が見られましたが、午後はまた雨!
 

      クサギ

    ミンミンゼミ

   アミガサハゴロモ

 秋の季語でもあるクサギは次から次へと花を咲かせ、良い香りを漂わせています。
 まだ時折、ホトトギスの声が聞かれますが、一番良く聞こえているのはセミの声。とりわけミンミンゼミの声が大きいようですが、不安定なお天気の今日この頃。昼間でも薄暗くなるとヒグラシが盛んに鳴いています。
 時にはヒグラシの声が森の木霊のように聞こえます。
 セミの仲間のアミガサハゴロモやアオバハゴロモなどの姿も良く見かけます。

 今年は、夏の終わりを告げるかのようなツクツクボウシの声が、7月下旬ころからし始めました。
 早々に紅葉し、落葉してしまったニシキギ。
 変な夏ですが、森では元気な生きものたちに出会えます。


クサギのワルツ(「所沢市HPふれ里だより平成21年8月号」より)

 今年は早々に梅雨が明けたと思いましたが、また梅雨に逆戻りしたような日が続きました。暑さに慣れきらないうちに暦の上では秋を迎えます。

 夏に咲く数少ない木の花、リョウブがこの夏センターの周りでは咲きませんでした。春から咲き続けてきた木の花の最後を飾るともいうべきクサギ。こちらは変わらず咲いてくれました。
 和名は『臭木』で、葉をもむと文字どおり臭気がします。でも、熱を加えることにより臭みはなくなり、薬用や食用に古くから利用されてきました。
 花はとても良い香りがします。昼間はクロアゲハやカラスアゲハなどが花を訪れ、夜にはスズメガの仲間などが訪れます。学名はClerodendrum trichotomumですが、trichotomumは『三分岐の』という意味で、花をよく見ると、3つに枝分かれしながら付いているのがわかります。
 花には雄花期と雌花期があり、最初は雄しべが上に伸び、雌しべは垂れ、その後は逆に雌しべが上に伸びます。花に訪れる虫たちを独り占めするかのように、9月頃まで次から次へと咲き続けます。

 花期にはがくの紅紫と花の白が美しいコントラストを見せていますが、秋には濃紅紫と黒紫に変わります。1、2、3と、3つの枝分かれをたどり見ていると、熟した実が赤いドレスの裾を翻らせワルツを踊っているようにさえ見えてきます。実は古くから染料として使われてきただけあり、絹を鮮やかな空色に染めてくれます。もちろん木が一番アピールしたかった鳥たちにも大人気で、種を運んでくれます。

 夏の夜をおう歌するように咲くカラスウリの花、今を盛りと鳴くアブラゼミやミンミンゼミも夜にかけ羽化を始めます。夜空を彩る花火も美しいですが、夏のにぎやかな星空も是非見上げてみてください。

 残暑が厳しいとは言え、空の色や、朝夕に小さな秋を見付けることが増えてくるでしょう。今年良く声を聞いたホトトギスですが、もう南の国へ長旅につきます。
 今月末にはキツネノマゴなども咲き始め、初秋を彩る花野の序曲は始まります。


 クサギとカラスアゲハ

     カラスウリ
アブラゼミの羽化


夏本番です!! (2009年7月14日)


 今日は朝から気温も急上昇!気象庁は、関東甲信地方が梅雨明けしたと見られると発表しました。
 平年よりも早く、今年の梅雨はあまりじめじめしていた感じがしないのですが…
 今度は猛暑が心配になります。


 楽しみにされていた方も多いかと思いますが、ヤマユリも見頃を迎えました。

 アスファルトの照り返しの中を歩くのとは違い、木陰は数度気温も低く、森の香りに包まれて歩くと、心身共にリフレッシュできるのでは?!
 水分補給を忘れずに、夏を楽しみましょう!


梅雨も折り返し地点


           ヤブカンゾウ

 昨日は半夏生。地方により、この日は天から毒が降るとか、竹林にはいるなとか、物忌みの日でもあったようです。
 このころに降る雨は大雨になることが多いとも言われています。
 梅雨も後半に入り、大雨に警戒が必要な時期になってきました。



 
昨日は荒幡富士でも山開き。雨の好きな生きものもお散歩に出ていましたよ。
 センター周辺ではヤブカンゾウの鮮やかな花が毎日咲き変わっています。ヤマユリは、もう少しで咲きそうです。
 蒸し暑く、食べ物も傷みやすい時季。大雨にも体調にも気をつけてくださいね。(2009年7月2日)


クロヒカゲ(「所沢市HPふれ里だより平成21年7月号」より)

  この辺りでは7月はほとんど梅雨です。七夕の日の晴天率は東京では30%以下だとか。2001年から国立天文台では、晴天率も高く、織姫(こと座のベガ)、彦星(わし座のアルタイル)が空高く輝く、旧暦の7月7日(今年は8月26日)を『伝統的七夕』と呼んで、広く報じるようになったそうです。

 梅雨時の林内は特に暗い感じがします。そんな中、突然足下から黒いものが飛び出し驚かされることがありますが、それはたいていクロヒカゲです。
 クロヒカゲは、平地から山地と広範囲にいますが、埼玉県あたりでは丘陵や山に多いようです。
 学名のLetheは、『黄泉の川』の意味で、dianaは、『月の女神』。
 樹液に集まりますが、花にはあまり来ません。翅は大抵拡げずに止まりますが、よく見ると、その裏面の目玉模様の美しさにハッとさせられます。飛び方は早いのですが、待っていると同じところに戻ってきてくれるので、止まったらじっくりと見てみてください。
 よく似たヒカゲチョウは日本固有種で、翅の色や、裏の模様の入り方で区別でき、クロヒカゲより平地に多く、やや明るいところを好みますが、どちらもまとまった樹陰を必要とし、幼虫は、クマザサ、メダケなどのササ・タケ類を食べます。

 夏は植物も昆虫も活動が活発な時季です。花を終えた植物はせっせと栄養を蓄えています。そして、虫たちに食べられないようにと森林浴効果のある『森の香り』を発散させます。
 木ではリョウブの花、足下ではヤブカンゾウやヤマユリ、ヒメヤブランなどの花が見られます。花に来るクロアゲハなどチョウの姿もよく見られます。
 雨でも森の中でクロヒカゲが飛び出してくるかもしれません。


     クロヒカゲ

      リョウブ
 ヒメヤブラン

 センターでは、身近な植物を描いた『埼玉県狭山丘陵いきものふれあいの里の植物−増補改訂版』を発行しました。分厚い図鑑とは違い、気軽に散策のお供にしていただけるものです。目にとまった草木の名前がわかると一層親し
みがわいてくるのではないでしょうか。



短夜

 夏の季語短夜。6月22日は夏至で、北半球では一年中で一番夜の時間が短い日でした。
 朝も4時ころには明るくなり始めます。


 センターの展示室では、冬に拾ってきた、枝に産み付けられたハラビロカマキリの卵から赤ちゃんが!!


 外では、クモの姿も良く目にするようになりました。とても小さいジョロウグモの幼体が、一人前に巣を張っています。蜘蛛の囲(蜘蛛の巣)も夏の季語になっています。
 ウマノスズクサでは、ジャコウアゲハの幼虫がせっせと葉を食べています。

 やはり夏の季語になっているホトトギスですが、センター周辺では、今年は例年になく声がよく聞かれます。
 シジュウカラは幼鳥が群で活動しています。双眼鏡で見てみると、トレードマークのネクタイがぼやけた色合いなのが分かります。


 ネジバナが咲き始めましたが、5月〜7月頃に咲くものと、9月頃に咲く秋咲きのものとがあるようです。
 ドクダミの花もそろそろ終わり。後は小さなユリ科の花たち、オオバジャノヒゲなどが咲いています。

 今日は梅雨の晴れ間で急に暑くなりました。歩いている人も少なかったようです。短夜には、早朝の散策が良いかもしれませんね。(2009年6月23日)


釣り鐘、提灯?ホタルブクロ(「所沢市HPふれ里だより平成21年6月号」より)

  6月は晴れれば一番昼の時間が長い頃です。花は多くはありませんが、コアジサイ、オオバジャノヒゲ、オカトラノオ、イチヤクソウ、ギンリョウソウ。雨の似合う花、雨の中で会ってはっとする花など、印象的な花が咲きます。

 ホタルブクロは、庭にもよく植えられていますが、梅雨時に、山野や丘陵で結構目立ちます。学名のCampanulaは、『小さな鐘』の意味です。園芸品種で親しまれているカンパニュラは、この仲間です。
 名前の由来は、ぶら下がって咲く花を、火垂(ほたる)(提灯の古語)に見立てたという説や、この花の中に蛍を入れて遊んだという説などがあります。花の色は淡紅紫色や、白ですが、白いホタルブクロにホタルを入れると幻想的な世界が広がるようです。
 入梅やホタルの発生時期と花期が合い、アメフリバナ、ホタルグサなどの地方名もあります。チョウチンバナ、ツリガネソウなど花の特徴を表した名前もあり、古くから親しまれてきたことが伺えます。
 山地に多い、ホタルブクロの変種ヤマホタルブクロには、萼と萼の間に反り返る付属体がありません。

 梅雨の晴れ間の楽しみはこの時季だけに発生するミドリシジミの仲間ゼフィルスたち。朝、きらりと緑色に輝くオオミドリシジミの飛翔や、朱が夕日に映えるアカシジミやウラナミアカシジミの飛翔は、目を楽しませてくれます。
 森ではチョウの他にも、幼虫やさなぎで夏を待っている虫たちが沢山います。

 野鳥たちはまだまだ子育て中ですが、ヒナを連れたシジュウカラに出会ったり、聞き慣れない声がすると思ったら、ヒヨドリの幼鳥だったりと、まぎらわしくもほほえましい時季です。

 梅雨の森もきっと数々の生きものとの出会いがあることでしょう。


    ホタルブクロ

     オカトラノオ

   ウラナミアカシジミ


ウツギが咲き始めました (2009年5月21日)


 卯の花の、匂う垣根に、ホトトギス早も来鳴きて♪
 ホトトギスの声はまだ確認していませんが、夏も近いと告げるかのように、ウツギ(卯の花)が、咲き始めました。

 今日は『小満』。夏の陽気が次第に満ちていくとか、麦の穂が付きほっと一息する(少し満足)などと言われ、草木が生い茂ってくる頃でもあります。


 ヘビイチゴ、ヤブヘビイチゴ、ウグイスカグラ…『実りの初夏』は来ています。
 ゴールデンウイーク中に声がしなくて心配していたハルゼミの声も聞かれるようになりました。


エゴノキ見頃です!(2009年5月15日)


 見る見る間に緑が濃くなりました。
 月曜日あたりから咲き始めたエゴノキも、足下に落ちている花で咲いていることに気づくようになりました。
 今年は、花つきがよくないようですが、この週末の雨で散ってしまうかもしれません。

 ガマズミも咲いていますが、これも花を付けてない木が多そうです。ネジキがまもなく咲きそうです。
 お約束どおりに、サルトリイバラの葉っぱの裏ではルリタテハの幼虫が成長しています。
 シジュウカラのヒナの声も時々聞こえてきます。賑やかな雑木林の初夏です。


薫風自南来 (2009年5月9日)

 今日は夏を思わせる陽気となりました。

 木漏れ日がさわやかな風に揺れるようになりました。


 コウゾリナ、コゴメウツギ、ハナニガナなどの花が見られます。エゴノキの花はもう少しすると咲きそうです。
 チョウの数も増えました。ダイミョウセセリが葉の上にひらりと飛んできては、立派な紋所を開いて見せてくれます。
 黒いアゲハも、クロアゲハ、カラスアゲハ、時にはモンキアゲハにも出会えます。
 今朝はうっすらとですが、荒幡富士の山頂から本物の富士山が見えました。さわやかな季節もわずか。ホオノキも咲いています(高くて見えませんが)。5月の風は木々の香り、花の香りも運んでくれるようです。


実りの初夏(「所沢市HPふれ里だより平成21年5月号」より)

 「実りの秋」の間違いではと思われるかもしれませんが、この時季早春に咲いたウグイスカグラの実が紅く色づいています。ヘビイチゴも早いものは熟しています。
 ヒメコウゾ、ニワトコ、ヤマザクラ、モミジイチゴなどの実も色づいています。完熟するのは例年6月にはいってからですが、花が早く咲いた今年は5月中に完熟するかもしれません。

 ヒメカンスゲ、アオイスミレ、タチツボスミレ、ヒメスミレ、ムラサキケマンなど草本も実を付けています。
 スミレの仲間は、春に花を咲かせた後、秋までずっと実が見られます。これは、つぼみのように閉じたまま、次々実になっているからで、閉鎖花と呼ばれます。成熟した種子ははじけ飛んだり、こぼれ落ちたりします。その後はアリの出番です。種子の種枕と呼ばれる部分にエライオソームというアリの好む物質が付いていて、巣に運んでいきます。
 これは、カタクリにあることで良く知られますが、ムラサキケマンなどケシ科やオオイヌノフグリ、ホトケノザにも付いています。これらはアリ散布植物と言われ、日本では200種くらい知られています。こんな所にスミレが?と思ったら、近くにアリの巣がないか探してみてください。

 これから「実りの秋」のために、色々な木が花を咲かせます。今年はオトコヨウゾメ、ニシキギなどが既に咲き終わったようですが、ミズキ、ノイバラ、ガマズミ、エゴノキ、ネジキなどの清楚な花が目を楽しませてくれることでしょう。風薫る5月と言われますが、5月の風はこれらの花の香りも運んできてくれるでしょう。
 風に乗るようにふわりと飛ぶ黒いアゲハチョウがいたら、ジャコウアゲハかもしれません。

 今年は4月の中旬頃からハルゼミの声がちらほら聞かれ始めましたが本番は5月です。晴れた日に荒幡富士に登り、心地よい風に吹かれていると、ちょっと変わった鳴き声を聞くことができます。

 センダイムシクイ、ヤブサメなど夏鳥と呼ばれる野鳥たちも帰ってきて、センター周辺を通過しています。街中でもカッコウの声を聞くことができるかもしれません。目に青葉の季節がやって来ました。



    ウグイスカグラ     タチツボスミレ        ノイバラ


行く春を… (2009年4月18日)


 2日でまた緑が濃くなりました。


    ウワミズザクラ

     ヒメコウゾ

    オトコヨウゾメ

 サクラの仲間でしんがりをつとめ、例年今頃咲き始める、ウワミズザクラが早くも満開になっています。ヒメコウゾも一風変わった花を咲かせ、オトコヨウゾメも可憐な花を咲かせています。大体1週間から10日くらい早い感じです。
 クロアゲハも飛び始め、ハルゼミの声も聞かれるようになってきました。こちらも少し早いようです。
 センダイムシクイ、ヤブサメなど夏鳥も帰って来始めました。これからいろんな野鳥がセンター周辺を通過していくことでしょう。
 いよいよ季節は初夏へ。行く春を惜しむ頃となってきたようです。


山笑う (2009年4月16日)


 緑が日毎に濃くなっていきます。
 コナラの花も盛りを過ぎ、足下に雄花が落ちています。


     ツボスミレ

     ヤマツツジ

    コナラ・シラカシ

 新緑が美しく、落葉樹はもとより、常緑樹もやわらかい新緑に衣替えです。
 遠くから見ると、パッチワークのようにパステルカラーで彩られ、まさに山が笑っているようです。
 スミレの仲間も、最後に咲くツボスミレが満開です。ヤマツツジも咲き始めました。

 天気予報では周期的に雨が降るようになってきたようです。
 今年は4月20日が穀雨。穀物を潤す雨が降る頃とされます。やがて八十八夜、立夏と、季節は初夏へと移り変わっていきます。

春本番です!! (2009年4月11日)


 陽光もすっかり葉桜になり、芽吹きの美しい季節になりました。
 下の同じ場所の写真は4月7日に撮影したものです。毎日景色が変わっていきます。


 ヤマザクラ、ヤエベニシダレがそろそろ終わります。園路の木漏れ日も日毎に濃くなっていきます。
 まだムラサキケマンの花も咲いていますが、とても変化の早い季節です。
 ミヤマセセリ、コツバメなど春のチョウも飛んでいます。成虫で冬を越したテングチョウは、痛んだ翅で頑張っています。
 これから移動途中の野鳥に出会える機会も増えてきます。あっちもこっちも見るもの一杯。忙しい季節です。

サルトリイバラ(「所沢市HPふれ里だより平成21年4月号」より)

 今年も桜前線が足早に北上しているようです。タチツボスミレ、ノジスミレ、ムラサキケマン、草本の花も次々咲いていっています。1年で最も華やかで、生気にあふれた季節と言えるでしょう。

 そんな中、密やかに花を咲かせている植物があります。赤い実がクリスマスリースなどで良く知られている、サルトリイバラです。特に実の方をサンキライ(山帰来)と呼ぶことがあるようですが、正確には、近縁種で、サンキライと言う植物が別にあります。こちらは中国などに自生し、日本には自生していません。
 山野や、丘陵地に普通に生えているユリ科の落葉つる性半低木、猿捕茨。バラのようなトゲがあり、猿が引っかかるというのでこの名が付いたと言われます。透明感のある薄黄緑色の花を見ていると、人に見てもらうために咲いているのではないと言うことを実感します。
 雄花をつける雄株と、雌花をつける雌株があり、西日本ではこの葉で餅を包み、柏餅の変わりにします。
 この葉を食べて育つのは、ルリタテハです。幼虫には黄白色の突起物があり、葉裏で体を丸めているところは花に擬態しているのではとも言われます。成虫で冬を越した姿が、雑木林はもとより、公園などでも見られることがあります。

 木々の芽吹きの色も素晴らしい時季です。日一日と景色は変化していきます。イヌシデ、アカシデ、クヌギ、コナラ。これらの花も人にはおかまいなしに咲いています。花粉を運んでくれるのは、風や、クマバチ、コマルハナバチなど虫たち。

 地面から水を吸い上げ始めた樹木の木肌からは、樹液があふれていることもあります。ヒヨドリやメジロがその樹液や花の蜜に飛んできています。よく見るとくちばしには虫をくわえていることがあります。センター周辺では、シジュウカラやヤマガラが子育ての真っ最中。忙しく虫をさがして枝を渡っています。

 戦国大名たちが、野遊びや狩りを楽しむことを、『野掛け』と呼んだそうですが、この場では野点も楽しまれたようです。今では野掛け=野点のように呼ばれています。4月5日は『清明』。万物がすがすがしく明るく美しいころとされます。野で自然を愛でながら遊ぶのに絶好の季節となりました。


       サルトリイバラ

   

  ルリタテハの幼虫

     ルリタテハ


陽光見頃です!! (2009年3月26日)


 開花から1週間。『陽光』が、ほぼ満開になりました。少し気温も低めでしたので、この週末頃まで見頃と思われます。

 イヌシデ、コナラなど木々も芽吹き始めました。
 もう、ヤマザクラも咲き始めています。いよいよ『春』が動き始めました。毎日の変化が楽しみです。

陽光咲き始めました!! (2009年3月19日)

 センター玄関前のサクラ『陽光』が、昨日今日の初夏を思わせる陽気のせいか、昨年より5日早く咲き始めました。


 今日、今年初めてミヤマセセリの姿も確認できました。
 成虫で冬を越したキチョウや、テングチョウの姿も見られました。
 明日は、春分の日。いよいよ春本番です。

今日の荒幡富士(2009年3月15日)

 また久しぶりの今日の荒幡富士になってしまいました。
 季節は春へと移り変わり、冬の富士山の姿をお知らせできなくて申し訳ありませんでした。
 先日NHKでも紹介され、荒幡富士に足を運んでくださるかたも増えたようです。


 昨日とは、打って変わって朝から晴れ渡っていましたが、本物の富士山は早くも少し霞み始めていました。
 登山口では、薄氷も見られ、富士山は雪の衣をまとっていましたが、ウグイスは春を告げるようにさえずっていました。


 ヒサカキも咲いています。陽光のつぼみもほころんできました。

ものの芽

 春の季語『ものの芽』。下萌え、木の芽、草の芽まとめて言い表す言葉だとか。
 センター周辺でも落ち葉の間から緑色が目立ち始めました。冬芽も動き始めたものがいくつかあります。
 ヒメカンスゲ、オオイヌノフグリ、そしてアオイスミレも咲いています。


 アオイスミレは、去年より2週間ほど早く咲き始めたようです。
 ニワトコやクロモジもいつ咲こうかと待ちかまえているようです。
 雪もほとんど降らなかったこの冬。春が駆け足でやってくるようです。


    ヒメカンスゲ

    モミジイチゴ

   オオイヌノフグリ

 ウワミズザクラは芽吹き、ヤマザクラも芽吹きそうです。センター玄関前の陽光(サクラ)のつぼみも心なしか膨らんできたようです。
090310

アオイスミレ(「所沢市HPふれ里だより平成21年3月号」より)

 3月3日はひな祭り。桃の節句です。春めいた気分になりますが、下旬のお彼岸を過ぎないと、春本番とは言えないようです。

 とは言え、『春』は確実にやって来ています。この辺りで一番早く咲くスミレの仲間アオイスミレ。
 多くはありませんが、センターの周りでは、去年は3月14日頃から咲き始めました。全体がビロードのような毛で覆われ、薄紫の花びらは遠慮がちに開ききりません。

 名前の由来は、葉がフタバアオイ似ているから付いたと言われますが、このフタバアオイを図案化したと言われるのが、徳川家の家紋です。
 丸い葉が特徴で、冬の間もつけています。新葉は、左右きれいに巻いて出て来ます。花期の草丈は低いですが、 花の後は見違えるように大きな葉をのばします。ヒナブキという別名も、葉に由来します。

 スミレの仲間はアリの好きなエライオソームという付属体をつけた種をはじけ飛ばすものが多いのですが、地面近くに付けた球形の実は、はじけず、種はぽろぽろと落ちます。アリは付属体ごと巣に運び、種本体は捨てます。付属体が大きいので、種まきは他のスミレ以上にアリに頼っているのかもしれません。

 アオイスミレに続き、タチツボスミレやほかのスミレの仲間も4月にかけて咲いていきます。木々の芽吹きも始まり、最近では3月中にソメイヨシノなど桜が咲き始めています。

 虫たちも活動を始めています。ミヤマセセリが見られるようになると、雑木林もいよいよ春本番でしょう。

 芽吹き始めた木々の枝先を虫を求めて飛び交うシジュウカラやエナガ。冬越しに来ていたジョウビタキやルリビタキは、今月中に見られなくなります。

 動き始めると『春』は駆け足です。毎日歩いても変化が楽しめることでしょう。


    アオイスミレ

    ミヤマセセリ

     ルリビタキ



春がそこに…(「所沢市HPふれ里だより平成21年2月号」より)

 『真冬』といえば2月ですが、今年の2月3日は節分、翌日は立春で、暦の上ではもう春です。確かに「日が延びてきた。」と実感されている方も多いのではないでしょうか。

 ウグイスカグラの花も咲き始め、コウヤボウキの小さな芽も毛玉のようにふくらみ始めています。アオキの芽はもうほころび始め、つぼみが顔をのぞかせています。足下ではヒメカンスゲが、見上げればヤマハンノキが今にも花を咲かせそうです。

 ツグミは、シベリア方面から冬越しに来ていますが、最近群で通ったという話しも聞き、冬鳥たちは、まだ移動しているものがいるようです。
 アトリが沢山渡って来ているそうですが、センター周辺ではまだ見かけません。そのうち立ち寄るかもしれません。
 モズやエナガは、そろそろ巣作りを始めます。春から夏にかけて、繁殖期を迎えると、雄は雌へのラブソングを高らかに歌うようになりますが、1月の終わり頃から、シジュウカラも春が近いと言うように、歌(さえずり)の練習を始めています。光に春を感じているのでしょう。

 この時季に恋の季節を迎えているのは、昆虫にもいます。冬に成虫になる、シロフフユエダシャクなどのフユシャクの仲間です。夜行性のものがほとんどですが、昼間ひらひらと林の中を飛んでいる種もいます。雌は羽がほとんどないか、退化し、ガとは思えない不思議な姿をしています。木の幹に止まっていることがあるので、探してみるのもおもしろいのではないでしょうか。

 『三寒四温』の言葉どおり、冬と春が見え隠れするこの時季、冬芽や野鳥などを見ながら歩いていると、『春』が、静かにほほえんでいるかもしれません。


   ウグイスカグラ



ヤマハンノキ

      ツグミ





千両、万両(「所沢市HPふれ里だより平成21年1月号」より)

 赤い実が美しく、お正月の生け花によく使われるセンリョウ。
 この時季花屋さんをはじめ、目にする機会が多いです。でも、野鳥によって種が運ばれたと思われるものが、センターの周りに数本ありますが、自生のものはあまりありません。分布としては本州では東海地方、紀伊半島などです。

 この辺りに自生しているのは、マンリョウ、カラタチバナ、ヤブコウジです。
 名前が縁起がよいことからマンリョウ(万両)もお正月の縁起物として使われます。たわわに実る実を『万両』にたとえたとも言われていますが、名前の由来ははっきりしないようです。ただ、マンリョウを基本にセンリョウ(千両)と名前が付き、カラタチバナは、百両、ヤブコウジは、十両とも呼ばれます。

 センリョウはセンリョウ科で、上向きに実を付け、野鳥の格好のエサとなっています。他はヤブコウジ科で、葉の下に実を付け、翌年花が咲く頃にも実が残っています。
 どれも林内に生える常緑の低木で、庭木としてもよく植えられ、園芸品種もあります。

 ヒヨドリがこれらの実をついばんでいるところを見かけることがあります。こうして野鳥に食べられることによって種は運ばれます。

 初夢ではありませんが、狭山湖の堤防からは富士山とオオタカの姿が見られるかもしれません。
 キノカワガや、ムラサキシジミ。オオミドリシジミの卵など、木の幹や枝、常緑樹の葉の上に生きものが見つけられることがあります。冬も生きものとの出会いが楽しみです。
 庭先からは、ロウバイの香りが漂ってくることもあるでしょう。


     オオタカ

   ムラサキシジミ
  ヤブコウジ


今年もありがとうございました

 平成20年12月28日(日)。明日から1月3日まで当センターも休館になります。
 来年もよろしくお願いします。


 今年は年内にコナラなど落葉樹はほとんど葉を落としきりました。
 木々の枝先を飛び交う野鳥たちの姿も観察しやすくなりました。
 ここの風景は、春また芽吹きの頃からみなさんにお目に掛けたいと思います。それまでお休みなさい。


冬至冬中冬始め

 今年の12月21日(日)は『冬至』。これからいよいよ冬本番へと向かいます。
 センターエリアも木々が葉を落とし、随分明るくなりました。


 これは12月16日(火)の風景です。随分空の見える面積が広くなりました。

 オトコヨウゾメの実が柔らかな冬の陽ざしに輝いていました。わずかに残ったムラサキシキブの実のそばには、冬芽が春を待っています。
 コナラの木に同化したかのようなキノカワガ。ほとんど動かず冬を越しています。
 辺りでは、ヒヨドリ、カケス、シジュウカラ、ウグイス、メジロ、シロハラなどのおしゃべりが聞こえています。

 少しずつ日没の時間が遅くなり始めました。荒幡富士から見る、日没直後に浮かび上がる富士山はとてもきれいです。しばらくすれば1番星、金星が輝き始めます。

落葉のシンフォニー(2008年12月3日)

 雨が降ったり、朝晩の冷え込みとともに、急に落葉が盛んになり始めました。
 風が吹くたびに音を立てて木の葉が舞い、2、3日でどんどん景色が変わっていきます。


 これは12月3日の風景です。1週間前と随分違うと思いませんか?


 数は多くはありませんが、イロハモミジの紅葉もきれいになってきました。木によって色合いが違うのはもちろんですが、1本の木でもグラデーションが楽しめます。
 アオハダの透明感ある黄葉もステキです。アカシデやコナラもかなり赤みを帯びた茶色に色づいている木があります。
 今日の日没は16時25分頃。ここ数日は夕方の西空に金星と木星が仲良く輝いている姿が見られます。
 冬は昼は野鳥が、夜は星空が賑やかになります。

ヒイラギ(柊)(「所沢市HPふれ里だより平成20年12月号」より)

 いよいよ師走。なんとなく気ぜわしい時期になってきました。紅葉はばらつきがあるものの、ここ数年に比べると少し早く進んでいるようです。

 花は少ないですが、11月頃から冬の季語でもある、ヒイラギの花が良い香りをさせ咲いています。
 モクセイ科で、キンモクセイの花と似ています。和名は木編に冬と書きますが、葉の縁に鋭いトゲがあり、触るとひりひり痛むことから古語の疼く(ひいらぐ)からついたと言われます。
 節分に悪鬼を払うためにこの枝に鰯の頭をさして門口に飾りますが、邪気の侵入を防ぐと信じられ庭木として、鬼門に植えられてきました。雌雄別株で、果実は翌年の初夏に紫黒色に熟します。

 この時季にヒイラギといえば、クリスマスの飾りを思い浮かべる人も多いと思いますが、これは、モチノキ科のセイヨウヒイラギか、アメリカヒイラギで、今頃果実は赤く熟します。
 常緑で冬に目立つ赤い実を付けるため、古くから聖木とされていたようですが、トゲのある葉が悪鬼から守ってくれるという発想は日本と同じようです。どちらも老木になると、ヒイラギと同じくトゲがなくなってきます。

 野鳥はウグイス、カケス、アオジ、ジョウビタキ、ルリビタキ、シロハラなど少しずつセンター周辺に冬越しのために集まり始めています。
 「忙中閑あり」マンリョウの実も赤くなりました。冬色に変わっていく森の景色と野鳥との出会いを楽しみながら、歩いてみませんか。


     ヒイラギ

      アオジ

     マンリョウ


雑木林の冬支度

 11月26日(水)。師走も目の前です。
 朝夕の冷え込みとともに、(残念ながら、色はあまり良くないようですが)紅葉も進み、2、3日で景色が変わっていることも!
 でも、陽ざしの暖かい日はまだスズメバチが飛んでいますので、ご注意下さい。


 少しずつ空の見える面積が広がっています。


 色づいたクロモジの葉の先には冬芽がしっかり付いています。マンリョウの実も赤くなって鳥たちを待っているようです。『吹き寄せ』には何種類もの落ち葉が集まっています。


今日の荒幡富士(2008年11月20日)


 午後4時15分過ぎ、夕景を撮影に数人の方が訪れていらっしゃいました。


 紅葉も少しずつ進んできています。ヤマウルシはほとんど葉を落としました。

今日の荒幡富士(2008年11月19日)

午後3時、荒幡富士へと登ってみました。
今日も気持ちの良い秋晴れ。頂上からは、富士山がとってもキレイに浮かび上がって見えます。




◆荒幡富士を下る際、ふと目線を足元に落としてみました。





すると、頂上からふもとまで、ゴミやタバコの吸殻が一つも落ちていないことに気付きました。
これは、地域の方々の荒幡富士を大事にする気持ちゆえのものなのではないでしょうか。
また、荒幡富士では毎年、年に2回、地域の方々が総出で草刈りを行ってくださっています。

ここで考えてみましょう。なぜ荒幡富士は人々から大事にされてきたのでしょうか。

時はさかのぼり120年前。荒幡富士は、近隣お有志の住民たちの手によって作り始められました。村内の統一と民心の安定をはかるためであったといいます。
当時は機械もなく、人々はすべて人力で作業を行っていました。
完成までにかかた月日は15年。総勢約1万人以上のもの人々が作業に携わったそうです。
人々の努力の甲斐あって、荒幡富士は人の手で作られた「手作り」の富士山の中では傑出したのものとなりました。

このように、荒幡富士には昔からたくさんの人々の想いがこめられてきたのです。
今でもその熱い思いが受け継がれ、その結果が今日の荒幡富士の姿なのですね。


気のせいか、いつもの荒幡富士が、とってもたくましく、かっこよく見えました。
(今回の自然情報は、実習生が書きました。)


小春日和

 しばらく曇や雨のお天気が続きましたが、11月13日、久しぶりに太陽が顔を見せてくれました。
 森の木々も少しずつ色づき始め、葉を落とす木も出始めました。
 北の国からはジョウビタキ、カケスも冬越しのために渡ってきました。


 木々の間から見える空が少し広くなりました。


 イチョウやカツラの紅葉が目立ちます。ツタのグラデーションもステキです。うっすらですが富士山も見えていました。
 小春日和の一日、お昼寝したくもなりますが、外はとっても気持ちがいいですよ。

秋から初冬へ

 今年の11月7日は立冬です。『冬の気配がたち始める頃』とされますが、紅葉もこれから。晩秋といった方がしっくりきます。
 気持ちよく歩ける時季ですが、さすがに朝晩は冷え込むようになり、日も随分短くなってきました。
 草本の花もほとんど見られなくなってきました。
  
  午後3時を過ぎると日は随分西へ傾きます。
 昼間は暖かい陽ざしの下、成虫で冬越しするウラギンシジミや、朱色に熟したヒヨドリジョウゴの実も見られます。
 そして、午後4時30分頃には富士の山並みの向こうに日は沈んでいきます。
 秋の日はつるべ落とし。センターは午後5時まで開館していますが、みなさん暗くならない内に散策は切り上げて家路についてくださいね。


ヤクシソウ(薬師草)(「所沢市HPふれ里だより平成20年11月号」より)

今年のカレンダーも後2枚。あるいは1枚。11月7日は立冬。季節は冬へと向かいます。
 晩秋とはいえ、このあたりの紅葉はもう少し後。センター周辺でもニシキギやカマツカなどが紅や黄色に色づきはじめていますが、今月末から12月上旬が紅葉(黄葉)の盛りになることでしょう。

 花は少ない時季ですが、キク科のヤクシソウが咲いています。この花が終わると草本の花はしばらく見られなくなります。もっとも最近は温暖化の影響か、春に咲く花がもう咲いていることもありますが。
 名前の由来は、『薬師草』からきたと言われ、薬師如来に関するものが多いです。茎を抱く葉が薬師如来の光背に似ている、薬師堂の近くで見つかった、薬草として使われていた。など諸説ありますが、はっきりしません。
 山野の日当たりの良い道ばたなどに生えているので、村はずれなどに奉られていることの多い薬師堂のある環境と一致するようではあります。薬草として使われていた草はどれも薬師草と呼ばれていた時代があったそうですが、腫れ物に効く程度で、強い薬効はありません。
 花は咲き終わるとお辞儀をします。また、茎は柔らかいので、ハナアブなどがとまるとしなだれ、しがみつくとお腹に花粉がつきます。秋の陽に映える黄色の花は、時に群生し目にも鮮やかです。

 まだ、移動中のものもいますが、ジョウビタキなど冬越しにやってくる野鳥たちが増え始めました。ヒヨドリも賑やかです。成虫で越冬するキチョウや、ウラギンシジミなどを除いてチョウの姿はどんどん少なくなっていきます。

 散策には良い季節。冬へ向け移り変わる景色と共に野鳥との出会いも楽しみなこのごろです。


    ヤクシソウ




   ウラギンシジミ


 ヒヨドリ


秋空深く澄み渡り…(「所沢市HPふれ里だより平成20年10月号」より)

 今年の10月8日は寒露。冬鳥が渡ってきて、菊が咲き始め、コオロギなどが鳴きやむころとされます。
  心当てに折らばや折らむ初霜の おきまどはせる白菊の花
 百人一首のなかにある句ですが、23日が今年は霜降です。露が冷気を帯びて霜となって降りるようになるころと言われ、楓やツタが紅葉を始めるころとも言われます。この日から立冬までに吹く強い北風は木枯らしと呼ばれます。
 紅葉(黄葉)と霜は、もう少し後になるでしょうが、コガモやマガモなどの冬鳥は渡ってきますし、シロヨメナ、ノコンギクなどが咲き、虫の声も次第に聞かれなくなってきます。

 チョウもいつの間にか種類が減ってきます。9月には姿を確認できませんでしたが、ウラナミシジミもマメ科の花とともに北上をし、このあたりでは冬を越せずに絶えていきます。キタテハやアカタテハ、ウラギンシジミなど成虫で越冬するチョウが、熟して落ちた柿の実に集まっている姿に出会うこともあります。

 実りの秋にふさわしく、木や草の実も色とりどりに色づきます。アオハダやガマズミ、ヒヨドリジョウゴの赤、ムラサキシキブの紫。花の少ない夏の間、良い香りでクロアゲハなどを引き寄せていたクサギは瑠璃色の実を付けています。
 草もそれぞれ花を咲かせているもの、種をつけているもの、枯れる前に命を繋ごうとしています。これらの草で草木染めを楽しむこともできます。

 秋の夜長、11日は十三夜。朝晩は肌寒くなってきましたが、まだまだ昼も夜も外で気持ちよく過ごせる時季です。


    ノコンギク

    ウラナミシジミ

    ヒヨドリジョウゴ


今日の荒幡富士(2008年9月9日)

 久しぶりの『今日の荒幡富士』です。
 不安定な天気が続いていましたが、今日は朝からさわやかに晴れました。
 うっすらですが、富士山も久しぶりに見ることができました。


 今日は重陽、旧暦で言う『菊の節句』です。明日は二百二十日。暦の上ではどんどん『秋』が進んでいくようです。


 今度の日曜日は十五夜。ハイメドハギ、ワレモコウなどが登山道で風に揺れていました。
 センターの屋根ではススキも穂を出していますよ。
 13日(土)に開催する、『十五夜の準備を体験しよう!』。まだ申込を受け付けていますので、みなさんのお申し込みをお待ちしています。


夏から初秋へ

 8月末から雨が多く、蒸し暑い日も続いています。
 でも、9月の声を聞くと、自然はちゃんと初秋の彩りに変わっていっています。
 
 9月に一番増えるチョウがイチモンジセセリでしょう。今年も9月に入るや、よく目にするようになりました。

    センニンソウ

     ヤブラン

     チカラシバ

 初秋を彩る花も咲き始めています。
 アオハダやヒヨドリジョウゴなど色づき始めた実も見られます。林を抜ける風も秋を感じさせるようになりました。
秋をみつけに出かけてみてはいかがでしょう。
 でも、スズメバチは、活動がピークになります。近くで見つけたら絶対に騒がないように気をつけてくださいね。

風渡る花野(「所沢市HPふれ里だより平成20年9月号」より)

 残暑は続いても、9月といえば『初秋』。朝夕や、風に秋を感じることが多くなってきます。今年は7日が白露、14日は十五夜。朝歩いていると、草の上にも露がめだち始めます。涼やかな風が吹き、寒すぎず夜外でお月見をするのに良いころです。ただし、台風や秋雨の季節でもありますが。

 お月見にお供えするススキ。狭山丘陵の周辺は、万葉の昔から萱原(ススキの原)が広がり、月と鳴く虫の名所だったようです。
 ススキ(尾花)は秋の七草の一つですが、古い時代に中国から渡来したと言われるフジバカマを始め、キキョウ、オミナエシ、カワラナデシコといったほかの七草は、この辺りではあまり見られなくなりました。
 多く見られるのはクズで、香りの良い花を夏から咲かせています。根は葛粉を作ったり、漢方にも使われます。大和(奈良県)の国栖(くず)が、葛粉の産地だったことから名付けられたと言われます。つるは強く、細工に使われます。
 クズの葉を食べる虫にコフキゾウムシや、シロコブゾウムシがいますが、鳴く虫の女王と呼ばれるカンタンもこの葉によくいます。繁殖力が旺盛なので、色々使われてちょうど良いようです。

 秋の季語『花野』。ユウガギク、カントウヨメナ、ゲンノショウコ、ノハラアザミ、ヌスビトハギ。ススキ、カゼクサ、トダシバなどイネ科の花も多く咲いています。春の華やかさとは違った風情です。
 センター周辺にも野鳥の姿が戻り始めました。南の国へ渡る途中の野鳥たちは静かに移動しています。セミの声は次第に減り、イチモンジセセリを始め、チョウの姿が増えてきます。いろんなところで秋は見つかることでしょう。 


     カンタン


クズ

    カントウヨメナ




思草(おもいぐさ)(「所沢市HPふれ里だより平成20年8月号」より)

今夏は猛暑との予報どおり、連日暑い日が続いています。さらに暑く感じさせるようなセミの大合唱ですが、彼らにとっては『命の歌』もう少し我慢してあげましょう。
 今はアブラゼミ、ミンミンゼミが賑やかですが、8月半ばにはツクツクボウシが鳴き始め、セミの季節もそろそろ終期へ向かいます。

 今年は8月7日が立秋ですが、一番暑いころです。
 道のべの尾花が下の思草 今さらさらに 何か思はむ
と、万葉集に歌われていますが、この頃になると、尾花(=ススキ)やミョウガの下にひっそりと咲いている思草(=ナンバンギセル)が見られるようになります。
 これには理由があります。葉緑を持たないこの1年草は、おもにイネ科の植物の根に寄生しているのです。
 長い柄の先に咲く花の形がパイプを思わせることから南蛮煙管(ナンバンギセル)と言われるそうです。
 うつむいてなにやら物思いにふけっているような風情のこの花。どことなく秋の風情を感じさせてくれます。

 日が暮れる頃散歩に出ると、畑や林の周辺で、カラスウリの花に出会えるかもしれません。夜活動するスズメガの仲間に花粉を運んでもらうのがねらいのようです。
 昼間はクサギにクロアゲハなどが蜜を吸いに来ています。オオシオカラトンボなども元気に飛び回っていますが、秋の使者アキアカネもまもなく山から下りてきます。

 虫たちが一番活発なこの時季、木は自己防衛のために、フィトンチッドを盛んに出しています。市街地より涼しい林の中、森林浴を楽しみながら歩いていると、秋の気配が見つかるかもしれませんよ。


   ナンバンギセル

  クサギとクロアゲハ

  オオシオカラトンボ


オニドコロ(「所沢市HPふれ里だより平成20年7月号」より)

 7月7日は七夕。今年は小暑と重なります。22日は大暑で暦の上では一番暑い時季となります。
 実際は梅雨明けが待たれる毎日ですが。

 梅雨の晴れ間をぬうように、ヒグラシ、ニイニイゼミが鳴き始めます。梅雨明けを待っていたかのように鳴き始めるのがミンミンゼミ、そしてアブラゼミが本格的な夏の訪れを知らせます。

 目立つ花はあまりありませんが、所沢の地名の由来になったとも言われるオニドコロが花を咲かせています。
 淡緑色の小さな花は涼しげです。つる性でどこにでもありますが、それ故すぐに刈られてしまいます。雄株と雌株があり、雄花序は直立し、雌花序は垂れ下がります。
 ハート形の葉が折り畳まれていたら、その中にはダイミョウセセリの幼虫がいるかもしれません。
 根は、太くなり曲がった根茎からひげ根が出ているのを腰の曲がった老人にたとえ、長寿のしるしとして、エビを海老とするのに対して、野老(トコロ)とし、お正月飾りにされたそうです。

 やはりつる性で、雌雄別株のアオツヅラフジも黄白色の小さな花を咲かせています。秋には藍黒色のきれいな果実が見られます。

 足下の小さな花はジャノヒゲ、ヒメヤブラン。華やかなところではヤブカンゾウやヤマユリ。これらはみんなユリ科の植物です。

 木ではリョウブの白い花が蒸し暑さを和らげてくれるようです。
 森林浴にもよい季節。今年生まれたシジュウカラやヒヨドリの幼鳥の声もしています。クロアゲハ、ヒカゲチョウ、ダイミョウセセリ。チョウにもきっと出会えるでしょう。


   オニドコロ雌株

   ダイミョウセセリ

    ヤブカンゾウ


今日の荒幡富士(2008年6月18 日)16時
                                

久しぶりの「本日の荒幡富士」シリーズです。

本日は、日差しが強く梅雨を忘れたかのような天気でしたが、夕方から曇って来ました。

荒幡富士から眺める富士山も、雲の中です。梅雨の季節に富士を望むのは難しいようですね。

木々は緑を濃くし夏」の到来を感じさせてくれます。

荒幡富士にはオカトラノオが、白い花を付け目を楽しませてくれますよ。

センターエリアは、木陰が広がり絶好の散策エリアです。

ですが、帽子や水筒など熱中症の予防策をお願いします。
 
                  

                    

カイコ

 6月10日、今年も飼っていたカイコが、繭を作り始めました。


 「懐かしい」
 「かわいい」
 「きゃ〜っ」
 何かと来館してくださった方々をお騒がせしたカイコたちです。



ムラサキシキブ(「広報ところざわ6月号」掲載の「ふれあいの里だより」より)

 今年は暦の上では6月10日が入梅。このころ咲く花にムラサキシキブがあります。実が美しいことで知られ、紫色の果実が重なりあっていることから、紫重実(むらさきしきみ)と言われ、紫式部になったとか、単に美しい紫色の果実を紫式部にたとえたとも言われます。学名のカリカルパも『美しい果実』という意味です。

 実ばかりもてはやされているようですが、ほのかに香る紫色のかわいい花です。また、庭などによく植えられているのは、ほとんど枝先の垂れ下がるコムラサキです。

 淡紅色の花びらを開くことのないナワシロイチゴ、青のツユクサ、淡紅紫色のホタルブクロの花も見られます。

 『飛ぶ宝石』とも呼ばれる、この時季ならではのシジミチョウ科の一群ゼフィルス。オオミドリシジミ、アカシジミ、ウラナミアカシジミ、ミズイロオナガシジミ。小さな妖精との出会いは梅雨の晴れ間の散歩を格別なものにしてくれるでしょう。


   ムラサキシキブ

     ツユクサ

  ウラナミアカシジミ


エゴノキの花も終わりです!

 足下に落ちたエゴノキの花を見て、ここにもエゴノキがあったんだと気づかされることも…
 低い枝先に、エゴツルクビオトシブミのゆりかごも見られます。
 ウツギの花も咲き、鳴きながら飛んでいくホトトギスに出会える日もあります。
 黄色い花を咲かせていたヘビイチゴは、赤い実を付けています。

 今年も茶畑近くの大きなシラカシの樹洞にニホンミツバチが営巣中です。そっと見守っていますので、注意してお通り下さい。
 スズメバチも活発になってきました。樹液や花の蜜を吸いに飛んでくることがありますので、近くに来ても、はらったり騒がずに行きすぎるのを待つようにしてください。

 すっかり緑が濃くなりました。

    ヘビイチゴ

エゴツルクビオトシブミ揺卵

    ナワシロイチゴ

 ナワシロイチゴの花は、可愛い色ですが、花びらを開くことはありません。
 晴れた日には荒幡富士周辺でハルゼミの声が聞かれます。5月は雨が多かったようですが、「今年は梅雨入りも早いのかな?」と空を見上げる今日この頃です。
エゴノキ薫る初夏の雑木林(「広報ところざわ5月号」掲載の「ふれあいの里だより」より)

 5月のイメージはさわやかな風と緑ではないでしょうか。林の中を散策するのにもとても良い季節です。ミズキ、ガマズミ、エゴノキなど白い清楚な花を咲かせている木々にも出会えます。

 エゴノキの花は、良い香りがしますが、地面に白い絨毯のように落ちた花を見つけて、初めて花が咲いていることに気づくことがほとんどです。見上げると、花が微笑みかけているようです。
 この木では小さな命も育まれています。葉を巻いて幼虫のゆりかごにしているのはエゴツルクビオトシブミ。
 エゴシギゾウムシは、花の蜜を吸い、実に穴を開け卵を産みつけます。
 エゴノネコアシアブラムシは芽に卵を産み付けますが、その芽は猫の足のように膨らみます。

 ツグミなども今月始めには北の国へ帰り、冬鳥たちに変わり、南の国からはカッコウ、ホトトギスなどが帰って来始めました。
 クロアゲハ、キアゲハ、アゲハ、ジャコウアゲハ。チョウの種類も増え、今月末には、アカシジミなど梅雨時だけに発生するゼフィルスの仲間も出始めます。


     エゴノキ

      ミズキ

    ジャコウアゲハ


春から初夏へ

 3月末から咲き始めたサクラも、最後に咲くウワミズザクラが先日満開になりました。
 芽吹きも急速に進み、日に日に緑が濃くなっています。足下にはコナラの雄花が落ちています。


 これは4月22日に、撮影したものです。
 柔らかい新葉に小さな幼虫や、オトシブミの仲間も見られるようになりましたよ。

春色の狭山丘陵

 このところ晴れの日が続きませんが、センターエリアは、日々春色が変化しています。
 木々の芽吹きが始まり、2、3日で思いのほか景色が変わります。


 これは4月15日に撮影したものです。
 また2、3日雨の日が続きそうですが、この週末はどんな風景になっているでしょう。
 今年もアカガエルのオタマジャクシが孵っています。チョウの数も増えてきましたよ。

サクラ、さくら、桜(「広報ところざわ4月号」掲載の「ふれあいの里だより」より)

  日本人にこれほどなじみの深い花はないのではないかと思う桜。ヤマザクラなどの約10種を基本に、園芸品種を併せると、300種以上あります。今では日本のサクラはほとんどが、江戸時代に作られたソメイヨシノ(染井吉野)といえます。
 在原業平が『世の中に絶えて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし』と詠んでいますが、桜に春を感じ、その開花に一喜一憂するのは今も昔も変わらないようです。

 センターエリアでは、数は多くありませんが、3月下旬頃からソメイヨシノ、ヨウコウ、ヤエベニシダレ、ヤマザクラ、オオシマザクラが咲きます。そして最後におよそサクラらしからぬ花をウワミズザクラが咲かせるころ、同じバラ科のカマツカも白い可憐な花を咲かせます。

 桜に気をとられている内に、コナラ、クヌギ、オトコヨウゾメ。足もとではタチツボスミレ、ヘビイチゴ、キランソウ、ヤエムグラ。数々の花が次々咲いています。まさに百花繚乱。花に訪れるアゲハやベニシジミなどチョウの姿も見かけることでしょう。


    ヤマザクラ

   ウワミズザクラ

    ベニシジミ



 サクラ満開です!

 3月24日に咲き始めた「陽光」も、ほぼ満開となりました。
 今週末が見ごろだと思いますので、散歩がてらセンターにおいでください。
 

 
 
   3月29日  センターの玄関前の「陽光」


 サクラ咲き始めました!

 各地で桜便りが聞かれる頃となりました。
 センターの玄関前にある「陽光」も、3月24日に咲き始めました。
         

 これは、3月25日の写真です。暖かい日が続くようですので、今週末辺りが見頃になるかもしれません。

 例年アオイスミレに始まり、次々と咲いていくスミレの仲間もここ数日ほとんどいっせいに咲き始めました。
 シジュウカラも巣作りをしています。
 木々の芽吹きも始まり、春が押し寄せてきたような、狭山丘陵です。

 3月18日のいきふれ自然情報
 
  巡回中に、いきなり足元から楊枝の様なものが飛び立ちました。
  なんだろうと思い、近づくと、「トンボ」でした。どうやら、成虫で冬をすごす「ホソミオツネントンボ」のようです。
                  
  
  この日は、モンシロチョウやテングチョウ、ムラサキシジミやヤマトシジミなども飛んでいて、
  「春がきたなぁ」と感じさせてくれる一日でした。
  そのほかにも、草花が小さい花をつけていました。
  
  センターの玄関前にあるサクラ「陽光」もそろそろ咲き始めます。 
  みなさん、春の狭山丘陵に遊びに来てください。

      


  どうぶつ展示はじめています!

                  

 3月から展示、「狭山丘陵のどうぶつたち」を新しくはじめています。
 センターのまわりにいる「どうぶつ」や、アライグマなどの外来種について展示しています。
 さわって遊べる「展示」もありますので、センターにお寄りの際には、ぜひお立ち寄りください。

                          

            アライグマのあしあとはどれだ!        タヌキの「ためふん」ってなぁに?



下萌えわたる…(「広報ところざわ3月号」掲載の「ふれあいの里だより」より)

 春日野の 下萌えわたる 草の上に つれなく見ゆる 春の淡雪
 新古今集にある歌で、この歌を由来として『下萌え』が春の季語となったとの説もあります。ひな祭りに飾られるひしもちは、下の緑が草、白は雪、桃色は桃の花を表しているとも言われます。大地から草が萌えいでる様を下萌えといいますが、和菓子の名前にもよく使われます。

 早春に咲く花は草丈も低く、見過ごしてしまいがちなものが多いのですが、オオイヌノフグリ、ホトケノザ、アオイスミレ、ナズナ、ハハコグサ、タネツケバナなど数多くの花が次々に咲き、色も青、紅紫、白、黄色など多彩です。ふと気がつけば足下に春が来ています。

 雑木林の林縁では、ミヤマセセリを見かけるかもしれません。幼虫で冬を越し、春いち早く蛹になり、成虫となったものです。ヤマツツジなどの葉の上でひなたぼっこをしている小さなコツバメは、蛹で冬を越しました。成虫で冬を越したテングチョウ、キタテハなどにも出会えるかもしれません。芽吹き間近な木々の間から、ウグイスのさえずりも聞こえてきます。春を歌っているように。


   アオイスミレ

    ハハコグサ

     コツバメ


 積雪の状況について2008年2月9日
                                
 8日の午後から深夜まで降り続いた雪は9日早朝にはやみました。
 9日は日差しが出て今現在(9日14時)園路の雪はほとんど消えています。
 ただし、日陰部分はまだ残っている場所もありますので、気をつけてください。
 
 特に早朝は、融けた雪が凍結しており、滑りやすくなっている場所もあると思いますので
 十分、ご注意ください。

 前回と同じ話になってしまいますが、足元にお気をつけて散策を楽しんでください。
                     
                 

              センターから西の広場に向かう道。 14時現在の写真です。



 積雪の状況について(2008年2月5日)
                                
 週末の雪は一日中、降り続きましたが、昨日の天気でだいぶ消えてなくなりました。
 センター周辺の園路上の雪はほとんどなくなっていますが、日陰部分はまだ残っている
 場所もあります。
 いきものふれあいの里スポットは、日陰部分に雪が多く残っていますのでご注意ください。
 特に早朝は、融けた雪が凍結しており、滑りやすくなっている場所もあると思いますので
 十分、ご注意ください。
 
                     
                  スポット2の雪                 荒幡富士登山道の雪


 これから、晴れが続くと、道がぬかるんできますので、散策時はなるべく靴底に凹凸のある
 靴で歩かれるのが良いと思います。
 
 荒幡富士の山頂に登る道には、まだ雪が残っており、凍結していますのでお出かけの際は
 お気をつけください。(特に下りはご注意ください。後ほど、センタースタッフが雪かきに行ってきます!)
 また、今日は荒幡富士から富士山は、雲がかかって良く見えませんでした。
 これから少しずつ、気温の上昇してくると霞がかかってきます。もうしばらく気温の低い日が
 続くと思いますので残りのチャンスに見にいらしてください。

 今週末も雪の予報がでていますが、随時、情報をお知らせしていきますのでをご覧ください。



ヒメカンスゲ(「広報ところざわ2月号」掲載の「ふれあいの里だより」より)

2月は1年でもっとも寒い時季ですが、12月の冬至のころに比べ、下旬にもなれば日の入りは、約1時間遅くなります。日差しは日ごとに春を感じさせてくれるようになっています。

 冬越しに来ていた野鳥たちも次第に落ち着かなくなり始めます。少し暖かい日には、モズやシジュウカラのさえずりも聞かれ、エナガは巣作りを始めています。

 足もとに目をやると、ヒメカンスゲ(姫寒菅)が、常緑の細い葉の間から、花を咲かせています。地味ですが、よく見るとけなげというか、可愛いものです。花粉は風に運んでもらうので、虫があまりいない時季に花を咲かせても心配ありません。花穂の先端に咲いているのは雄花で、揺らすと花粉が煙のように舞い上がります。下の方にあるのが雌花で、雄花が先に咲くようです。

 2月19日は『雨水』。雪に替わり雨が降るようになり、植物も芽吹き始める頃と言われますが、狭山丘陵でもニワトコやモミジイチゴなどが芽吹き始めることでしょう。


            ヒメカンスゲ

             シジュウカラ


今日の荒幡富士(2008年1月27日)
                                
 朝からくっきりと見えていた富士山、センタースタッフが巡回をした10:00頃もよく見えていました。
 夜が寒くて、星がよく見える次の日の朝はオススメですので、防寒対策をしっかりしてぜひお出かけください。
 
 *写真では再現できませんでしたが、はっきりとした青空と白い富士山、手前の緑地がすばらしくきれいでした。
  (今回も情報のアップが遅くなってしまいました・・・スミマセン!)

                  
                  

                     朝の澄んだ空気に富士山の姿がはっきり見えました!
今日の荒幡富士(2008年1月17日)
                                
 出勤時には、雲がかかって見えなかった富士山でしたが、センターの閉館前に
 荒幡富士に出かけたところ、夕焼け空の中、シルエットを見ることが出来ました。
 なかなか夕方に荒幡富士に出かけることがないのですが、日中に見かける富士山と
 趣が異なってきれいでした。
 昨夜は、初雪が降りましたが、まだまだ気温の低いこの季節が富士山の姿を見るチャンス
 ですので、ぜひお出かけください。(周辺には街灯が少なく、暗いので夜はお気をつけください)
 
                  

                     夕焼けの中に富士山の姿が見えました!
  

子年に寄せて(「広報ところざわ1月号」掲載の「ふれあいの里だより」より)

子年は十二支最初の年。知恵者とされるネズミですが、狭山丘陵には、カヤネズミ、ハタネズミ、アカネズミなどがいます。ネズミをはじめ、普段あまり目にすることのない生きものたちが、たくさん暮らしています。

 よく目にすることができるのは、名前に『ネズミ』のつく植物です。木ではネズミモチ。草ではネズミガヤ、ネズミノオ、ネズミムギなど。ネズミモチは生け垣に良く植えられ、この時季ネズミの糞のような黒い実を付けています。

 平成6年に開館した当センターですが、約5.2haの狭いエリアでも増えた植物や、あるいは姿を消した植物があります。冬越しにやって来る野鳥も年によって種類に変動があります。
 昨年はドングリがどこでも豊作だったせいか、カケスが山から下りてくるのが遅かったようです。冬を迎え、センターエリアに野鳥たちの声がたくさんするようになって、「今年も来てくれたね。」と安心しています。


     カヤネズミ

   カヤネズミの巣

      カケス


今日の荒幡富士(2007年12月12日)
                                
 8時30分出勤時にははっきりと見えていた富士山でしたが、センターの開館準備をしてから出かけたところ、
 すっかりシャッターチャンスを逃してしまいました。
 富士山全体に、しっかりと雪が積もって、とてもきれいでした。
 皆様も富士山を見るならば9時前後がオススメです。
 ぜひ、荒幡富士登山と遠方に見える富士山を楽しんでください。
 
                  

                      真ん中にうっすらと富士山の姿が・・・
  
  次は皆様にきれいな富士山を見ていただけるように、チャンスを逃さないようにしたいと思います。


冬のにぎわい

 今年もいよいよ最後の月となりました。いつまでも暖かい日が続いたと思ったら、急に寒い日が続き、各地で早々に雪の便りが聞かれました。12月7日は大雪。12月上旬に黄葉が見頃を迎えているこの辺りでも、今年は年内に雪の便りが聞かれるでしょうか。

 この時季、荒幡富士から本物の富士山が見られる日も増えます。空気の透明度が上がり、星もきれいです。それに加えて冬は明るい星が多く見られるので夜空は賑やかです。今年は12月15日午前3時頃に、双子座流星群がピークを迎えると予想されています。

 昼間賑やかなのは野鳥たち。アトリ、イカル、ミヤマホオジロなど、ここ数年、いつもは来ない、その年の『お客様』とも言うべき野鳥が一群れセンターエリアにやってきています。今年もお客様の一群が来るかどうか楽しみです。ただ、今年はどこも野鳥が少ないという情報が入ってきているのが気になるところです。

 木の実も少なくなってきましたが、林床ではヤブコウジやカラタチバナが、赤い実を付けています。足下をひらひらと飛ぶフユシャクの仲間も見られるようになってきました。

 12月22日は冬至。『光の春』を迎えますが、季節はいよいよ冬本番です。


            イカル

     ヤブコウジ

雑木林の冬支度 (2007年12月4日)

 すっかり色づいた雑木林。
 センターから西の広場に向かう道は黄色に変わった葉っぱが目立つようになりました。
 足元に目を移すと、黄色だけではなく、赤やオレンジ、などの様々な葉っぱで埋め尽くされています。
 もうしばらくすると、北風によって葉も散ってしまいます。雑木林の秋色を見るなら今がチャンスです。
 みなさんのお越しをお待ちしております!
  

     

     センターから西の広場へ向かう道・・・                 色とりどりの葉っぱ



今日の荒幡富士(2007年11月23日)
                                
 木枯らし1号も吹き、寒くなってきた今日この頃、空気が澄んできて天が高く感じます。
 今朝の巡回時には、荒幡富士の山頂から富士山(3776m)の姿を見ることができました。
 富士山の山頂には、しっかりと雪が積もり、冬が近づいてきているのを感じさせます。
 
                  
冬の足音(「広報ところざわ11月号」掲載の「ふれあいの里だより」より)

 11月8日は立冬。晩秋から初冬へと季節は移ります。晩秋と言えば『紅葉』を思い浮かべる人も多いかと思いますが、やっとニシキギやケヤキなどが色づき始めたばかりです。

 冬の使者とも言うべき『木枯らし1号』は、立冬の頃吹くことが多く、昨年は東京で12日に吹きましたが、気温が高めだったせいか、吹き散らすほど紅葉(黄葉)が進んでいなかったようです。今年もそのようで、スズメバチの仲間も健在で、油断が出来ません。でも、いつの間にか、チョウの姿が少なくなり、クロアゲハや、アゲハ、イチモンジセセリなど目にしなくなりました。エンマコオロギの声も聞こえなくなっています。ジョロウグモもめっきり数を減らしました。

 花も少ないですが、アキノウナギツカミ、コウヤボウキ、ヤクシソウなどがまだ残り、所沢市の花チャノキが咲いています。ふと気がつくとヤツデも花を咲かせ、オオハナアブが蜜を求めて来ています。
 センターでも、シベリアから渡ってきたジョウビタキの声が聞こえてくるようになりました。
 「カカッ、ヒッヒッ…ヒッヒッ。」


      ケヤキ

    コウヤボウキ

     ヤクシソウ


今日の荒幡富士(2007年10月21日)
                                
 久しぶりにセンター近くにある荒幡富士の山頂から富士山(3776m)の姿を見ることができました。
 富士山の山頂付近には、うっすらと雪が積もり、冬が近づいてきているのを感じさせます。
 ただ、センターの周りは、10月中旬まで暖かかったため、少しずつ秋らしくなってきているといった感じです。
 これから気温が下がり、空気が澄んでくると富士山の姿もよく見られるようになってきますので、センターホームページでは、定期的に荒幡富士山頂からの様子をお伝えしたいと思います。どうぞお楽しみに!

                  

秋風渡る(「広報ところざわ10月号」掲載の「ふれあいの里だより」より)

 秋本番を迎える10月。暦の上では9日が寒露、24日が霜降と、いかにも涼しげです。
  23日は十三夜。月も冴え返ることでしょう。

 月夜と言えば鳴く虫。草原や林で夏から鳴き始めていますが、テンポや強弱などが気温に左右されるので、エンマコオロギ、セスジツユムシなど、今こそ『秋の風情』を感じさせてくれます。
 風に揺れる、ススキ、アブラススキ、ササガヤ、コブナグサといったイネ科の植物。
コブナグサは、黄八丈の黄色染めに古くから使われてきました。小さな葉を鮒に見立てて名前が付いたそうです。

 アキアカネなどのアカトンボたちが秋空を飛び、ジョロウグモは、『秋の女王』にふさわしく、芸術とも言える巣を張っています。

 カケス、ヤマガラに続き、ジョウビタキなど冬越しのために移動してくる鳥も集まり始めます。
 星空も秋本番。空高くにはペガスス座の秋の四辺形。宵のうちは西空に夏の大三角も見えています。秋の夜長に星空を眺めるのも楽しみの一つです。


  セスジツユムシ

    コブナグサ

     ヤマガラ


スズメバチに注意!  

狭山丘陵も少しずつ、秋めいてきました。
この時期になると、「スズメバチ」の活動が活発になってきますので、散策などをされる際には十分ご注意ください。 「スズメバチ」は、人間に出会うとすぐに攻撃してくるわけではありませんので、以下の「ハチに刺されないために」をお読みになってあせらず冷静に対応をしてくださいね!

   

☆ハチに刺されないために・・・☆
(1)ハチが飛んできたり、体に止まっても「振り払わない」!(飛び去るまでじっとしていましょう!)
(2)ただし、1匹だけでなく、たくさんのハチが飛んできたら、近くに巣などがある可能性がありますので無理に進まずに、来た道を戻ってください。
(3)まだ暑い日も続いていますが、野外を散策される際には、長袖・長ズボン・帽子をかぶるようにしてください。

●センターでは、みなさんにスズメバチについて、もっと詳しく知っていただくために「生きているスズメバチ」を飼育展示しています。野外では、なかなか近くでじっくりと観察する機会がないと思いますので、興味のある方はスズメバチに会いにいらしてくださいね!
また、昨年は11月初旬くらいまで、スズメバチが飛んでいる姿を確認していますので、ハチに注意しながら、初秋の狭山丘陵の自然をお楽しみください♪


イチモンジセセリ(「広報ところざわ9月号」掲載の「ふれあいの里だより」より)

 暑さ寒さも彼岸までとはよく言われますが、9月は二百十日、白露、彼岸、秋分の日と、暦は秋の深まりを感じさせます。

 ユウガギクやカントウヨメナは、7月頃から咲いていますが、初秋の風にこそ似合います。草原(くさはら)にはワレモコウ、ツリガネニンジン、ノハラアザミなどの花が見られます。

 残暑は厳しくても、日暮れが次第に早くなり、真夏にはあまり目にすることの無かった鳥やチョウの姿も増えます。夏の間山の方に行っていたアキアカネも帰ってきました。

 庭にも色とりどりの花が咲き、小さなチョウが蜜を求めてやってきます。よくガと思われがちですが、セセリチョウの仲間たちです。中でもイチモンジセセリは9月頃に一番数が増え、場所によっては大発生して、群で移動する姿が見られることがあります。吸蜜している時に翅(はね)の模様が観察しやすく、後翅に白い点が一列に並んでいたら
イチモンジセセリです。
 幼虫の食草は、ススキなどのイネ科植物で、葉を綴った巣の中で暮らし、稲の害虫として駆除の対象にもされますが、生息環境も幅広く、もっとも身近なチョウと言えるでしょう。


   イチモンジセセリ

    ユウガギク

    ノハラアザミ


セミの仲間たち(「広報ところざわ8月号」掲載の「ふれあいの里だより」より)

 夏の主役はやはり虫たちと言えるでしょう。中でも一番夏を楽しんでいるかのようなセミ。
5月頃のハルゼミに始まり、最後に出るツクツクボウシは秋口まで鳴いています。

 最近では、関東より西の方の暖かい地方にしかいなかったクマゼミも増えてきたようで、
賑やかさが増しています。
 同じセミでも、早朝や夕方、日中陽が陰ると鳴き出すヒグラシはむしろ涼しげで、愁いすら含んでいます。
もっとも数が多すぎなければの話ですが。

 セミの仲間で、静かな虫はさらに多く活動しています。シロオビアワフキ、クサギカメムシ、アカスジキンカメムシ、
ツマグロオオヨコバイ、アオバハゴロモなど見過ごされがちな虫たちです。

 虫たちの活動は活発で、チョウやガも幼虫期のものが多く、木々は葉を食べ尽くされないように、盛んに森の香り
とも言えるフィトンチッドを発散させ、虫たちを退けようとしています。花は少ないですが、クサギ、ナンバンギセル、
早朝や夕方なら白いレースのようなカラスウリの花が咲いているかもしれません。

 健康にも良いと言われるこの『森の香り』を楽しみながら、夏こそ緑の中で、生きものたちとの出会いを楽しんでみてはいかがでしょう。


      ヒグラシ

  アカスジキンカメムシ

   ナンバンギセル


ヤブカラシ(「広報ところざわ7月号」掲載の「ふれあいの里だより」より)

 7月は夏のイメージですが、実際は梅雨の盛りから終期に当たり、七夕も星の見られない年が多いです。
織姫(ベガ)と彦星(アルタイル)も旧暦か、月遅れの方が空高く輝くようになり、全国的にもこのころ七夕祭りを
するところは珍しくないです。

 この時季、林縁では鮮やかな朱色のヤブカンゾウ、林の中ではヤマユリの香りにはっとさせられます。
同じユリ科のヒメヤブランは足下で可憐に上向きの花を咲かせています。

 身近に目にするヤブカラシ。人間にとっては厄介者に思われがちですが、アオスジアゲハなどチョウをはじめ
コアオハナムグリやさまざまな昆虫が次々訪れます。緑色の4枚の花びらと雄しべは午前中に落ち、午後からは
雌花の働きをします。盛んに蜜を出し、虫たちが、他から花粉を運んできてくれるのを待っています。でも、実ることはまずなく、根茎から増えていきます。そして藪を枯らすほどの繁殖力からその名が付けられたそうです。


   アオスジアゲハ


ヒメヤブラン

     ヤブカラシ




風に揺れる銀の穂チガヤ(「広報ところざわ6月号」掲載の「ふれあいの里だより」より)

 今年は6月22日が、一年中で最も昼の時間が長い夏至です。日本では梅雨のうっとうしいイメージがありますが、ヨーロッパでは心地よい西風が吹き、北欧では盛大に夏至祭が行われます。

 雑木林や野原などでは、花が少し落ちつき、静かな感じになります。そんな中、河原や野原に揺れる銀の波。これが茅(チガヤ)です。5月頃出始めた花穂は甘みがあり、『茅花(つばな)』と呼ばれ、万葉集にも歌われ、古くから甘味として食べられてきたようです。端午の節句に食べる粽(ちまき)は、もとはこの葉でくるんだ(茅巻き)(ちまき)から呼ばれるそうです。茅の輪くぐりの神事にも使われて来ました。
 身近な草で、外国ではやっかいな雑草とされている所もありますが、日本では減ってきています。

 上の方に目をやると、ウワミズザクラの実は少し朱に色づき始め、低木のウメモドキの花が咲いています。林縁ではホタルブクロやオカトラノオ。林床ではオオバジャノヒゲやイチヤクソウがそっと咲いています。太陽が顔をのぞかせると、オオミドリシジミや、ハンノキの林ではミドリシジミのキラキラと飛ぶ姿が見られるかもしれません。


      チガヤ

    ホタルブクロ

     ミドリシジミ


風薫る(「広報ところざわ5月号」掲載の「ふれあいの里だより」より)

 5月はゴールデンウイークまっただ中からのスタート。季節は夏へと向かいます。

 足下にはチゴユリやニガナ、シロツメクサなどの花々。木々は緑の葉を広げ、エゴノキ、ガマズミ、ネジキなどの白い花が咲きます。

 北の国へ渡るツグミ。南の国から渡ってきたカッコウやオオルリ。野鳥たちも季節の変わり目を告げているかのようです。
 昨年の秋、南の国へ渡る途中のサンコウチョウが、センター周辺に立ち寄っていきました。今度は「帰ってきたよ。」と立ち寄ってくれるでしょうか。

 チョウも成虫で冬を越した、テングチョウがまだ見られるかと思えば、さなぎで冬を越し、羽化したばかりのキアゲハが飛んでいたりします。ヤマツツジの花にクロアゲハやカラスアゲハなどの黒いアゲハが蜜を吸いに訪れる姿も見られるようになります。これから6月にかけてチョウはぐっと種類も数も増えていきます。

 青嵐、風薫ると言えば爽やかですが、夏嵐、メイストームと呼ばれる荒れた天候にもなるこの季節。やはり五月晴れが待たれます。


チゴユリ

エゴノキ

キアゲハ

紫華鬘(むらさきけまん)(「広報ところざわ4月号」掲載の「ふれあいの里だより」より)

 4月。新年度の始まりです。雑木林でも新しい命の巡りが動き始めています。林床ではスプリング・エフェメラル(春の短い命)と呼ばれる植物たちが花を咲かせます。代表的なものは氷河期の生き残りと言われるカタクリですが、昨今の気温の上昇にこれからが心配になります。
 狭山丘陵で目にすることが多いのは、紅紫色のムラサキケマンです。『華鬘』とは、仏壇の欄間(らんま)などを飾る装飾具のことです。有毒植物ですが、これを食草とするチョウにウスバシロチョウ(ウスバアゲハ)がいます。卵で冬を越して2〜3月頃孵化(ふか)して、冬から出ている新葉を食べ始めますが、食痕は目立ちません。このチョウも氷河期を生き延びたと言われています。狭山丘陵ではあまり出会えないチョウですが、食痕がないかとじっくり見ていると、思わぬ発見があるかもしれません。
 やはり食草で、同じケシ科のジロボウエンゴサクは、スミレを太郎坊と呼んだのに対して次郎坊で、花をひっかけて遊んだことによるそうです。お花見といえば桜(ソメイヨシノ)のイメージが強いですが、足下にも可憐な花が色々咲いています。



ムラサキケマン


スミレ

ウスバシロチョウ
(ウスバアゲハ)


サクラサク!

 4月が近づいてきました。暖かい日に油断していたら、急に寒い日がやってきたり、生き物たちも、急な温度変化にびっくりしたのではないでしょうか?

 ここ最近、私たちが花が咲くのを今か今かと待っていた木があります。センターの入り口にある「陽光(ようこう)」というサクラです。センターエリアで、一番最初に咲き、春の到来を感じさせてくれるサクラです。
 この「陽光」も先日から少し暖かい日が続き、開花がすすみました。今年は、昨年の天候があまり安定しなかったためか、花つきがあまりよくありませんが、現在7分咲きです!
 週末のお天気が少し悪くなりそうなので心配ですが、ぜひ、センターの入り口を彩るサクラを見にいらしてくださいね!


センター入り口にある陽光

センター入り口の一番日当りの
よい所に注目!

春がやってきたという感じですね!


アカガエルさん

出てきましたよ。アカガエルさん。
このカエルさんはまだ寒いうちに、冬眠から起きて、卵を産みにやってきます。
卵を産んだら、また春まで休眠(春眠)します。カエルの卵を見ると、「あ、もうそろそろ春だなぁ!」と思います。

センターのえさ台付近にある水場で、2月22日に1つの卵塊(らんかい)が見つかりました。
このように丸くひとかたまりになっているのが、アカガエルの卵の特徴です。(おそらくこの卵はニホンアカガエル…。)


2月22日のたまご。

3月1日のたまご。

3月1日に確認したら、うっすらオタマジャクシっぽい形が見え始めていました。
たくさんの命がここから生まれますが、大人のカエルになれるのは、きっとわずか…。
アカガエルさんを見かけたら、「カエル!きゃー!」とは言わずに、どうか見守ってあげてくださいね!


目覚めの春(「広報ところざわ3月号」掲載の「ふれあいの里だより」より)

 弥生三月春うらら。『弥』はいよいよ、『生』は草木が生い茂ることを意味するようです。早春から春本番へ。日ごとに明るさを増す日差しとともに、芽吹きやつぼみ、日々新しい発見があります。

 冬の気温が高めになってきたせいか、早春に咲く赤紫のホトケノザ、紫のオオイヌノフグリなどの花が12月頃から見られますが、本来はこれからが小さな花たちの輝く季節です。風に花粉を運んでもらうスギ、ヤマハンノキ、草ではヒメカンスゲなどは、まさに早春に花を咲かせています。ヒサカキはいち早く活動を始めた虫たちに、独特の臭気で開花を知らせているようです。

 今年はひなまつりの翌日が満月ですが、おぼろ月と言うよりは、まだ冬の凛とした夜空に月が浮かぶことでしょう。とは言え、3月も終わり頃になれば、このあたりでも桜の開花の便りが聞かれるかもしれません。草木は目覚め、虫も野鳥も活動的になり、眠っていたような雑木林は、にわかに活気づいてくることでしょう。そして、狭山湖などで冬を越したカンムリカイツブリ、マガモ、コガモなどは、北の国へと旅立っていきます。



朝もやの雑木林

おはようございます。
朝、さくさくと落ち葉を踏みしめながらセンターに向かう途中で、こんな景色に出会いました。


朝日が木々の間からこぼれて幻想的な風景にしてくれています。
素敵でしょう?
まだ少し朝は寒いけれど、朝の散歩も楽しいものですね。
これから少しずつ雑木林も春の訪れが楽しめる時期になっていきます。
どうぞ、遊びにいらしてください。


鶯神楽(うぐいすかぐら)(「広報ところざわ2月号」掲載の「ふれあいの里だより」より)

二月、『如月(きさらぎ)』は、もう一枚衣を重ねてきたからとも言われる最も寒い頃ですが、草木が生え始める『生更木(きさらぎ)』からだとも言われます。
この頃咲く花に梅を思い浮かべる人が多いことでしょう。寒さに耐えて咲くため、常緑の松や竹と並び、おめでたい木とされてきました。

雑木林の中ではウグイスカグラが可憐な花を咲かせています。
12月頃からちらほらと咲き始め、春に盛りを迎える低木です。
この木でウグイスが神楽(かぐら)を舞う様に見えるから名付けられたとか、ウグイスがさえずり始める頃に咲くからなどと言われていますが、定説はありません。6月頃に甘い実が赤く熟し、古くから庭にも植えられてきました。

今一番目につくのは、カケスやルリビタキなど冬越しにやってきている野鳥たちですが、この時季ならではの観察として冬芽があります。派手さはありませんが、小さくてもしっかり自己主張していることに驚きます。よく見ると、コナラの枝に、オオミドリシジミの卵が見つかるかもしれません。ここにもしっかり冬を生きている命があります。
防寒体制も整えて、冬のいきもの探しはいかがでしょう。


↑ ウグイスカグラ

↑コナラの冬芽

↑ルリビタキ♂




今日のお客様(2007.1.14)

センターでは12月末より、食べ物の少ない冬のみエサ台を設置しています。
エサはひまわりの種と、ヒエとアワ。
餌付けにならないように、朝と夕方の2回にわけて、決まった量をおいています。

今年は山の方にエサが少ないのか、例年と比べるとセンターエリアでも見られる鳥の種類や時期がちょっと変わっているようです。

ちなみにエサ台設置の後に約2週間エサ台付近で調査を行った結果、こんな鳥たちを見ることが出来ました。

コジュケイ、キジバト、コゲラ、ヒヨドリ、ジョウビタキ、シロハラ、ウグイス、エナガ、ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ、カシラダカ、アオジ、カワラヒワ、スズメ、カケス

他にもトラツグミやミヤマホオジロも確認されています。
いつまで遊びに来てくれるかな?

ミヤマホオジロ♀

常盤木(ときわぎ)(「広報ところざわ1月号」掲載の「ふれあいの里だより」より)

お正月飾りに使われるユズリハ。西日本に多い常緑の木ですが、庭や公園に植えられ、センターエリアにも野生化しています。春に出た新芽が伸びると古い葉が落ちるので、『譲葉』と名付けられ、成長した子どもに後を譲るのにたとえ、おめでたい木とされます。

常緑樹は、冬でも変わらず緑の葉をつけていることから、『常盤木』とも呼ばれ、燃料などとして生活に使われた落葉広葉樹のクヌギ、コナラに相対する存在として、神聖視されてきました。神様に供えるサカキやヒサカキをはじめ、クスノキ、アラカシ、シラカシ、スダジイなど、神社やお寺によく植えられています。

明治神宮の森も計画して作られた常緑樹の茂る森です。シラカシなどは防風林として、民家の周りに植えられてきました。もちろんそれらの木になる実は野鳥たちの冬の大切な糧になります。

虫たちが冬越しでほとんど姿を見せない中、一番目だつのは野鳥です。ジョウビタキやモズは人の近くで冬を越し、少し林の中に入れば、ルリビタキやシロハラ。
シジュウカラ、コゲラなどは群を作っていますが、時にはヒガラも混ざっているかもしれません。




センターで会いましょう


寒くなり、すっかり冬の装いになってきたいきものふれあいの里センター。
あたりは木の葉っぱもだいぶ落ちて、だいぶ鳥が見やすくなってきました。
冬鳥たちもいろいろと姿を見せてくれています。

 ↑ルリビタキ♂          ↑シロハラ      ↑ウソ♂

運がよければ、ウソやルリビタキ、ジョウビタキやツグミ、シロハラ、カケスなどの冬鳥たちが、センターエリアで観察できます。センターは12月29日〜1月3日まで年末年始休館になりますが、エリアの散策は自由に出来ますので安心してお出かけくださいね。
外は寒いですが、楽しい出会いがあるかもしれませんよ!



師走の色(「広報ところざわ12月号」掲載予定だった「ふれあいの里だより」より)

晩秋といえば11月のイメージがありましたが、狭山丘陵あたりでは最近、12月上旬になってきたようです。
木々は紅葉し、最後の輝きを見せるなか、落葉も進んでいます。
黄色く色づいたアオハダ、赤はニシキギやイロハモミジ。コナラやクヌギは主に茶色。僅かな風にも色とりどりの葉が舞います。落ち葉の間を縫うように冬に成虫になるガ、クロスジフユエダシャクもひらひら飛んでいます。
周辺の畑などには一面霜が白く輝く日も多くなってきました。12月7日は大雪、22日は冬至。暦通りに雪がちらつくこともあります。

日溜まりでは成虫で冬を越す、ムラサキシジミが見られることがあるものの、昆虫の姿を目にすることは少なくなりましたが、冬越しに来る野鳥の数は増え、賑やかになってきました。薮の中にはウグイス、林内では少ないドングリを探しているのかカケスが騒いでいます。落ち葉をひっくり返して虫を探すシロハラの姿もあちこちで目にするようになりました。周辺の畑や民家の方からはモズの声が聞こえ、林の中ではルリビタキが鳴いています。

今年はセンター周辺でも木々の実りが少ないですが、林床にはヤブコウジやカラタチバナが赤い実を付けています。
何かと心せわしい『師走』ですが、冬色に変わっていく雑木林を散策してみるのも息抜きになるのではないでしょうか。




雑木林で遊びませんか?

みんなに雑木林のことを知ってもらって、雑木林をもっと好きになってもらたいと思い、
雑木林に関する展示をご用意しました。

雑木林のパズルや、はっぱのこすりだし、はっぱのトランプカードがあります。
楽しみながら、雑木林のこと、知ってくださいね。

↑パズルは結構難しいぞ〜!    ↑トランプで遊べるように、机と椅子も用意しました。



11月4日の誕生日祝い

11月4日の夕方、緑色のマユの中から出てきたのはウスタビガの♀!


5日に一日センターの中で、みんなにお披露目してから山に帰りました。
蛾になってからは、あまり飛ばず、フェロモンでオスを呼んで子孫を残すのだそうです。
いい相手が見つかったらよいのですが…。どうかしら?



晩秋の輝き
(「広報ところざわ11月号」掲載の「ふれあいの里だより」より)

 11月3日は栗名月とも言われる十三夜。
 7日は立冬。季節は冬へと向かいます。

 『晩秋』という言葉には寂しい響きもありますが、花が少なくなる中、ヤクシソウが静かに咲いている姿を見つけたり、様々な『色』に出会えたりと、楽しみな季節でもあります。

 最低気温が7〜8℃を下回るようになると紅葉が始まるとか。センターは夏でも町中より数度気温が低いですが、去年の記録では、11月中旬頃その条件を満たすようになります。
今夏は日照不足だったので、色は期待できないかもしれませんが、いかがでしょう。

 成虫で越冬するムラサキシジミやキチョウなど以外のチョウは、11月でぱったりと見られなくなります。
 カタバミを食草とするヤマトシジミ。カタバミは冬でも枯れなくなってきましたが、いつまで見られるでしょうか。

 日ごとに増える冬越しにやってくる鳥たちに、ムラサキシキブは紫、ウメモドキやガマズミは赤、ヒサカキは黒紫色と、木々の実は様々な色に熟し、種を運んでもらうのを待っています。




本日のお客様(2006.10.12)

 本日、オオルリの♀がセンターのバルコニー側の林にお目見え。
 木に止まった後、下の池で水浴びをして帰られました。
 旅の途中の休憩でしょうか?
 鳴いてくれないので、なかなか気づけなかったよ…。

 またのご来館をお待ちしています!

 ※気づいた職員がデジカメと双眼鏡でその姿の撮影に成功!


秋のたより
(「広報ところざわ10月号」掲載の「ふれあいの里だより」より)

 スポーツの秋、行楽の秋、読書の秋、実りの秋…。何をするにも良い季節となってきました。
 温暖化の影響か、10月まで暑い日がありますが、空気はさすがにさわやかです。

 アゲハチョウの仲間も今月でほとんど見られなくなり、チョウの数は減りますが、遅れがちな紅葉に先駆け、秋の装いに変わるチョウが目立つ頃となります。
 前翅の黒い斑紋がわずかとなったキチョウは秋型です。キタテハは翅の形に加え色も赤みが増します。赤く成熟したアカトンボ、アキアカネも飛び交います。

 山から降りてくるカケスの数も増え、10月中旬頃からは、狭山湖でも北の国から渡ってきたマガモなどの水鳥たちが見られるようになってきます。

 草花ではカントウヨメナやノコンギクなどキク科の花が目立ち、木の幹を這い上り、キヅタも花を咲かせます。
 実りの秋にふさわしく、ヒヨドリジョウゴ、クサギ、オトコヨウゾメと草や木の実が秋の陽に輝く中、のんびりと散策はいかがでしょう。



本日のお客様(2006.09.29)

 本日、ニホンアカガエルさんがご来館されました。
 
 しかも裏口に。(微笑)
 
 お客様、申し訳ございませんが、センターの正面入り口におまわりいただけますか?



ナガサキアゲハを確認!(2006.09.20)

 最近、関東地方でも目にすることが多くなったアゲハチョウです。
とうとう、センターエリアでも9月15日に確認されました。

  よく、クロアゲハと間違えることもありますが、他のアゲハとちがって、
後翅(こうし)に*尾状突起(びじょうとっき)が無いことと、全体的に他のアゲハより大きくゆったりと飛び、翅(はね)の付け根に朱色の紋があるのが特徴です。

  幼虫はミカンの仲間を食べるようなので、ユズや、カラタチ、キンカンなどが
植栽されている家から発生している可能性があります。



*約15年前の図鑑によれば、紀伊半島付近が確認の北限だったのですが、
  ここ数年、関東地方を北上中です。

*「尾状突起(びじょうとっき)」:後翅の縁から伸びる尾のように見える部位



本日のお客様(2006.09.12)

 夏の暑さはどこにいったの?と思うくらいにしとしと雨が続き、肌寒い日でした。
 雨の日のお散歩、とばかりに、 ヒキガエルさんが来てくれました。
 ちょっと重めな体でのしのしと歩いて、森にお帰りになりました。
 (重たいから飛び跳ねなかったの?)
 ご来館ありがとうございました!センター職員一同、またのお越しをお待ちしております。



草に露おく頃(「広報ところざわ9月号」掲載の「ふれあいの里だより」より)

 秋の気配は8月から少しずつ現れ始めていますが、まだまだ夏の色の方が濃いようです。空の色にも注意していると秋と夏がせめぎ合っている様子が見えてくるかもしれません。

 日照時間は確実に短くなり、23日は秋分を迎えます。ユウガギクやシロヨメナ、ハナタデ、ママコノシリヌグイ、ノハラアザミなど、色様々な花が咲き、カゼクサやチカラシバなどのイネ科の植物が涼を添えます。

 野鳥は越冬地へ向け、移動の途中です。狭山丘陵周辺では南の方へ渡る途中のキビタキや、山から下りて来たカケスを見かけたりします。

 チョウの仲間にも渡るものがいます。ウラナミシジミは、春から世代交代をくり返しながら、幼虫の餌となるマメ科の花とともに北上を続け、9月頃狭山丘陵あたりで一番見られるようになります。もともと南方系のチョウなので、越冬できるのは近くでは温暖な房総あたりだけで、ここでは終着駅のように命を終えます。




残暑時々秋の気配(「広報ところざわ8月号」掲載の「ふれあいの里だより」より)

 8月8日は立秋ですが、暑さはピーク。セミの声が暑さを倍増させるようにすら思えますが、土の中で何年も幼虫期を過ごし、限られた時間に子孫を残すために精一杯鳴いているのですから、ちょっぴり応援したくもなります。

 夕方土の中からよたよたと這い出てきて、天敵の少ない夜の間に羽化しますが、白く透けた姿は神秘的でさえあります。同じ頃、林縁ではカラスウリが白いレースのような花を咲かせ、夜行性のスズメガの仲間が来て、花粉を運んでくれるのを待っています。日中、クサギにはクロアゲハやカラスアゲハが蜜を吸いに、やはり花が見られる、ヤマハギにはキチョウが、ウマノスズクサにはジャコウアゲハが産卵にやってくるかもしれません。

 8月も中旬になれば、初秋を思わせるナンバンギセルにも出会えることでしょう。上空には秋の気配が訪れ、アブラゼミからツクツクボウシにセミの主流も変わっています。




暑中を楽しむ
(「広報ところざわ7月号」掲載の「ふれあいの里だより」より)

 梅雨明けが待たれる頃ですが、暦の上では暑中となり夏本番です。

 シジュウカラの今年2度目の雛も巣立ち、真夏に向かうにつれこのあたりは野鳥の声よりセミの合唱が大きくなり、主役は虫たちになります。動くことの出来ない木は葉を食べ尽くされないように、虫たちの嫌がる臭いを発散させます。これが森の香りとも言えるフィトンチッドで、人間はこの香りに癒されながら散策が出来ます。

 草はらや林縁では目立つ蛇の目模様が特徴で、次第に数を減らしているジャノメチョウを見かけるようになります。

 近くにはヤブカンゾウの鮮やかな朱色の花。林の中ではヤマユリ、トウギボウシ、足下にはジャノヒゲやヒメヤブランの小さな花。見た目も特徴も様々ですが、これらはみんなユリ科です。再び野鳥たちでにぎわう秋、小さな花は瑠璃や黒紫色の輝く実に姿を変え、鳥たちを迎えることでしょう。

 木の花はほとんど咲き終わったこの時季、リョウブが涼やかに白い花穂を揺らす中、森林浴を楽しんでみてはいかがでしょう。




緑滴る6月
(「広報ところざわ6月号」掲載の「ふれあいの里だより」より)

 夏本番を前に雨が大地を潤す季節ですが、一年中で最も昼間の時間が長い夏至を迎えます。木々はいよいよ緑を深くし、濡れた葉の上にミスジマイマイなどのカタツムリの仲間がいたりします。

 晴れた朝には梢付近をキラキラとオオミドリシジミが飛ぶ姿も見られるでしょう。クリの花にはアカシジミやウラナミアカシジミが翅を休ませていることも。これらのチョウはゼフィルスと呼ばれるシジミチョウの仲間です。

 林内では落ち葉の間から葉緑体を持たない、ギンリョウソウの不思議な花。
 似てはいませんが同じ仲間のイチヤクソウも咲いています。民間薬とされたことから『一薬草』の字が当てられますが、ドクダミは、薬効性に勝るのか、『十薬』と呼ばれます。

 これらの白い花以外に青や紫のツユクサ、ホタルブクロ。ユリ科のオオバジャノヒゲも咲き始めます。

 ムラサキシキブや卯の花と呼ばれ親しまれてきたウツギが咲き、林縁ではオカトラノオが白い花穂を揺らす中、夏を告げるかのように長旅から帰ってきたホトトギスの鳴き声も聞かれます。




ハルゼミの歌
(「広報ところざわ5月号」掲載の「ふれあいの里だより」より)

 5月2日は八十八夜。狭山丘陵あたりでも茶摘みが行われる頃です。
 5日は端午の節句、そして6日は立夏。季節は初夏を迎えます。

 丁度ゴールデンウイークの真っ最中。お天気が気になります。この頃ハルゼミが鳴き始めますが、晴れの日以外は鳴きません。すっきりしないお天気が続いた昨年は、「ムゼームゼー」とも聞こえる独特な鳴き声を、ほとんど聞くことができませんでした。ハルゼミはアカマツ林に生息し、アカマツとともに数を減らしています。アカマツ保護のためにまかれる薬剤も命を奪っています。今年はどれくらいこの合唱が聞けるでしょうか。

 輝く緑の中、ミズキ、エゴノキ、ガマズミなど様々な白い花が木々を彩ります。足下では可憐なチゴユリの白い花がみつかるでしょう。ヤマツツジの花にはジャコウアゲハなど黒いアゲハチョウの仲間。梢にはコジャノメなども見られるようになります。


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